錆びる心
著者 桐野夏生
「家出するなら夫の誕生日にしようと心にきめていた……」人間のダークサイドを炙り出した作品集。十年間堪え忍んだ夫との生活を捨てて家政婦となった主婦。囚われた思いから抜け出し...
錆びる心
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商品説明
「家出するなら夫の誕生日にしようと心にきめていた……」
人間のダークサイドを炙り出した作品集。
十年間堪え忍んだ夫との生活を捨てて家政婦となった主婦。囚われた思いから抜け出して初めて見えた風景とは。(錆びる心)
劇作家にファンレターを送り続ける生物学教師の“恋”を描いく。(虫卵の配列)
荒廃した庭に以上に魅かれる男の内面に秘められたもの。(月下の楽園)
魂の渇きと孤独を鋭く抉り出した六つの物語。
解説・中条省平
※この電子書籍は1997年11月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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短編集
2019/01/15 09:55
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Masetto - この投稿者のレビュー一覧を見る
六つの短編。一見普通、まともに見える人間の裏側にある心の闇とか病んだところとか変な性癖とかイロイロそんなものが見え隠れする話が主でおもしろかった。
読み応え、十分
2004/07/16 08:00
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:luke - この投稿者のレビュー一覧を見る
短編集「錆びた心」。やはり短編集は読みやすい上にもう一つ、もう一つとつい読み越してしまいまして続けて読んでしまいました。でも心地よい読後感だな。しかし、なんです、桐野夏生を改めて見ると素晴らしいエンターティナーですね。どれをとっても十分読み応えがあって心の底のひだを刺激してくれます。短編の題材を2,3つ寄せ集めれば長編の1本も出来てしまうのではないかと思われるのですが、これだけの短編を書かれてしまうと頭の中にはあとどれだけ眠っているのだろうかと感嘆してしまいます。「羊歯の庭」や「錆びる心」は素晴らしい。「ジェイソン」誰でもお酒を飲む者なら思い当たりそうな事ですが、ちょっと見方を変えると実にコワイ話です。ぼくも確かめないと・・・・(^_^;)。
「シェーン、カンバック」と少年が去りゆく馬上のシェーンに呼びかけます。あれは正義を終えたシェーンが留める少年を振りきって去ってゆく場面ですが、何とも男らしい爽快な大円団でもありますが、別説に本当は撃たれていて死を見せずに去って行き、後に死をむかえると、言うようなことを暗示しているとも言われています。物語の最終章は物語の締めくくりであり読者に何を残すのか重要な部分ですね。例えば復習劇で最後に恨みを晴らし終わるのも有れば、晴らしきれずに終わったり、逆に返り討ちにあったり、討った敵が真犯人じゃなかったりとそれこそたくさんのパターンが考えられます。何とか印象を付けようと、また物語の成り行き上と言うことも有るでしょうが、読者としては心に残らずとも爽快な終わりで気分を良くしたいと思うのが常です。それを、無理に後味を悪くするような終わりだと消化不良のまま、ストレスを抱えたまま、ぼくらは本を閉じなくてはなりません。 パターンは限りなく有るはず、心に残すにしてもちょうど良い選択をして欲しいと作者に望んでやみません。 桐野夏生にぼくは裏切られたことがないのです。
欠損
2023/11/26 01:03
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:イシカミハサミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
酔い、過去、認識の歪み。
ひとの記憶は信頼に値しないもの。
主観を信用すると落とし穴が待っている短編集。
でも現実の個人には主観しかない。
客観性を忘れない努力を続けよう……。