紙の本
全てが秀作揃いで大満足です
2024/06/09 15:46
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投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
6編の怪異譚。不気味なエンディングの表題作。「たなわれしょうき」は民俗学的なアプローチの作品で、続きがありそうな余韻。嘘つきだが悪い子ではない珠美のお話の「戸栗魅姫の仕事」や子育幽霊飴のパロディの「火曜夕方の客」の両編は切ない話。「くろがねのわざ」は想定外の技にびっくり。「とこよだけ」では、自殺名所と言われる死に魅入られる場所は、こんな場所なのかもしれないと思わせる話でした。とにかく、全てが秀作揃いで大満足です。
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野崎と比嘉姉妹が登場し、ますます面白さが増した。不気味で怖いながらもサラッと読めた。短編集なのに読み応えもあった。
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ホラーで怖くてじゃなくて、悲しくてやるせなくて泣くと思ってなかった。
「火曜夕方の客」リアルでニュースになっててもおかしくない、人間の闇と罪と愛情を感じるお話だった。
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比嘉姉妹の短編もあり。
真琴がいると思いきや…の回は前作の既視感ですぐに分かってしまった。
なんかモヤモヤしたモノが出てくる話が多い。
コミカライズする様です。
ちょっとキャラの作画が私のイメージと違う…
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今回は比嘉姉妹よりも野崎さんの話が多かったですね。
やや民俗学っぽく、三流実話怪談雑誌ふうなのが、面白かった。
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もはや安定の比嘉姉妹シリーズ。短編集はさらっと読めながらも、どろっとした不気味さが後に残るのが良い。今回は「戸栗魅姫の仕事」がいろいろ仕込んであって面白く、切ない展開はこの中では異色。そしてタイトルのすみせご。またまた登場の某人物が活躍(?)というサプライズ的な話が結構良かった。ああそういう話?と思ったところで引っ繰り返して嫌な感じで終わるの、意地悪でニヤついた。
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どの話も面白く、あっという間に読んでしまった。心を揺さぶられたのは『戸栗魅姫の仕事』と『火曜夕方の客』。どちらも切ない気持ちになる。じっくりホラーの話もあり、比嘉姉妹の短編集の中では一番好きかも。そして、この巻でも辻村ゆかり先生の妙技が炸裂しています。なんなんこの人。
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澤村伊智先生の新作~~!しかも比嘉姉妹シリーズ。楽しみにしてた
相変わらず文章がめちゃくちゃ…うまい…。澤村伊智先生、いやーな人間や鬱屈とした人間関係書くのもすごいよくて日常のありがちな綻びからシームレスにホラーに入るからいきなりゾッとする。それがおもしろくもあるけど!
ジャンプスケアっぽい演出があるホラー小説も流行ってるっぽいけど、澤村伊智先生の作品は理詰め?というかこういう事象があって、こういう因果があってという感じで書いてくれてるので怖いんだけどそこまで怖くない(?)から私みたいな怖がりでも読みやすくてありがたい。たぶん小野不由美ホラーが好きな人は好き
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霊能者姉妹の比嘉琴子と真琴、そして真琴の夫である野崎昆が関わる怪異を描くオカルトホラー短編集。シリーズ8作目。
◇
林に囲まれた広い空き地まで来て車は停まった。
助手席から降り7月の強い日差しに眉をしかめていると、運転席から出てきた野崎さんに「半ドアだよ」と注意された。慌ててドアを締め直した僕は不機嫌そうに煙草を吸う野崎さん見て、やっぱり迷惑だったのかと胸が痛んだ。
僕は中学校に上がってすぐいじめにあった。9ヶ月間がんばったものの、とうとう耐えられなくなった僕は、もう学校には行きたくないと両親に打ち明けた。叱られたり嘆かれたりするだろうという僕の予想に反し、両親の反応は優しく理解あるものだった。こうして中1の3学期から中2の今まで、僕は不登校を続けている。
最初は外に出ることに恐怖を感じてしまい引きこもり状態だったけど、室内でできることに飽きた頃を見計らって父が連れ出してくれるようになった。
渓流釣りを楽しみ印刷工場で書籍が出来上がる過程を見学しと、知らなかった世界を見せてもらった僕は、少しずつ胸のつかえが取れていく気がした。
