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感想
隠したい秘密。墓場まで持っていく。でも重くなる。だから誰かに聞いてほしい。名前も素性も知らないあの人に。だからあそこにいるあの人に。
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鉄道が高架になっていてその下に人々がささやかに暮らしたり働いたりしている。都会の何処かの、ひそやかな場所ですね。ある程度年齢を重ねて、様々な思いを抱えた女性たち、何とも魅力的です。ベーコン醤油ライスが何度も登場しますが、美味しそうなこと!
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思っていた内容とは異なりましたが、おもしろかった。
どこにでもいそうな主人公の日常をのほほんと覗いてる感じ。
登場人物のキャラも良いし、とにかく読みやすかった。
作者のあとがきを読んで他の作品も読みたくなりました。
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ちょっと変わった場所に住んでいる30代女性のお話し。
主人公の美子の何気ない毎日、出会う人達…でも本当は何事もないわけではなくて誰にでも何かしらあるんだよ…というのを『確かにそうだよね』って思いながらあっという間に読めてしまいました。ところどころ笑わせてもらいながら…。
やっぱり吉田篤弘さんの世界観好きです。
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久しぶりにこういう感じの本を読んだ。雨の日に、雨の音を聞きながら読みたい感じの本。
苦ーいコーヒーが飲みたくなった。あとベーコン食べたい。
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現実的に有り得ない設定というわけでもないのに、何故かリアルに想像できず…… なんだかずっとふわふわした気分です。
でもなんだか癖になる世界観で、読み終わってすぐ、再読したくなっています。きっとまたすぐに
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鉄道の高架下商店街〈晴天通り〉で働く美子の前に、コーヒーと銭湯が好きな探偵が現れる。話を聞いた町の人たちは、それぞれの秘密を語りはじめる。
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2023年99冊目
吉田篤弘さん/なにごともなく、晴天
吉田篤弘さんの描く、「優しくゆったりとした日常」を堪能できる作品。
吉田さんの描く「ご近所」「食堂」「喫茶店」の雰囲気が大好きなのです。
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高架下の物語。大きな事件は起こらないけど、日常過ごしてるさもありなんなエピソードが連なっていく。文体も軽やかで読みやすいんだけど、なぜか読み切るのに時間を要する吉田作品、今回も然り。
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どこかにありそうでどこにもない日常が広がっていて温かいようなすこし寂しいような不思議な感じ。
お饅頭をはやく食べたいのに素知らぬ顔をつくるむつ子さんがなぜかとても愛おしく思った。そういうの、あるよなあ。
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高架下で暮らす美子と周りの人たちの日常が、ゆっくりと語られていく心地よい本。
喫茶店で(カフェではない)、美味しい飲み物と、少しの甘いものと、穏やかに読みたいような本だった。
短い1話ずつにつけられたタイトルが、単純な動詞だけれど妙。
1話ずつがちょうど読みやすい長さで、すいすい読み進められるのだけれど、いつか、もっとゆっくり、じっくり味わって再読したい。
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文庫のショートケーキに惹かれて皆さんのレビューを読んで気になった本作。
読んで見て、もう一度皆さんのレビューを読んで納得。
こーゆー本だったのかと。
面白くないわけでもないし美子の恋の行方も君子さんも気になるけど、うーん。
表紙が好みじゃなかったら買わなかったかな。
残念。なにがどーのじゃないのだけど私にはイマイチだったかな
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高架下のお店の人たちを中心に、銭湯で出会った元探偵さんとのおはなし。
大きな何かがあるわけではなく、ただ日常の人間模様が描かれているのだけど、この波のない感じホント大好き。
食堂も行ってみたくなるし、いわゆる銭湯にも行きたくなる。
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【あらすじ】
鉄道の高架下商店街で働く美子はある日、銭湯で元探偵と出会う。
これまでなにごともなく過ごしてきたはずの日々の中に、小さな変化が起き始めていることを感じ始める美子だったが———。
【感想】
単行本で発売されたときに読んでいたので、今回はいいかな?と思っていたのですが、新刊コーナーに飾られた文庫版の表紙に描かれた絵がケーキだったことに違和感を覚えて、手に取りました。
次に目についたのは帯に書かれた「絶品!〈荒野のベーコン醤油ライスの作り方〉を新規収録の文字。
さらに。単行本にはなかったエピローグ的な「ケーキを切り分けた日」も収録されている、とのことで購入して読み直しました。
単行本を読んだ時にはタイトル通り「なにも起きない話」と感じたのですが、私が歳を重ねたせいなのか、今回は「いや、小さいことがいろいろ起こってる!」と感じました。
そして。エピローグが書き加えられたことによって、余韻が感じられて、なんだかとても幸せな気持ちになりました。
単行本で読んだときにも幸福感はあったんです。けど、それが多福感になっているという感触。今回、文庫版に出会えて良かったと思います。
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吉田篤弘さんの小説は、読み手の心に"凪"をつくってくれます。凪なので、強い風も大きな波もありません。静かにゆる〜く淡々と‥、でも内容は薄っぺらではなく、深みがあり妙に惹かれるのです。
あとがきには、2011年の東日本大震災を受けてこの物語が生まれ、タイトルに込めた想いが記されていました。『なにごともなく、晴天。』(そんなはずはないけれど)希望と悲しみの間を行き来する想いを「なにごともなく」に託したようです。
寂れ、廃れが進む高架下の商店街で、一日一日を穏やかに暮らす人々の物語です。
むつ子さんに店番を任されている主人公の美子、同じくお店を営むベーコン姉さん、サキ、太郎食堂の人々、元探偵の八重樫さん‥。
これらの人々と関わり過ごす日々の中に、美子の一目ぼれ、長年会っていない父の話も挿入され、単調さに変化もあります。
また、コーヒーやベーコンの匂い・味、高架下が故に聞こえてくる音なども、程よい刺激です。
人生は平穏無事に見えて、様々な出来事を経験し、誰もが悲喜交々の思いを抱えて生きています。
作中で、いろんな人の「じつはね」が浮き彫りになりますが、平穏の影の哀しみが織り込まれることで、吉田さんの平穏な日々への祈りを感じます。
今年は元日から悲しい出来事がありました。被災者の方々に寄り添った支援が行き届き、平穏な日々が訪れることを願わずにはいられません。