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紙の本

げに厭わしきは人の傲慢さに浅ましさ、信じた者の昏き裏切り

2024/01/31 22:57

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ラ・レーネ - この投稿者のレビュー一覧を見る

四季を司る一族に生まれながら白を持って生まれてきたばかりに、実の両親や妹から疎まれ虐げられていた雪華が16歳の時に黒龍の贄になる為、断崖から飛び降りることから物語が始まる。雪華はしなやかな若竹のような心を持っていて、黒龍に大切にされる中で、自分を虐げていた家族の中でただ1人、姉と慕ってくれていた弟の言葉を信じて裏切られた。駆けつけた黒龍に助けられた時、尚も浅ましく雪華を害そうとする両親に見事な啖呵を切る姿は凛としていた。虐げられていた時も強い心を持っていた彼女ならではの見事な縁切りだと思う。黒龍の弟に裏切られた時もきっぱりと自分の信じる黒龍を信じると言った彼女の心には、もはや揺らぎはなかった。どんな境遇でも一本芯の通った彼女はきれいだと思う。後、幼い頃の金平糖のエピソードが可愛らしいと思った。薄幸の少女が幸せを掴むまでの物語で安心して読み終えた。

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