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【2024年23冊目】
終末世界、地球は一ヶ月後に滅亡する――滅びを前に生きる人々を描いた作品。いじめられっこの僕、ほとんどヤクザのような男、気丈で愛情深い母親、作られた令和のディーヴァ。文庫本では、初版についていたという書き下ろし特典も収録されていました。新井素子さんとの対談も。
最初はどこか「美しい彼」を彷彿とさせる関係性が描かれていましたが、終末世界になってから、様相はがらりと変わっていきます。ハラハラとしながらも予想もしなかった展開で終わる第一章「シャングリラ」から最終章まで描かれるのは、家族や大切な人たちとの繋がりです。
決められた死を前に、失ったと思っていたものを取り戻していく登場人物たちに、思わず涙が滲みました。避けられない死かもしれないけれど、せめて最後まで幸せでいてくれと願いながらの読了でした。
静香さんがとても好きなキャラクターで、出てくる度に温かくも強い気持ちになりました。素敵な人だ。不器用な人も全てひっくるめて、登場人物たちに感情移入しながら物語を追いかけました。
時間を置いて、また読み直したくなる作品です。
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地球滅亡まで1か月をどう過ごすか。「隕石が1か月後に地球に落下し、人類が滅亡する」という非現実的な事象と、「それに向き合い生と死を感じる男女」の現実的な心理描写が印象的である。
いじめられっ子の恋の行方、学校のマドンナの心情と過去、この二人の周りの人が複雑につながり、絡み合って、またつながる。
凪良ゆうらしい心理描写がここでもまた
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1か月後に世界が終わるということは想像がつかない。設定が他になく新しい本だと思った。登場人物全員が幸せになって欲しいと思いながら読んだ。爽やかな終わり方でよかった。
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1ヶ月後、地球に小惑星が衝突し、人類のほとんどが死んでしまう。
本当にそうなった場合、きっとこの作品の様な世の中になってしまうんだろう。
最初はいじめられている友樹のような子は実際にいて、リアルにそんな感情で日々を過ごしてあるんだろうと辛く暗い気持ちになったが、母親の静香は強く優しい人がいて良かったと思った。そんな中に地球滅亡のカンウントダウンが始まったが、その家族と友樹の好きな雪絵も無事に一緒に最後を迎えられて絶望の中でも光を感じる事が出来た。
もしも、実際にそんな事が起きたら、私も最後は自分の愛する人達と一緒に最後を迎えたい。
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死にたいと思った時は特に行動もせず不幸と感じるが、生きたいと思った時には生きれる時間はごくわずかで人間は生きるために行動し、最後まで自分の過ごしたいようにしようと思う
人生は皮肉だと思った
登場人物には誰一人共感は出来なかったが、
これを読み人はいつ死ぬかわからないので、自分がしたいと思ったことはすぐ行動するべきだと思った
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面白い!
地球が滅亡する前1ヶ月のお話が複数人の視点から展開される
それぞれのチャプターの主人公が色濃くて面白い
滅亡を止める話ではなく、滅亡を受け入れる話
こんな小説を書いてみたいと思った
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面白い。
青春ロードムービーからのノワールかと思わせてのラブストーリーからの終幕。
よくある終末モノであまり描かれない者達が主人公なんだけど、だからこそ「これから地球はどうなる?」じゃなくて、どうやって納得して死んでいくのかを一緒になって考えてしまう。
対談もとても面白かったです。
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とても良かった。
地球滅亡、荒廃する街、その中で自分達と出会い直す人々。
ハッピーエンドと整理すべきか悩むが(たぶんみんな死ぬので)、その「エンディング」に向かうという意味、過程こそが重要なんだろう。How。
雪絵らとLocoは大きな接点はなく、ラストライブでクロスするだけだが、「生きた」とは何なのか、それぞれのシャングリラがそこにある。
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地球滅亡の終末モノ。 いくつかの物語が最後の場所まで辿り着く。 親父の物語が1番人間味があって楽しかったです。 SHIZUKAと再会してからの話は本当に良かったです。
好きな子が臨んだ場所まで送り届けた少年。
昔愛した女性と再会しその女性と家族を守りきる親父。
終末のライブ会場を作る集団と地球最後の歌姫。
これらが合わさって理想郷だったのだろうか。
それともそれぞれの1ヶ月自体もか。
読み応えのある作品でした。
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登場人物がみんな魅力的。凪良さんの作品をますます好きになる作品だった。親子間の愛情の問題や有名人の苦悩、SNSの問題、新興宗教など今の時代らしい話題が多く、これも人気になりそうだと思った。
個人的には最後地球が滅ぼない展開も考えていたので、「奇跡」とかを感じさせない展開が良い意味で裏切られた。話題になる前にいろんな人にオススメしたい本。
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それぞれの背負った荷物、それを他人が持ってあげることは出来ない。
でも生きてさえいれば、あゆみ続けていけば、そこには幸せみたいなものがあらわれる。
自分を卑下する気持ちが軽くなり、今を未来を少し明るく見れるようになるいい作品でした。
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凪良ゆう作品では初
シャングリラ、パーフェクトワールド、エルドラド。この3つの言葉には「理想郷」という意味があるらしい。なぜユートピアという言葉が使用されないのかはわからない。何かこだわりがあるのかもしれないと思う。
物語としては面白かった。「いまわのきわ」はまさに死を迎える時に用いられる言葉だろうけど、人は本当にそうした状況を迎えた時、最期にどのようにありたいのか。そんなことを想像させる。
だけど今はそんな死が必ず訪れる世界ではないからどのようにありたいかなんて考えるべくもなく、生きるために目の前にある仕事や役割をこなしていくしかなくなる。人生の臨終を迎える時に初めて、どのようにありたいかを考える。
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読みやすい文章でテンポよく物語が進むから、面白いけど印象に残らないかなあって途中までは思ってた。
でも終盤の母のお話の中で、殺しに対してどう思えばいいのか、解が出ない戸惑いがあったり、locoのお話では、天上人もやっぱり渇いてるんだって共感できないのに想像できたりした。
あとは、遺体に対して、それは違う作法だっていうシーンがシュールでとても面白かった。
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残された時間をどう過ごすのか。
どう助かるかを考える視点はなくそこにフォーカスされているのが不思議なようでこの本の魅力のように思った。
今は平穏に流れるこの時間でさえ、最後がわかってしまえば容易に崩れるものであると言うのはどことなく想像がでいるものだったが、
一方でその中でこそ本来のありたかった自分に近づいていく登場人物たちは羨ましくも見えた。
例えその先がないとしても、いつもどこかに閉まっている思いが叶えば死んでもいいと思える彼らが羨ましくも見えたし、自分のそういう気持ちは早く形にしたいと思える作品だった。
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終わりを目前にすると、人は急に、今まで要らなかったものですら、何もかも惜しくなるのだから、わがままだけれど愛しい。
私だったらどうしたいだろうか。