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小児科の看護師を勤める美咲。
仕事で出会った照明コンサルタントの仕事に興味をもち、照明コンサルタントが手掛けるギャラリーの準備を見学するためにギャラリーへ。
ギャラリーに展示されている写真は捨てられた冷蔵庫の写真ばかり飾られている不思議な展示だった。
そして、見学当日に運び込まれた等身大の巨大なフォトは、空地にそびえ立つみどり色の冷蔵庫の写真。
その写真を見て驚く美咲。
美咲は何故驚いたのか?
そして冷蔵庫が物語にどんな関係があるのか?
というミステリー作品です?
?なのは、ミステリー?なのかは正直わかりませんという感じがしているので。
短いながらも、文章をじっくり読ませるタイプなのか?一言一句拾いたくなる文章だなと思いました。
粗大ゴミでもなんでもそうなのですが、捨てられている冷蔵庫って見たことがない人っていないと思うのですが、それに意味を見出すことって、そんなにないですよね?
でも、本作品はそのなんでもないはずの冷蔵庫に意味を見出すというある意味不思議な話です。
ただ、不思議な話とはいえ、私自身も本作品を読んでいて私自身のこれまでの出会いや私が私がなぜ今の仕事をやるに至ったのかなど、自分の出会いや人生についていろいろ思い出しました。
そして、思い出して見て、本作品の登場人物達のように、私が生きてきた人生で出会った人やものは偶然に過ぎないはずのに、運命的な出会いとは後から気がついて、それが必然だったんだと思う瞬間があります。
そしてその時にはわからなかったことが、もしかしたらあの時こうだったのかもな?と思う瞬間が。
ただ、捨てられて佇んでいる冷蔵庫。
それに意味を見出すか見出さないかは私だったり、あなたである
ということと同様に
実は出会った人やものに見出す
のも、私やあなた次第。
そういうことなんだろうなと思った作品です。
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家がなくなった宅地の真ん中に捨てられた緑色の冷蔵庫が、この小説では大きな焦点だった。主人公の看護師の美咲が、ピアノに固執していた理由、由貴奈先生が抱えていたもの、照明コンサルタントの森本の思い、写真家の中野の過去の恐怖など、登場人物すべての気持ちはとてもよくわかった。でもなぜか少し物足りなさを感じた読後感だった。
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2024年。アガサ・クリスティ賞大賞受賞者なんだね。ミステリ畑みたい。思わせぶりなタイトルに弱く、つい。
中学生の時、ピアノを習っていた美咲。由貴奈センセーに出会ってから、ピアノの楽しさにめざめた。ツェルニーもちゃんと練習し、大好きな曲にもチャレンジ。だが、由貴奈センセーの父が亡くなったことから、ピアノレッスンは1年で終了。看護師になった時、捨てられた冷蔵庫の写真を撮る人と知り合い、思い出すのであった。冷蔵庫の中なんて入りたくないけれどなぁ・・・。優しく流れる雰囲気はいいかな。