ゼンメイ@アベベさんのレビュー一覧
投稿者:ゼンメイ@アベベ
紙の本レディ・ジョーカー 上
2001/04/19 11:36
登場人物に陶酔の傑作!
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
私は高村氏の大ファンである。氏の「マークスの山」もすばらしかった。が、登場人物の数、種類において、この「レディ・ジョーカー」は抜き出ていると思われる。
ストーリーはいわゆる企業テロで類似犯罪が過去にもあったので推測しやすいと思う。
何が良いかというと、登場人物の性格の書き分けである。犯人グループ、企業関係者、警察、地検、新聞社、総会屋、政治家、ジャーナリスト、等々の人物が非常に細かく描かれていて、その人物が自分のすぐ身近にいるかのような錯覚を覚える。
読み終える時、これらの人物、とりわけ、犯人の数人と別れなくてはならないと思った時、寂しさを感じたのは私だけでしょうか?
紙の本ぐるんぱのようちえん
2001/04/04 13:50
大きい体のぐるんぱに声援!
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
この本はドラマに引用されたり、乙武君の本に出て来たり、かなり多くの人に影響を及ぼしていると思います。私自身は子供に読み聞かせさせるために購入しましたが、何回読んでも楽しめます。
冒頭では、体ばかり大きくて独りで寂しいから泣いてばかりいる。体が汚れて臭い匂いもする…など、少々、差別的な文もあります。
が、総じて、ぐるんぱは体が大きいことも気にせず、自分のできる能力をそのまま実践していきます。現在の型にはめた教育への痛烈な批判とも受け取れます。
結果、ぐるんぱは子供達のためになる仕事を見つけ、ハッピーエンドとなります。
「たろうのおでかけ」と同じく絵が堀内誠一さんで親しみと手触りを感じさせる良い絵です。
紙の本たろうのおでかけ
2001/04/03 14:25
楽しくて、そして社会勉強
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
「たろう」と犬、猫、ニワトリ、アヒルが、友達のみよちゃんの誕生日パーティーに出かけます。プレゼントはスミレの花とアイスクリーム。「たろう」は嬉しくてたまらず、はしゃいでしまうので、お母さんが『ふざけちゃ、だめ!』と注意します。「たろう」と動物たちは、文句を言います。たろうは『つまらない!』動物たちも声を合わせて『つまらない!』でも、結局はお母さんの言う事をききます。こんな感じで、道路や信号を渡るときとか、大人に注意されますが、「たろう」はルールを守りながら最後にみよちゃんの家に到着します。
身を守るため、社会にはルールが存在することがわかるお話です。動物たちの『だって、アイスクリームがとけるから』というコミカルなセリフも子供達は爆笑。最後にみよちゃんの家は羨ましいほどの草原の中にあるので、「たろう」は解き放たれたように走り出すシーンがすがすがしいです。
紙の本マンハッタン夜想曲
2002/03/22 15:34
傑作ですね!
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
私は、ロバード・ゴダ−ドの大ファンです。そのゴダ−ドの作品「永遠に去りぬ」で、作者自身がお気に入りの作品に上げられていたのが、この作品でした。読んでみると、確かにおもしろい! 普通の人がいつの間にやら、事件に巻き込まれて、日常とかけ離れた出来事に遭遇する、という私の大好きなパターンです。しかも、そこには魅力的な女性が登場し、もちろん、ベッドも共にしてしまいます。
まあ、よくある話になってしまいますが、この作者はプロットがすごく上手です。殺された映画監督の残されたビデオテープもそれぞれが大変おもしろく、この行為が事件の全貌を明らかにする事になるのですが、そこまでに些細な点が実はヒントになっていたのかと後で気が付いたりします。
是非是非、映画化されてしかるべきかと思う作品です!
紙の本永遠に去りぬ
2001/10/25 13:01
ゴダードの1、2を争う傑作!!
