化石展示に関わる多様な職業。
2023/12/05 09:25
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投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ある「特別展」の制作過程を通して太古の生き物の復元の実際を紹介する。
古生物学者が発見し、復元の中心となるけれども、他にも「リアルな復元」に必要な職業がある。どれももかなり特殊な技能を要求されるもののようだ。古代生物が展示されるまでに関わる職業の紹介本のようでもあった。
骨格レプリカ職人、3DCGクリエイターから鉄骨屋。展示というところに注目すれば最初の展示プランを立てるプランナーだって重要なポジションだ。化石が見つかった土地の役場職員だったから、という経緯の人だっている。
本書ではこういった仕事を一つ一つ紹介。設定が「大学に落ちた少女の質問」というところから考えれば「それだけが唯一の選択肢じゃないよ」と伝えているとも感じられる。本書はこれから人生の方向を決めようとしている若者への「お仕事紹介本」でもあるわけだ。
「復元~展示」という仕事の現状は、コンピュータを駆使する一方、最後の調整は人手でする「アナログとハイテクの融合」。できたものを見て感じるのは人間なのだからかもしれないが。
それにしても、どんなところにも「職人」がいるものだ。
恐竜好きじやなくても楽しい
2023/08/27 12:03
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投稿者:さこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
甥っ子の恐竜好きに巻き込まれて買ったのだけれど、楽しい。
つぶれてグシャっとなった化石をどうもとの形に直すか、化石からレプリカを作り、更に生きていた様子を復元、どう動くかの動画まで、博物館の特別展の展示にいたるか、さまざまななひとが関わり技術が駆使されて出来あがっているか、わかる。古生物の研究だけじやなくても、仕事としていたことが好きな恐竜につながっていったり、ないなら仕事を作りだしたり…
学生時代博物館学実習を取り、学芸員になりたいなあとぼんやり考えていたので、あの頃こんな本があったらなあと思った。学芸員になりたい人、研究者目指したいひとはもちろんどこかで自分の希望どおりの道に進めなくても好きだったらいろんなアプローチがあり、続けていたら仕事になる、仕事を自分で作ればいいのだ。
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国立科学博物館で令和4年7月から10月まで開催のされている化石ハンター展を裏方として支える様々な「古生物復元師」たちへのインタビュー本。
古生物関係の特別展に、こんなに多様な専門職たちが関わっていると知って感心した。みんなまさにプロの仕事であると感じた。化石ハンター展を見に行きたくなった。
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科博化石ハンター展が開催されるなか、木村さんのサイン本を紀伊国屋で購入。
普段何気なく見ていた化石や生体展示の裏の苦悩や工夫が、様々な方々の視点から語られており、化石や生体の展覧会が好きならば楽しめると思う。
それにしても、チベットケサイのお母さんが発泡スチロールとティッシュでできていたとは、、、!
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8月31日新着図書:【科博の「化石ハンター展」(10/10まで)。チべットケサイの全身骨格と生体モデルを復元・展示。製作したエキスパートたちのこだわりなど普段は聞けない話がたっぷり。】
タイトル:化石の復元、承ります。 : 古生物復元師たちのおしごと
請求記号:457:Ki
URL:https://mylibrary.toho-u.ac.jp/webopac/BB28202648
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国立科学博物館で2022/10/10まで開催中の「化石ハンター展」を題材に、古生物学に関わる様々な仕事(著者は「古生物復元師」と名付ける)を紹介する。
展示物である化石骨格レプリカ作成、生体復元模型作成に、設計図たる化石そのもののデジタル復元、および3D設計、さらには展示のプランナー、空間デザイナー、主催、そしてこの本の編集者まで、「古生物」への様々な携わり方が描かれる。
その意味では著者の前著『もがいて、もがいて、古生物学者!!』の副題が「みんなが恐竜博士になれるわけじゃないから」から、「みんなが古生物学者になれるわけじゃないから」(でも関わり方はいろいろある)と裾野が広がる内容となっている。
現場に携わる人々のインタビューを中心に構成されていて、『メタルカラーの時代』や『スーパー望遠鏡「アルマ」の創造者たち』などの山根一眞氏の著作ような、関係者の熱量が伝わってくる良書。
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まずプロローグを読んで、「誰が書いてるの?この本」と混乱する。しばらく読むといちおうネタばらしみたいなことは書いてはあるんだけど、なんかスッキリしないまま読まされる。基本的なことができてない編集だなぁ。いまどきこんな出版社あるんだ。内容は悪くないんだけどね。でももう当該の展示会終わってた、残念。
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図書館にて。
小1息子が将来、恐竜博士になりたいというので読んでみた。
恐竜に関わる仕事は、知らなかっただけで本当にたくさんある事がわかった。
また、博物館における1つの展示に、すさまじい労力がかかっている事も知れた。
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チベットケサイの化石から、生体模型を復元していく過程が、かかわった方のインタービューを元に説明してある。
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表紙や導入の雰囲気から子供向けかと思ったが、文字が多く読みごたえのある本だった。
2022年に科博で開催された化石ハンター展のチベットケサイ復元プロジェクトにおける、様々な分野の職人たちの仕事がわかる本。
今までは骨格標本がレプリカだと残念な気がしていたが、これだけの技によるものだと思うと見方が変わる。
レプリカを展示し、本物は研究のために保管だそう。
素人目にはわからないしそれでいいのだと思う。
展覧会見に行けばよかった。この本を読んでから見たら、より一層楽しめただろう。
実際の展覧会の様子が最後にあれば、行けなかった者ももっと楽しめたのにと思う。