ゾンビ映画愛に溺れそう
2011/10/26 22:08
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投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
ゾンビ映画オタクの安東丈二が担任の佐武来実に参加させられた夏季合宿で訪れた孤島。みんなは外で思い思いに夏を満喫している中、彼は丹咲いずなと共に補習を受けさせられていた。もっとも彼はクーラーの効いた部屋にいたくて、わざとテストを白紙で出したのだが…。
そんなどこにでもある様な夏の学校風景は、突然一変する。彼らを大量のゾンビたちが襲い始めたのだ。原因は不明。でも噛まれると感染してゾンビになる。そんな恐怖の状況に、安東は歓喜に打ちふるえていた。ついに自分が主人公になる時が来たのだ、と。
しかしなかなか映画の主人公の様には活躍できず、それどころか逆に、委員長の城ヶ根莉桜に助けられてしまう始末。なかなか妄想の様に、格好良く美少女を助けて惚れられるなんてことは起こり得ない。
それでも、他のクラスメイトを助けに行った委員長に託され、クラスでも虐げられる側の江戸川明広や小伏鈴を連れ、合宿所を脱出する。しかしその過程でも、自動車を運転できる江戸川や、サバイバルに長けた小伏に活躍の場を取られ、ゾンビ知識の活かし所がない。
そこで、自分の活躍の場を求めて、ショッピングモールへ移動することを提案するのだが、そこは、委員長の帝国と化していた!
ゾンビ映画愛にあふれた作品で、簡単なゾンビ映画の歴史は読めば分かってしまうかもしれない。学校で虐げられる側だったら、一度は、事件・事故が起きてクラスメイトが危機に瀕し、それを自分がヒーローとなって救うという状況は妄想したことがあるかもしれない。この作品ではまさにそれが起きるのだ。
しかしこのとき起きる革命は、単に立場が逆転してしまうだけのもの。それを肯定してしまえば、元の世界も肯定しなければならないという、精神の矛盾が起きてしまうのだ。素直に受け入れればもしかするとヒーロー。でもそれをやれば、かつて自分がやられていたことも認めなければならない。そんな葛藤がここにはある。
だが、それゆえにフィクションは存在する。フィクションの中でならば、何をやっても許される。現実が辛くなったら、現実逃避をしても良いじゃないか。そこで活力を得て、また現実に立ち向かえば良いのだ。
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エログロバイオレンスがいつの間にかスクールカーストになってて青春小説に昇華した。大変おもしろかったです
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タイトルから察せると思うけどいわゆるゾンビものの作品。後書きにもあった通りJ.A.ロメロ監督作品等を研究している内容だった。ただ主役はゾンビではなくむしろそういう極限状態に置かれた人間模様。文字ではスプラッタは表現しにくいですからね。残念だったのはこれを読んだのがH.O.T.D以降だったということなので読んでいて既視感があったということくらいかな。H.O.T.Dを読んでない人は読んでみてもいいと思います。
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スクールカーストの話が中心でゾンビ映画はその添え物といった印象。
HOTDのデッドコピーかと予想してたけど全然そんなことは無かった。たぶん目指してる方向性は間逆。
しかし、先生は、あれはもうちょっと何とかならなかったのだろうか・・
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普段教室では虐げられている一芸に秀でた非リアが、特殊な状況下でリア充に下克上する話がメイン。ゾンビはその象徴というか、舞台装置です。
非リアのための物語、最近多い気がするなあ。
たしかにホラー映画なんかだと特にとりえもなくチャラチャラしてるだけの奴が真っ先に死ぬよな。
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もっとめちゃくちゃな話なのかと思ったらそうでもなかった。どうせならもっとゾンビを殺すところをリアルに表現してほしかった。そっちのほうが自分は好きww
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作者のゾンビ映画への愛情が溢れ出た作品。
普段はオタクで鬱屈した毎日を送っていたのだが、ゾンビ映画の大のマニアだったので、その知識を活かして一躍ヒーロー!女の子にモテモテ!
的なきちんとラノベ文法を守った童貞の妄想大炸裂の非常に良い作品です。
途中、クラスのヒエラルキー下位を経験したことがある人なら誰でも一度は抱いたであろう暗い願望的なものが前面に出すぎていて、一体どうなってしまうのだろうと色んな意味ではらはらしましたが、爽やかな結末を迎えることになります。このあたりもきちんとラノベをしていて大変好感が持てます。話的に次回作は難しいかもしれませんが、もし出るのであれば読みたいと思う一冊でした。
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ゾンビマニア+スクールカースト。テーマそのままの本。「下らない日常に戻ったってゾンビ映画(=好きなもの)があるから生きていける」という主張は平凡じゃないか?
