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筆者はVTuberを、「生身の配信者のガワ」「アニメキャラのような虚構の存在が配信のていで活動する」「両者のどちらにも還元できない」の三種に分類し、にじさんじ・ホロライブなど箱で活動するような、最もメジャーであろうタイプのvtuberを3番目の類型であるとして分析の対象にする。
一章
サール、リクールの議論を引きながらvtuberのアイデンティティについて分析する。
どのような存在者がVTuberであるか明文化が難しい現状にふれたうえで『VTuberとしてデビューし、VTuberとして活動状態にある(略)』と定式化し、「VTuberとして」とはどういうあり方なのか、すなわちVTuberとしてのアイデンティティに分析を施す。
つまり現実とは異なる身体で現れること、異なる名前で呼ばれ応えること、異なる物語を生きることを通じて現実の配信者から独立していくようなやり方で生まれるのがVTuberとしてのアイデンティティであり、この過程には視聴者や他の配信者といった他者も関与する。