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オリヴァ―とピアシリーズの第10作。
オリヴァーの私生活はこんな酷いことになってたんだっけ?
上手く行っていたような気がしたのだが、
ピアに言わせれば、いつも同じタイプ、
不安定さを抱えるキャリアウーマンタイプに惹かれるオリヴァーが悪いのだが。
元妻のコージマが癌になり末娘と一緒に住んでいるが、
妻の娘が悲惨な事件を目撃したトラウマからか意地悪三昧。
オリヴァーひとりなら、自業自得で終わりだが、
娘を巻き込むのは親としてどうかと思う。
別居すると聞いて「ようやく?」と言いたくなるピアの気持ちがよくわかる。
さらには、家を出た後に元実家のお城を改装したホテルに泊まり込み、
敷地内の家に安い家賃で住まわせてもらえそうとは、
貴族のお坊ちゃん極まれり。
事件の方は、出版社の元編集者が行方不明になったことからはじまる。
働いていた出版社は創業者一族が経営していたが、
その関係者が関係しているのか
もしくは作品の剽窃をばらされた作家が絡んでいるのか。
出版社社長の年の離れた従兄が事故で亡くなったことや、
社長の母親が自殺したことに関係しているのか。
謎解き部分は面白かったし、
編集者の一人と社長が距離を縮めていくところも良かった。
その編集者がアイスティーをもってバルコニーに出て、
原稿を読む場面がうらやましかった。
人を殺したと思い込んだ有名作家のドタバタ劇も、
意外にもそのあと事件解決に手を貸したところも面白かった。
ピアの方はといえば、妹キムと前作で出会えたその娘はうまくいかなかったが、
新しい家で、事件で知り合った犬を飼い始め幸せそうだった。
元夫の法医学者ヘニングがミステリー小説を書き、
今の夫がへそを曲げるのが問題らしい。
被害者の隣人を見てピアが、
投資銀行勤務か弁護士にちがいない、出勤前にはハーフマラソンをしていることに
「わたしのミニを賭けてもいいです」と言ったところを、
カシオミニ、と空目をしたのは私だけでははず。
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登場人物が多い上に人間会計が複雑、更にそれぞれがあだ名で呼びあったり、作中作小説は仮名処理されてて、誰が誰だかわからなくなる。
しかも、みんな嘘ついてて、ルービックキューブかってくらい事件の構図が目まぐるしく入れ替わり、その度に容疑者候補順位が次々シャッフルされる。
これを最後に収束させられる技量半端ない。
ピアがため息混じりに「これは最低の事件よ。嘘と巻き添え被害だらけ」というのも頷ける。
そんな中、ゼヴェリン・フェルテンのキャラが最高。未だかつてここまで強烈な噛ませ犬がいただろうか。
終盤で特殊応力を発揮するし、ニコラのお気に入りになってるし、レギュラ入りを予感させますね。
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オリヴァーとピアシリーズ10作目のドイツミステリー。事件解決と並行して二人の私生活も深く語られるので、もはや私にとって二人は正月に近況を知らせてくれる親戚の様な親近感を抱かせてくれる。とは言え、今回の事件は登場人物も多く関係性も複雑、さらに過去の事件の影響が多大で、嘘に嘘を重ねる容疑者が常に入れ替わる。
解決に繋がるチームのメンバーの地道な仕事も描かれているので600ページ超えもあっと言う間によめた。
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まず、文庫なのに¥1,760に驚愕した。ページは多いんだけれども…うーん。
ページは多いが、なかなか犯人像が見えず次が気になり、ぐいぐい読める。
また、警察内がギスギスしていないのが良い。オリヴァーのまわりは酷いが…作者は主人公を虐めたいドS?
登場人物がなじみのないドイツ名な上に多くて大変覚えづらい。
人間関係も複雑で、誰が誰の甥だか嫁だかわからなくなるので、もう血縁関係や婚姻関係など表にしてもらいたい…