事件への怒り感じる&裁判ルポのシステム知る
2020/09/18 19:50
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
かつて、新潟県で少女が男に9年以上にわたって監禁された事件について、著者が裁判をルポした内容です。
改めて、卑劣なこの事件への怒りがこみ上げました。
ところで、当書はこの事件で開かれた全ての裁判を著者が傍聴した内容です。
東京から、新幹線で新潟まで行き来したり、傍聴券を求めるマスコミ各社の熾烈な戦い、など、マスコミの行動の裏側も書かれてあります。
他の方のコメントにもありますが、当書は「裁判傍聴記」です。著者はそれぞれの裁判をしっかり傍聴し、裁判の様子を如実に文章で再現しています。ジャーナリストの意気込みをまざまざと見せつけた1冊と言っていいでしょう。読み応えがありました。
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裁判傍聴だけで書かれたものをルポルタージュといっていいものか。時に著者の主観的な批判が邪魔になるが、自己中心的で身勝手極まる犯行の過程を知ればそれだけ被害女性の苦しさが伝わって来る。
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私はルポルタージュ好きなんだけど、少女監禁事件についてのコラムを依頼された時集めた本で、この作者の人が少女監禁事件ばっかり書いてるのに驚いた。女性なのにそういうフェチ?松田美智子さんを調べたら、故松田優作さんの最初の奥様で長女さんをもうけてるから子供が被害に遭わないよう調べてるのかな?と思ったら…どうなんだろう?
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9年2ヶ月15日。
9歳から19歳までの長い期間、監禁されていた少女。
その犯人S被告の裁判記録。
裁判で最終判決が下るまで3年を費やした。
第一審での判決は懲役14年。
S被告、弁護側が控訴し、第二審判決は懲役11年。
その後、上告し、最終判決は懲役14年となった。
S被告の裁判での答え方や、態度や表情には、読んでいる方にまで不快感が込み上げてきた。
殺害までに至らなかったこと、ストックホルム症候群になっていないことが、せめてもの救いだったのでは。
にしても、日本の法律には歯痒さを感じずにはいられなかった。
平成24年現在、30歳前半の被害者であった少女が、幸せに暮らしていることを、ただただ願うのみです。
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世に衝撃を与えた事件の法廷の様子を淡々と記録したもの。それ以上の情報はない。犯人の異常さには驚くばかりだが、何とも救いのない事件である。二度とこのようなことが起きないことを祈るしかないのか。
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ある女流作家が書いたこの事件をモチーフにした小説を読んだので、ドキュメンタリーも読んでみた。犯人が二度目の犯行であったこと、警察の操作の不手際があったことは知らなかった。身の毛もよだつひどい犯罪だ。そういえば最近も小学生の女児が鞄に詰められ監禁されたという事件があった。監視社会はいやだけれど、他人への関心が皆無というのも怖い。
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ノンフィンクションというより、裁判傍聴記という感じ。独自に取材した内容や、報道のまとめなどもないので、物足りないが、事件の概要や裁判の争点などは分かりやすい。
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桐野 夏生著 『残虐記』はこの事件を参考にした作品である。犯人の設定、周辺などには違いがあるが、とらわれている少女の精神状態などについては詳しく描写がある。一方、こちらの本については事実を克明に調べ上げることでいっそうの恐怖を読者に見せてくれる。事実は小説よりもむごたらしいのだということである。
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9年2か月に渡り少女が監禁されていた事件のノンフィクション。ノンフィクションのカテゴリーではあるが、単なる裁判の傍聴記録。裁判外の取材は一切ない。事件に興味があったので、概略・裁判内容を知ることができたのはよかったが、それ以上でもそれ以下でもない。
犯人の心情・生育環境など周囲への取材を通した著者なりの事件の深堀がない。
ただ事件について知りたい方が最初に読むのは良い記録本だと思う。
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丹念な取材と、細やかな筆致で事件を負ったノンフィクション。犯人の姿、そして警察の姿勢や裁判の状況まで、もやっとしたものが消えない。とことん犯人を守ろうとする弁護士とか。被害者が身内だったらどうするんだろうと、すごく残酷に見えてくる。しかも支払い能力のない犯人の弁護人の報酬まで、税金が使われてたなんて!もう犯人は出てきてる頃でしょう。なんだかなぁ。被害者さんはそっとしておいて、ただ幸せであることを祈るだけです。
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本の大部分を占めるのが裁判の記録で、とても大事なのは分かりますが、もっと加害者の異常性にフォーカスし、作者自身の見解が読みたかったと思いました。
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発覚当時、大きな衝撃をもって世間の耳目を集めた事件。確かその後、警察の捜査に問題があったことも判明したのではなかったか。
ニュース等でなんとなくは知っていたが、本書を読み、被害者が受けたあまりに凄惨な仕打ちの数々には涙を禁じえず、無残に奪われた貴重な貴重な9年間を思って心底胸が痛んだ。彼女が耐え続けた地獄のような日々を知ったご両親の心痛がいかばかりだったかと想像し、そしてなお、自分を保ち命をつないでいた被害者の類い稀なる精神力の強さと聡明さに、深く感銘を受けた。
加害者は、自己愛性人格障害と強迫性障害という診断を受け、出所して2017年に病死しているという話だ。
現在は40代半ばと思われる彼女が今、幸せな人生を送っていることを心から願ってやまない。