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投稿者:ママさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
短編集で読みやすかったです。
『えっ』とどんでん返しもあり、何が隠されているのか考えながら楽しめました。
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心が温かくなるけれど胸の奥がチクリと痛むショートショート作品集です。
「早く次の話も読みたい」と「読み進めたら本が終わっちゃう」という自身の行動に矛盾が起きています。
この気持ちを誰かに共有したい一心で投稿しました。
そして一緒に残りのページが少なくなっていく寂しさを分かち合って欲しいです。
どの作品もフィクションのはずなのに、現実の傍にぴったりと寄り添っているものばかりで驚きました。
星新一のショートショートを現代風に温かく描いた作品のように感じています。
ページを捲る度、今の自分と各話の登場人物たちを照らし合わせ、彼らに思いを馳せては息が詰まるような感覚に襲われる。
「生きる」という現在進行形で当たり前のように享受している現実というものは尊いものであると粛々と語り掛けてくる。
登場人物の心境や物語の顛末だけでなく自分の不甲斐なさに対しても、気が付くと涙が溢れていました。
全部で十二作品収録されており一話あたりのページ数は控えめなので、あまり読書慣れしていない方にも読みやすく心のデトックスとしてもオススメしたい一冊です。
好きなように日々を過ごしている自分にとっては、かなり罪悪感を伴っているので読了することには別人のようになっているかもしれません。
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人のやさしさ温かさも感じながら、胸が切なくなるショートストーリーをまとめた小説です。
10代のころの好きなのにうまくいかない恋愛や思春期の家族関係、
感情の間でゆれうごいて悩んで前に進んだり立ち止まったりした昔を思い出して
なんだか泣きたくなりました。
技術進歩によって自分の寿命を売り買いできる”余命”をお金にかえられるようになった世界。
母一人子一人で貧しいながらも、周りにやさしくできる主人公。
登場する若者はみんなやさしくだからこそ理不尽な世の中、大人の醜さや傲慢さが際立ち
年齢を重ねれば重ねたほど自分の見栄や体裁をきにする大人たちに疑問を抱えた
10代ころの自分が思春期に読んでいたらダイレクトに刺さった内容
だったなと思います。
大人にもおすすめですが20代前後の若者にもぜひ読んでほしい作品です。
全部で12作品収録されておりどれもショートストーリーのため普段本を読まれない方や通勤・通学で何を読むか悩まれている方にも気軽に手に取っていただける作品かと思います。
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表題作「君の余命、買い占めました」を含めた12編、どれも“生きづらさ”と共に語られることが多い現代的な事象がモチーフになっているものの、つらさの中に“救い”が語られる短編集です。
非正規雇用、孤独死、ハラスメントなどニュースでは社会問題としてネガティブに語られる事象であっても、そこに人がいる限り生まれる心の通い合いやちょっとした奇跡がうまく描かれていて、ホロリときたりジーンと感動したり、感情が忙しくなりながら引き込まれて一気に読みました。
個人的なお気に入りは「余命告知シミュレーション」、Z世代であろう緩和ケア医の成長譚とも言える作品です。電車の2駅分ほどで読み終わるので成長譚とは大げさかもしれませんが(笑)、余命告知の重責を前にトイレに逃げ込んじゃう心優しき青年医師のキャラクター造形が巧みで、シリーズものとして読みたいくらいです。
しっかり者の看護師とのバディものとしても、クスリと笑える会話劇としてもオススメです。
社会問題の“中にいる”小さき人達への温かい視線を持つストーリーテラー・青井青さん、フォローしていきたいと思います。
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高校の社会見学で見た「死刑執行」。
密かにそれをスマホで撮影した高校生(裕紀)の身の上に起きる不思議な物語です。
リアルな死刑場の描写、無実を叫ぶ死刑囚、拘置所の外で見た死刑反対派の市民団体と一人の少女、マスコミの報道と少女とのやり取り、そして明らかになる真実と少女の正体。
これ以上書くとネタバレになりそうですが、非常に「捻(ひね)りのきいた」短編小説です。
映像に喩えるならば『世にも奇妙な物語』(フジテレビ)で使われそうなストーリーでしょうか。
