其の一日
著者 諸田玲子 (著)
吉川英治文学新人賞に輝いた傑作短編集。安政7年3月3日、井伊家の密偵・可寿江(かずえ)は水戸浪士の不穏な動きを察知し、主君でかつて恋人でもあった直弼に通報しようとするが。...
其の一日
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商品説明
吉川英治文学新人賞に輝いた傑作短編集。安政7年3月3日、井伊家の密偵・可寿江(かずえ)は水戸浪士の不穏な動きを察知し、主君でかつて恋人でもあった直弼に通報しようとするが。「桜田門外の変」「箕輪心中」などの事件を題材に、江戸市中で懸命に生きる人々の、運命を変えた1日を描いた時代小説短編集。全4編を収録。<第24回吉川英治文学新人賞受賞作>
目次
- 立つ鳥
- 蛙
- 小の虫
- 釜中の魚
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題名の通りただ一日の出来事
2020/09/06 20:06
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
題名の通りただ一日の出来事を連作短編集の形で描き切っている。非常に巧みで劇的なストーリー構成。
第一話 経済史の観点から見ると荻原重秀のやった経済改革通貨改革は、現在は当たり前になっている通貨管理制度の嚆矢ともいうべきもの。いざという時の妻の力を再認識。
第二話 第一話以上に話の展開が劇的。まさか という感じ。
第三話以降もいくらか謎解き要素を加えながら鮮やかに描き出されてゆく。
最終話だけが力は入っているが一日の出来事にしなかったためかやや冗長に思える。
其の一日(講談社文庫)
2018/10/27 10:12
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雨読 - この投稿者のレビュー一覧を見る
其の一日は、著者諸田玲子氏の「立つ鳥」「蛙」「小の虫」「釜中の魚」の四つの短編連作である。
いずれも江戸時代小説で、余り日の当たっていなかった人物や題材を女性ならではの目を通した時代背景でおもろしろく描いています。
「釜中の魚」は井伊直弼に恋い焦がれる可寿江なる主人公を取り上げ、桜田門外の変までの女の心を描いていました。