そして夏を迎えたある日、父の勤める出版社を見学させてもらっていたときに偶然出会ったのが、フリーライターの野崎さんという人だ。ちょうど滋賀県に取材旅行に行くという野崎さんに、父は僕の同行を頼んでくれたのだった。
こうして僕は今、野崎さんと2人で滋賀県T町を訪れているのである。到着早々から、この過疎化が進む山村で「たなわれしょうき」について取材するうちに……。
( 第1話「たなわれしょうき」) 全6話。
* * * * *
怪異現象について、その因果が解き明かされ解決して終わるもの、因果は判明するものの事態は解決しないもの、因果もよくわからず事態も手つかずのものと、話のパターンがいろいろあっておもしろかった。
もっとも印象に残ったのは第1話「たなわれしょうき」で、「鍾馗様」が魔除けとして瓦や門飾りとして作られることになった因縁をうまく取り込んだ展開が、とても興味深いものでした。
そして不登校中学生の翔太や野崎が襲われるという事件は、野崎の仕事ぶりを妬む人間が起こしたものだった代わりに、終盤にゾワッとするオカルトシーンが……。
この場には比嘉姉妹がいないので仕方ないのでしょうが、この怪異が手つかずで残ることになったのが怖い。鍾馗様の魔除けの焼き物は実際に多賀町の伝統工芸品なので訪れてみたいと思うものの、ちょっと尻込みしてしまいます。 ( 鍾馗様の根付でも身につけていけばいいかな……。)
その他では、第2話「戸栗魅姫の仕事」(比嘉琴子もの)、第3話「火曜夕方の客」(比嘉真琴もの)も印象的です。
この2話は、きれいに解決して怪異も収まるというメデタシメデタシパターンなので、安心して読み終えました。
逆に第4話から第6話については何も解決せず、スッキリしない気持ちだけ残っています。
特に第4話「くろがねのわざ」は因果が全くわからない���え、その後の展開の予想すらつかないため消化不良です。
最後に、第6話「すみせごの贄」について触れておきます。
事件の謎解きに登場するのは比嘉姉妹でも野崎でもなく、なんと辻村ゆかりです。時系列で言えば、この表題作は『ずうのめ人形』終盤以前の出来事を描いたものと捉えていいのでしょうか。まさか死んではいなかったなんてことはないですよね。 ( そうだとすれば余計に恐ろしい……。)
それにしても、ゆかりは何のために事件に首を突っ込んできたのか、もうひとつ理解できません。でもそれだけにラストの惨劇 ( の予感 ) が不穏で、却って怖かった。
ともあれ、さすが澤村さんです。6話ともゾクゾクしながら楽しめました。
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昔から伝わる怖い話みたいなのが大好きなので、今作も楽しく読めました。短編で物足りないかと思いましたが、気軽に色々な作品が読めて良かったです。
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短編集という事で、非常に読みやすかった。
ホラーに他の要素を足したり、独特の読後感を持たせる作風を手軽に楽しめて、とても良かった。
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辻村氏が琴子の偽名なのかと思ったけどレシピ本も出してるなら有名人だろうし、別人だな。
戸栗魅姫〜の珠美と魅姫と琴子の会話は「ぼぎわん」の主人公と琴子と偽琴子の電話みたいでスリリング。
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もうひと展開ありそうなところで終わってしまう話が多かった。たなわれしょうきも、とこよだけも、怪異が出てきておしまい、というところが物足りなかった。一つ一つの怪異のイメージは怖い。うう〜でもなあ〜〜
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毎回思うのだけど、このシリーズの表紙はなんともいえない不気味さがあって好き。表題作のバケモノをイメージしたものもあれば、そうではなく「なんとなく不吉なもの」を表現したものもあり、今回の表紙はどちらかといえば後者のパターン。(作中で「すみせご」は「細長い棒のようだ」と表現されていたから)
内容的にはすこし物足りないものが多かったかなという印象だった。
本作は心霊雑誌『怪と幽』に掲載されたものを集めた短編集で、そのため全作がだいたい50ページというボリュームでまとめられている。まとめて読むには疲れない分量だけど、お話的にはあまり内容を詰め込めないので、少しあっさりした感じになってしまう。特に表題作の『すみせごの贄』に関してはもう少しバケモノの説明がほしかった。
というわけで☆3つ。
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久々の比嘉姉妹シリーズ
ジワジワ面白いけど何となく物足りない
もっとゾワッとしたい
シリーズを読み返したくなった