幸福学が世界中から注目されるようになった貴重な論文や記事を纏めた書です!
2018/11/25 11:59
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、今、世界から注目されている「幸福学」についての関連論文や記事を一冊にまとめたものです。テクノロジーの発達や技術革新で、現代の社会は非常に便利になりました。しかし、他方で人々はそれを幸福と考えているかと言えば、決してそうとは言い切れません。働き甲斐や働く目標があってこそ人々は幸福と感じられ、それは私たちが生きていく上でとても大事なことです。本書は、そうした「幸福学」が注目されるようになった初期の頃の論文などを集め、読者の皆さんに紹介しようというものです。
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やはりどの考察も成人発達段階を加味していないが、、、
「幸福学」HBR
人が学習し自分を変えるのは、個人的な展望と組織の展望が結びついている時。
失明したり財産を失ったりしても、その出来事とは別のところに全く新しい人生がある事に気づく。そして新たな人生にまつわる多くの事がかなり良いものだと気づく。そしてそれが以前より良い事にも。新しい人生が始まるまで自分が知らなかった事、知り得なかった事を発見する事になる。
幸せになれるのは、幸せになりたいという思いを忘れている時。やりがいのある仕事に没頭してその瞬間を楽しんでいる時、高い目標を目指して努力している時、助けを必要としている人の為に働いている時に私たちは最高の幸せを感じる。
幸福は喜びや恍惚感ではなく、充足感や幅広い感情を味わえる心の柔らかさの中にある。
仕事中に感情、モチベーション、認識を高める可能性がある全ての要素のうち、最も重要なのは有意義な仕事の進捗を図る事。評価よりも進捗に対する支援。
社員を成功させる方法
1.判断の裁量を与える
2.情報を共有する
3.ぞんざいな扱いを極力なくす
4.成果についてフィードバックを行う
成功している状態を支えるのは、活力と学習。生き生きとして熱意を漲らせ、知識や技能の習得を進める事。
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日々向き合う仕事の中で、マネジメントの工夫で生産性を上げることも出来るし、生産性が上がる従業員は相対的に幸せである確率が高い。(そもそも健全である)
その方法や幸福についてのわかりやすい論文がまとめてある本。
職場で幸福を求める傾向にある人…上司との関係に悪影響をもたらしかねない。
日々の振り返りと目標設定は今からでもできる小さな幸福の追求になると思う。
文化圏によっての幸福の捉え方について、今後勉強していきたい。キーワード 感情的知性。
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ハーバードビジネスレビューにおいてのE.I.についてのシリーズ第一弾「幸福学」
自分が関心あるテーマだった故に、見つけた瞬間に速攻で買ったが、中身を見てみたら、いろんな作者によるコラムというか、短いレポートの寄せ集め的な感じで、全然面白くなかった。
やはり海外の翻訳モノは相性が悪い。
タイトルが幸福学だが、実際は仕事とか、職場に関してのことなので、タイトルとは乖離してる印象を受ける。
ただ、幸福学の本なのに、幸福が果たしていいものなのか?と懐疑的な小があるのは面白い。やはりすべてのものごとは表裏一体。メリットもあればデメリットもあるなと再発見なので、星1つ追加
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■職場での幸福は重要である by アニー・マッキー
・職場で成功する上で、幸福感が重要。仕事と同僚に対して「エンゲージメント」(意欲や愛着、一体感など)
を持ち、幸福感を抱いている人ほど、有能な働き手となる。
・エンゲージメントを高める上で必要なのは次の3つ。
1.個人と組織の「将来に向けた有意義な展望」
2.自分の仕事が重要だと感じられる「意義のある目的」
3.信頼と支え合いに基づく「素晴らしい人間関係」
■「否定的な感情がない」ことが「幸福」ではない by ジェニファー・モス
・いつも陽気で、喜び、満足しているのが幸福な人だという考えは誤解。悪い事態の中に良いことを見いだし、
別の見方で見ることで、幸せで豊かな人生が実現する。
・幸福を追求しても、幸せにはなれない。幸せになれるのは、仕事に没頭している時や高い目標を目指して努力している時など、幸せになりたいという思いを忘れている時。
■幸福追求のパラドックス by アリソン・ビアード
・幸せになるためのアドバイスの多くは、ネガティブではなくポジティブに考えねばならない、と説く。日々の暮らしで幸福を感じていればよいという。
・しかし、本当に目指すべきは、たくさんの喜びを見いだすことではなく「長期的な達成」。
ポジティブな感情(幸福感)とともに、つながりや生きる意味などを含む「フラーリッシュ」(持続的幸福)を目指すべき。
長い目で見れば、それで幸せになれる。
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幸福学という分野は興味はあるのだが、この本のように多くの人の記事を読むほどにそもそも幸福って何なんだろうと思います。
職場での幸福、家庭での幸福、友達付き合いとの幸福というようにコミュニティによっても幸福の扱いは変わるし、日本とアメリカのように国が変われば幸福の定義づけも変わってくる。
扱うには非常に難しいテーマかもしれないが今後の研究に期待したい分野です。
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幸福は些細なことの積み重ね=マイルストーンを小さく設定。
成功している社員の特徴:活力があり学習している
社員を成功させる方法
①判断の裁量を与える
②情報を共有する
③ぞんざいな扱いをしない
④成果についてフィードバックを行う
幸福も義務ではなく自立自律自発が大切。
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本書は幸福に関する論文8本と、慶応大学の先生による「日本語版に寄せて」(前書き)が含まれています。読了した率直な感想は、論文によって質の差が激しいというものです。
面白かった、あるいは気づきがあったのは以下の論文でした
・「幸せに働く時代がやってきた」前野隆司
・「幸福の心理学」ダニエル・ギルバート
・「『否定的な感情がない』ことが『幸福』ではない」ジェニファー・モス
・「インナーワークライフの質を高める『進捗の法則』」テレサ・アマビール他
前野氏の前書きは本書を読むにあたって有用でした。ハッピネスの話をしているのか、アリストテレスのいう幸福(エウダイモニア)の話をしているのか、などの分別は頭の整理になります。「幸福の心理学」は対談形式ですが、インタビュアーがかなり突っ込んだ質問をしているため、論点が明確になって面白かったです。モス氏の論文はご自身の体験を基にした幸福論で、非常に説得力がありました。アマビール氏の論文は、膨大なフィールドサーベイをベースにしているという意味でこちらも説得力を感じました。上司による評価よりも仕事の進捗こそが一番幸福度につながっているというのは目からうろこでした。
そのほかの論文は正直感銘を受けませんでした。当たり前のことを言っている(目からうろこがない)、言いたい論点はわかるが説得力に欠けるという感じです。最後の「幸福の歴史」ピーター・スターンズ論文は、全然歴史を語っていません。幸福の歴史を語りたいのであればアリストテレスやベンサム、アラン、ラッセルあたりを外すわけにはいかないでしょう。その意味では本書のうち半分くらいは面白く、半分は失望しましたので星3つとさせていただきました。