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200602/最後にも謎は解けないままなのに、それでもなぜか、頑張
ろうという気になる。―以上、終わり―にも納得。私はきっと、宮本輝以外の人がこの小説を書いていたら好きにならなかったと思う。
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結末まで読んでずっこけた。引っ張るだけ引っ張っといてそれはないよ・・・鮮やかな投げっぱなしジャーマン。
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スリルとロマンが一杯詰まった小説。
ヒロインの成長がよく書かれている。
宮本さんだからこそ、こんなにわかりやすく丁寧に、且つワクワクさせる文章が書けるんだろうな。
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高校時代からすごく好きな本。
宮本輝にはまるきっかけになりました。
ミステリーで人間ドラマで成長物語で。
人間のおもしろさ、不思議さ、ずるさ、優しさが
いっぱい詰まった作品。
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祖父の日記の謎を解くためにパリからエジプト・アスワンと旅をして、主人公が色々と成長していく話。
文章がぎっしり詰まってるわりには読みやすかった。
ただストーリーは別段面白いわけでもなく、なんとなく終わっちゃった感じがした。
あっと驚くストーリーや、ホロリとくる展開を期待しただけにちょっと残念。
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もちろん「上」も読みましたよ。
おもしろい。けど、謎が残ってるよ!
こんな旅ができるといいね。怖いけど。
でも、最後はほほえましい感じでした(ちょっと違うかも)。
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読んでいる最中は結構ひきこまれたのだが、結末がちょっとしっくりこなかった。壮大な話の割りに尻すぼみという感じが否めなかったなぁ。。。
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二段階で読める書き方が、新しいな、って思いました。
…って言うても結構前の作品だけども。
自分が生まれたこの時代、自分の意志の届かない生まれた環境・状況。
それに対して思いを巡らしてみると、戦争については一度、考え込んでみても良いのかもしれない。
答えを探してしまったら、この物語は満足できないかもしれないと考えます。
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戦争が人々に残した傷は時が経っても決して消えない。そうだろうな。
そうなるだろうな。と。歴史の話。現在の話が交錯しながらの展開。でも現在といっても今から20年くらい前の光景。
会社社長のご令嬢。軽井沢の別荘。「そんなことはなくってよ。」と、普通の会話で話しちゃう、そんな雰囲気の女性。日常とかけ離れたところで、一生懸命になる人たち。フランスでの生活、ちょっとやぼったくてもフランス語を話せる日本人の男の人にちょっと憧れてしまう。
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いつもどおりの男女の話かと思っていたが、下巻に入ったとたん急展開で驚いた。
祖父の過去を辿って行くのは面白かったが、ややボリューム不足な感は否めない。また、真相もイマイチぼんやりで良い意味では読者の想像力に委ねているが、個人的には不完全燃焼。
さらに、主人公の女性が魅力的に思えず共感もできなかったのは、自分が女性目線で読んでいるせいなのか…?
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謎を追ってこんなところまできてしまうのか!!と、驚嘆というと大げさですが、あのお人形さんの様だったおお嬢さんは年齢相応の精神的な成長を遂げます。
さらにそこで出会った女性のこれまでの人生と、お嬢さんのこれまでの人生があまりにもかけ離れている
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久々に没頭して読みふけった。今から22年前、この本が発行されて間なしに購入したきり、まったく手に取らなかった。
今だから読みこなせたような気がする。
宮本輝さんらしい作品であった。
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祖父の日記も、祖父の生きていた時代も複雑になってきて読みづらくなったのを我慢して読み進める。
謎は謎のままなのか?過ぎてしまえば「たいしたものではないのよ」となっていくものなのか?
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二十数年前に読んだことを不意に思い出し、再読。
やっぱり面白い!二重、三重構造の仕掛けがあり、どんどん引き込まれる。そして結局最後まで解かれない謎が多い。
死産したとされる赤ん坊は、もしやローリーとそっくりと言われる従妹の子供として育てられた?アスリーヌが娘の結婚に反対したのはユースケを愛したから??など、作中にもあるように強引にこじつければ周り(読者も)が何とでも解釈できそうな事柄が沢山散りばめられている。突き詰め過ぎずにアソビを残すのも人生の醍醐味か。
消えてしまえわない過去なんてない。どんな痛切な過去も、生きてさえいれば、別のものに形を変える。歳月が変えるのでなく、生き続けた人の心が、重い過去をほぐしていくのに違いない。
世の中のことは、いつか丸く収まっていくものだ。しかし、戦争によって生じたものは、決して、いつか丸く収まっていったりはしませんね。
この一見相反する二つの言葉が心に残った。
この言葉が宮本輝さんが一番言いたかったことなのかな。この作品が書かれて更に30年経っている。それでも心の中での戦争が終わってない人は沢山いるんだろう。
人も自分をもどこか冷めた目で遠いところから眺めていたような佐和子が、数ヶ月のドラマティックな経験で自他の長所も短所も「受容する」ことができるようになったのが興味深い。
数十年前に起こった過去が、佐和子が起点になることで改めて「動き出す」のも良いな。自分が起点になることで自分を変えることができる、ということだから。
宮本輝さんがこの頃女性の心を鷲掴みにしたのが改めてわかる気がする。佐和子が、元夫に「石のような女、人としても全く魅力が無い」と言われたのには、自分でもビックリする位感情移入して猛烈なショックと怒りが湧いた。まぁ、大金持ちの令嬢だけに、父親からポンと二千万渡されて起業を打診されたり、通訳を伴ってのパリへの旅行、エジプトへの移動、何の躊躇いもなく実行できるあたりは共感しづらいけど!笑
本が増えすぎて、ブックオフで買い取って貰う前に時悩んで再読したものの1つ。結局また図書館で借りて読んでしまった。これで少なくとも3回目だけど、読むごとに感想が少しずつ変化する、魅力のある物語。
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祖父が秘めていた秘密をなぜ佐和子にだけしか糸口を開かなかったのか、彼女の生き様や性格を見ていれば納得できるような気がする。
彼女は情に生き、祖父が犯した罪をすべて溶かしてくれるような人物だと思う。すべてを許し、人のためを思う考えを持つ彼女だからこそ祖父は秘密をあかしたのではないだろうか。
マリーのその後、佐和子と滝井、ドイツ人娼婦、なぞはたくさんあるが著書がそれを読者に投げかけている終わり方。マリーやアントセンに会わずじまいだったが、それが彼女が考える今一番いい終わり方だったんだろうと思う。思い出したくない過去としてマリーたちをそっとしておくことも彼女としての気遣いだったのだろう。