「命」「想い」が作品の中に描かれ、それに「ホラー」が絶妙な味付けをしています。
高校生(裕紀)、死刑囚、少女、どの登場人物も「命」に向き合う想いがしっかりと(淡々と)綴られている作品です。
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現実的な日常の自然な会話と、非現実的なワクワクハラハラする展開のバランスがちょうどよく、あっという間に読み切りました。
12編どのお話も情景がクリアに思い浮かべられて、読み切るのに時間もちょうどよく、読書をあまりしない方でも入り込める作品だと思います。
「君の余命、買い占めました」
研究や技術の進歩により余命さえも流通する、命が機械的に扱われるようになったと感じてしまう世の中で、こんなにも献身的な気持ちが連鎖するものかと胸が熱くなりました。
「車椅子のナンパ師」
タイトルからはまるで想像できないラストでした。
ナンパが題材のお話では、こんなあたたかい気持ちは絶対に得られないなと。
ぜひこのじんわりとした不思議な感覚を味わっていただきたいです。
ドラマや映画を観ているような感覚もありつつ、小説ならではの自由に想像して楽しめる要素も十分にあり、読み終えたあとに心があたたかくなりつつも、スッと軽く楽になれる、そんな作品です。
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非常に読みやすく、どこから読んでも物語の世界に入りやすい本でした。
ですがただ読みやすいだけではない。短い中にも登場人物の心情が沢山散りばめられていて、読み終わったときにはじんわりと切ない中にほんの少しの希望や救いやほっこりした気持ちが生まれる、素敵な小説です。
特にタイトルから気になっていた『君の余命、買い占めました』は、自分や他人の命、人生について考えさせられました。
他の作品もぜひ読んでみたいです!
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読み終わった後に、切ない爽やかさが心に残る短編集です。
タイトル作の「君の余命、買い占めました」が特に私のお気に入りです。
章吾と楚良の純粋な心に胸が締め付けられました。
また、もし自分がこの世界に生まれたら、自分の人生をどう生きるか考えさせられました。
お金と命を天秤にかけられるとしたら、自分が本当に大切にしたいものがもっとシビアに見えてくるのかな。そんなことを思いました。
題材にされている問題はヘビーなものもありつつ、読みやすくとてもきれいな文章で描かれているため、スッキリした気持ちになりました。
生きづらさを感じている人、生きている意味を考える余裕もなくただ日々を過ごしている人にぜひ読んでいただきたい一冊です!
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タイトルから気になり、この本を読みました。
短編小説なのに綺麗な言葉や描写がところどころに散りばめられているだけでなく、内容も短編とは思えないほど濃密で読み終わったあと、じん。と来ましたし、自分の人生、そして余命について考えさせられました。
最後の「君の命は僕の命だから。」その言葉に買い戻した53年間を章吾は楚良を想って生きて来た事がぎゅっと詰め込まれており、二人でいられた時間は少なかったものの、その少ない時間が二人にとってかけがえのないものなのだと思いました。
大切なものは何か。幸せとは何か。そして、この先の人生をどう生きるか。それを考えさせられる暖かく優しいお話しです。すっと入り込んでくる言葉も読みやすく、どの年代の方にも、そして普段小説に触れて来ていない人でも読みやすい小説になっていると思います。ぜひ、たくさんの方に読んでほしいと思いました…!
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主人公の章吾と楚良の純粋な心に、自己中心的な人間ばかりの現代で忘れていたものが見つかった気がしました。特に章吾の母は信じられないくらいのずる賢い母ですが、何も疑わずに自分の余命全てを母に捧げてしまうなんて心が優しすぎて切なくなりました。
技術が進歩して自分の寿命を売買できるようになった世界。貧しさゆえに自分の寿命を3日間分だけ売ってしまった楚良も世界中で貧困の差が激しい現代の象徴のような気がしました。
そんな貧困な楚良ですが他人を思いやる気持ちに心打たれました。しかも自分の余命を省吾が知らぬ間に捧げてしまいその思いを手紙に託して亡くなってしまいます。
楚良から託された命をガムシャラに働き成功を納め、自分の寿命を買い戻した省吾は楚良との短いけれど、とても濃い思い出を大切にして生きていく姿に、切なくも人間は本来はこんなに優しく強いものなんだと久々に実感できました!