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
主人公ロビンは、人生の岐路に差し掛かり、将来を決めるために山歩きの旅をする。そのある夏の日の夕暮れに、ひとりの美しい女性と出会う。ロビンは女性とほんのひととき会話をする。「あなと私、本当に何かを変えられると思う?」彼女は謎めいた言葉を残し、ロビンと別れる。後日、ロビンはその女性が惨殺された事を知る。そして、ロビンは最後に被害者に会った人物として、事件に関わり、自分の意思以上に巻きこまれていく。
「稀代の語り部」のゴダードの第8作目、邦訳された順番では第11作目となる本書です。私はゴダードの重厚な話の展開が大好きです。イギリスが舞台なのもお気に入りです。
本書は“殺人事件”としてよりも、それに関わる人物、もちろん犯人や被害者の家族、そして証人などの話に重点を置かれています。単純なようですが、これがニ転三転するので、先が読めません。
果たして、ロビンが会った美しい女性は、見かけ通りの淑女なのか、それとも娼婦のような一面を持っていたのか? 犯人は別にいるのか? もし、いるのならば動機は? ラストの計算された筋道に私は驚嘆しました。
わからなかったパズルの断片が見事に一つの形にはまった…、まさにそういう気分になりました。
ゴダードでは、「惜別の賦」や「一瞬の光の中で」と競う素晴らしい作品です。ミステリーファンならば、ぜひぜひ、お読みください。
紙の本顔に降りかかる雨
2001/05/09 13:00
桐野世界の入門編
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
93年に作者が江戸川乱歩賞を取った記念すべき作品であり、また女性探偵ミロ・シリーズの1作目でもある。
女性作家で女性探偵が主人公。必然、作者と探偵のイメージがダブってしまい、桐野さんってこんな感じなのかなあと思ってしまいます(「OUT」も悪趣味でしたが、この作品でも…)。
とにかく、作者はこなれていますからストーリーは飽きさせずにスピーディーに進みます。だから、アッという間に読めます。
謎解きと同時進行で女性探偵の恋愛もあり、甘い気持ちも味わえますので、女性読者にもお奨めです。
願わくば、女性探偵の探偵としての成長過程を突っ込んでもらいたかったのともっと意外な犯人がほしかった、という所でしょうか。
2001/04/27 14:50
同じ腰痛を苦しむ者として
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
推理小説作家として有名な夏樹さんが腰痛で苦しんでいるというこの本を読み、親近感を持つとともに、夏樹さんほどはひどく無いのかなと安心と同情を憶えました。
心療内科で「痛みから逃げないで、向かい合いなさい!」という辺り、腰痛持ちは私は新鮮な感動を感じました。未だに苦しんでいる私ですが、腰痛の原因が同じならば治るのでしょうか?
紙の本もののなまえずかん
2001/03/05 12:48
扉とイラストで楽しく学べます!
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
まず、イラストがかわいい!それに、小さいのに細かく描かれているので、子供の目にわかりやすいようです。そして、この図鑑シリーズの特徴である扉をめくる事で一次元のイラストに動きが生まれるという工夫もあり、子供は楽しく物の名前を憶えられます。家事をしなければいけない時に、この本を一人でめくって読んでいるので、主婦、大助かり!間違い無しです。
紙の本へへへのへいき
2001/02/14 13:00
1ページ、1ページがドキドキ
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
初めてのおつかいのような設定。だけど、大きな箱の中味はわからないまま、おばあちゃんの家へ。ページをめくるごとに現れる動物たち。これは、実際には車や悪ガキが動物に置き換えられているのだが。この障害となる動物たちを少年はどう切り抜けるのか、ハラハラ、ドキドキ。
我が息子も0歳から読み始め、3歳の今でも大好きな一冊です。村上康成さんのイラストも◎。小さな鳥まで綺麗に描かれていますから、子供がそれを見つけたり楽しめますよ。
紙の本おにはうち ふくはそと
2001/04/06 13:54
自然に楽しくなるお話です
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