章タイトルがツボった。一章「これはゾンビですか?」、二章「アイアムアヒーロー」、三章「LEFT 4DEAD」……と十章「DAWN OF THE DEAD」と続く。ゾンビ好きにはたまらないでしょう。
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ライトノベルというものを読んだことがないくせに、「ゾンビ」ものだということで読んでみましたが、怖くない。ゾンビオタクの少年の妄想がたまたま現実化しするという話。高校の勉強合宿の舞台となった離島がバイオハザードに見舞われて、主人公たちがショッピングモールに集まるという話なのですが、悲壮感はありません。軽い萌えアニメ調なのはライトノベルのお約束なのでしょうか。とはいえ主人公たちは類型的ではありますが、魅力的。これも偏にイラストレーターの力なのでしょうか。
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学園ゾンビなラノベ。しかし、なんとも素晴らしい傑作でありました。
オーソドックスなゾンビ映画をなぞるような展開でスタートするが、中盤以降はスクールカースト問題を巡る内容が中心に据えられていく。
ロメロがゾンビ映画で風刺した消費社会が、学校内の風景に置き換えられる。そのストーリー展開がいかに幼稚であっても、妙に説得力を感じてしまうのだ。
「非常時にあってはLPレコードさえも兵器となる。」とか、ゾンビ映画ファンをいちいち微笑ませる細やかな描写も好し。そして、青春物語に終結していくラストもまた好し。
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ゾンビマニアの主人公の目の前で本物のゾンビハザードが起こってしまうという話。テーマとかライバルの描き方がすごく丁寧で巧いし、過去のゾンビものへのリスペクトもある。でもなんか喰い足りない。個人的な理由のせいで冷静に読めてないからかも。
ゾンビがぜんぜん出てきてないとか、全体的に早足気味だとか、細かい理由はあるかもしんないけど、このモヤモヤの理由にはなってない気がする。
ショーン・オブ・ザ・デッド的な、ただのパロディじゃ済まさない感じが欲しかったのかな。ゾンビランドみたいな明るさが足らんかったのかな。world war zみたいに新しい切り口が欲しかったのかなー。うーん。
ビューティフルドリーマーへのリスペクトとパロディもあったなー。衣食住が保障されたサバイバルって憧れるよね。
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サクサク読めるし、この後の展開はどうなるのか、っていう引きもあって面白かった。エンディングも青春的なハッピーエンドで読後感もとても爽やか。
ただ、ゾンビ物として見ると、ちょっとイメージとは違うかもしれない。主人公たちは普段学校ではしいたげられている立場だったりと、クラス内階級が話の中心にあって、それに対する主人公と莉桜の意見の相違が面白い。そういった点でもゾンビ物というよりかは青春物のイメージが強い。
そんなこんなで、ゾンビ自体は話の本筋から離れてしまうこともあって印象は薄い。
昔ながらのノロノロゾンビで、あっさりやられてくので、正直緊迫感にはかける。
まあ、作者としてはゾンビに対する恐怖を描きたいワケではなく、上述の様な、クラス内階級とそれに対するそれぞれの思いに関して描きたかったのかなとも思うので仕方ないか。
他のレビュアーの方々の意見にもあったが、ルミ姉の存在が邪魔だったなぁ…そもそも強すぎだし、ぶっとび過ぎていて、ある程度リアル感のある物語の中で完全に浮いてしまっている。ラストも、ルミ姉抜きで、仲間たち五人で力を集めて切り抜けるって展開の方が燃えたかなと。
ラノベらしく、主人公と莉桜、いずなの3人はしっかりキャラがたっていたし、莉桜といずなの二人はキャラとしてとても魅力的だった。物語途中からのいずなのデレは破壊力抜群だったし、莉桜のぶっとんだ考え方もそれはそれで過去にあまりないキャラだと思うので良かった。イラストもよかった。
若干ハーレムに近い展開になるので、自分の様にそういうのも好きな人にはすごいハマると思う。
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孤島でゾンビ騒動.
途中まで面白かったんだけど
厨二病をこじらせた委員長が独裁政治をやりだしてから
面白くなくなったな.
ああでもエロゲ的な「お背中お流しします」とか
「ご主人様,お願いします,あたしを,抱いてください」とか.
ゾンビモノなのにサービスシーンがあったわ.
エロシーン突入かと思った?残念!ガガガ文庫でしたー!
というわけですね.
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1冊完結の青春ゾンビ小説。
この作品が気に入った方は同じ作者の『ほうかごのロケッティア』もどうぞ。
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ゾンビものには様々なバリエーションがあるが、スクールカーストものとこれほど相性がいいとは。
ゾンビを愛するものが、教室という地獄を滅ぼすためにゾンビを望む。ラノベ的要素をふんだんに用いながら、若者の葛藤と苦悩と勇気を描く。面白い!