コロナ禍で人との関わり方が苦手になってしまった若い方々にぜひ読んでいただきたいなと思います。
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一言でいうのなら「切なくも美しい12の人生を描いた本」。
短編小説12編が綴られたこの一冊。
読んでいくと、丁寧に描かれた繊細な描写に、その世界がありありと目に浮かぶようでした。
ひとは生きていれば、キラキラした輝かしい人生ばかりではなく。
時に見たくはない・・・裏切りや病・死・貧困等…といった暗闇もあります。
けれどそうした暗闇の中にも、最後に優しい月のような光をてらすこの12編は、読後じんわりとした優しさやあたたかさを感じさせてくれました。
そして物語の余韻が、しばらく胸に残るような…そんな内容でした。
今辛い。
苦しい。
悲しい。
何かモヤモヤとしている。
そんな時ほど、この物語に触れて欲しいと思います。
生きるって、辛いだけじゃない。
この世界にだって優しさが溢れている。
だから今を生きていこう。
そう思わせてくれる12の物語でした。
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【孤独死クライマー】が特に良かったです。ゴミ屋敷を掃除するクリーン会社の人たちが、孤独死をした人の部屋の清掃をしながら、故人のことを考えるストーリー。孤独死するというと、頑張ってなかった人、友達もいなくて寂しい人など、みすぼらしい感じがプンプンするけど、実際はそうでもなくて誰もの隣り合わせに存在しているんだな、と。ふとしたきっかけで自ら社会との間に壁を作り、孤独を選ぶ人もいる。決して可哀想、でまとめてはいけない社会現象。彼らにも歴史があって、誰かの記憶に残っている。人間みな死ぬ時は来るけど、果たして自分はどうなのだろう…と考えさせられました。
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風景や人物描写や緻密で、臨場感がありました。小説の冒頭から色鮮やかな映像が浮かぶような作品で、「アニメ化やドラマ化されたら、こんな描写になるのかな」と、想像をかき立てられました。
読み始める前に、タイトルからどんな内容だろうと想像してみましたが、想像を超えてきました。よく思いつくなと、感心してしまう設定でした。設定がわかってからも予想外の展開が続き、最後まで飽きさせない内容でした。
最近は読書時間をなかなか設けることができず、小説を読む機会が減っておりましたが、こちらはちょうどいい文量の短編集でした。おかげさまで、1作品ごとに集中して楽しむことができました。12編全て読ませていただきましたが、1作目の衝撃が大きく、タイトルでもある『君の余命、買い占めました』が一番面白かったです。
私自身、趣味で文章を書く機会が多いのですが、作者の紡ぐ文章から学ばせていただくことが多かったです。感動と学びをいただき、ありがとうございました。次作も楽しみにしております。
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この小説の最大の魅力は、主人公が直面する困難に対する彼の姿勢と、その中で見せる成長です。章吾は、自分の余命を売るという極限の選択肢に追い込まれながらも、人間としての尊厳を失わず、他人を助けようとする意志を持ち続けます。また、彼が周囲の人々とどのように関わり、支え合いながら生き抜くかを描いたシーンは、読者に深い感動を与えます。
物語全体に流れるエモーショナルな要素は、登場人物たちの人間関係の複雑さと、それぞれのキャラクターが抱える内面的な葛藤によって引き立てられています。章吾の親友である楚良との関係や、母との再会、そして彼の命をかけた選択など、全てが読者の感情を揺さぶります。特に、章吾と楚良の絆や、彼らが共有する苦労と希望が描かれるシーンは、エモーショナルな共感を呼び起こします。
この小説は、読む人の心に深く訴えかけ、涙を誘う感動的なストーリーです。現代社会の問題や家族の絆、そして個人の選択といったテーマを通じて、多くの人々に強い印象を与える作品となっています。
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12編の短い話からなる短編集です。
1話1話が短いためすぐに読めます。
また、読んだ人の境遇や今置かれている状況によって、人それぞれ感想が全く別物になるような予感がします。
題名で最も興味を惹かれたものは、
「耳の聞こえない風俗嬢」です。
先天性難聴者の女性が風俗嬢になるお話ですが、先天性のハンデがあっても周囲の理解やサポート、そして何より本人の想いがあれば出来る事が必ずあるのだと思いました。
私自身にもとある障害があるのですが、それを踏まえた上で自分自身にも出来る事を探したいと思いました。
他の話もタイトルからでは内容を想像出来ない物が多く、一読の価値ありです。