豆まきもできないほど貧しい夫婦が、豆無しで豆まきをしたら、掛け声を「鬼は内、福は外!」と間違えてしまった。喜んだのは、豆をぶつけられて逃げていた鬼2匹。その夫婦の家に上がりこんできた。さて、災いの元の鬼がやってきて夫婦は…。
話のテンポが良く、とにかく楽しいです。イラストの絵も夫婦の表情や恐い顔だけど愛嬌のある鬼もうまく描かれています。恐かった鬼たちが帰るときも、夫婦は逆に引き止めるほど親しくなるあたりが心も温まります。
一度、読んでみてください。
紙の本イワンのばか 新版
2001/02/13 12:59
失われた心を取り戻したい
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
「イワンのばか」を始め、収録されている他の作品全てが、トルストイのキリスト教の精神を知る事ができます。私欲に囚われてはいけない、人には優しくしなさい、いつも神様は我々を見守っている。キリスト教信者では無い私でも、その行き方に心を打たれます。題名を知っていても、読んだことが無いという人が多いと思います。是非とも、小学生のお子さんにも、成人でも、もう一度この名作を読んでみてほしいです。題名が「ばかなイワン」では無く、「イワンのばか」である事の意味がおわかりいただけると思います。
紙の本雪に閉ざされた村
2003/03/07 12:44
一気に読めます!
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
クリスマスで盛り上がる山間の村。猛烈な吹雪が村を襲い、雪崩が発生。その結果、幹線道路が寸断され、村は孤立してしまった。
そんな状況下、その村には犯罪者3人が潜伏していた。別の町で強奪事件を失敗し、神経が苛立っている中、その3人のリーダーは村人全員を拘束し、金品を強奪する計画を立てた。
いろいろな村の登場人物のドラマを織り交ぜながら、村人は犯人達とどう戦うのか?
徐々に精神が崩壊し、危険な状況=村人虐殺をどう打開するのか?
と言うのが、あらすじです。
おもしろいので本当に一気に読めました。
登場人物達もかなり出てきますが、一人一人うまく書き分けています。
<名無し探偵>シリーズの名手らしく、誰がヒーローとなるのか、
途中までわからない?のがまた、おもしろいですね。
そして、ラストの銃撃戦などはひとりひとりの立場で
細かく描写され、息もつかせぬほど興奮します。
これは映画化されるのでは?と、思いましたが、
なんと作品は1974年なんですね。
確かに同じ状況で現在は設定できないかもしれませんが。
それでも確かに面白いですよ。
紙の本月1万円からはじめてコツコツ儲ける株入門 イラスト図解でわかりやすい
2001/04/13 10:00
非常にわかりやすい!
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
株式売買を始めようと考えていた私にとって、この本は非常にわかりやすかったと思います。図が多いですし、文章も平易ですんなり読めます。
また、少額投資を勧める本ですから、月々一万円からも可能という方法もわかりました。若干、専門的なことも説明していますが、とてもわかりやすいので、入門書としては最適だと思います。
紙の本キッパーのおもちゃばこ
2001/03/09 13:09
とにかく、かわいい!
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
犬のキッパーのおもちゃばこにはおもちゃが10個入っています。念の為、数を数えると、一つ増えたり、二つ増えたり、はたまた、一つ減ったりする。キッパーはもう何が何だかわからない。そして、ある夜、変な物音がして…。
絵がとにかくかわいいです。それにストーリーもちょっとドキドキしたりして、子供はお話にクギづけです。数を数えることを憶えたりしますし。
角野栄子さんの訳もおもしろいですので、読んでみてください。
2001/03/06 12:52
ぐるぐるぐるぐる
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
ゴッホの有名な絵と結城昌子さんの文の組み合わせが絶妙です。
ゴッホの点描、しかも渦を巻くように描かれたところをテンポ良く「ぐるぐるぐるぐる」と文で調子を取っています。
絵だけを見せても、子供はすぐ飽きてしまうでしょう。でも、この本ならば親子で楽しく読めます。ゴッホの点描や色使いなど、アップして観る事ができますので、情操教育にも良さそうです。