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富澤 正太郎さんのレビュー一覧

投稿者:富澤 正太郎

6 件中 1 件~ 6 件を表示

「国政への決別の書」

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

  この書籍を読んだのははじめてであるが、書いてあることの一つ一つが新聞で「特ダネ」になりそうなことばかりである。たとえば、
○ マルコスフィリピン大統領の公然とした、「ワイロ要求」
○ 河野洋平氏のあまりにもお粗末な政策
○ 大韓航空機撃墜の真相
○ 暗殺の予告をされていたアキノ氏
○ 中川一郎氏の死の原因について

などなど、戦後政治史のポイントとなる事件を独特の表現でうまく伝えている。上巻に引き続き、下巻もわくわくしながら読ませてもらった。
 政治の裏側というものも、結局、私たちと同じような原理原則で動いている、いやそれ以上に低レベルな原理で動くものであることがわかった。しかしそれにしても、石原氏であるがゆえにこのような文章にするとどぎつく感じることも、一種抽象的な表現でまとめているところが、読み物として充実した印象を持たせる。
 ところで、この書籍はいったん政治の場から引退した後に執筆されたものである。最終章では、衆議院議員を辞任するとき、なぜそういたったのか、そしてそうした結果、なんと在職25周年の記念の演説時にその発表をする、という破天荒さ。最後にはその演説が詳細に掲載されている。おそらく彼としてはこの演説に自分の想いを託しているに違いない。これを読むと、当時、本当に政治の場から引退したかったに違いない、と感じられる。
政治はどうなるか分からない。いったん引退をしたが現在でも国政に大きな影響を与えてはいる。しかし、直接自らが復帰することはあるのか、まだまだ流動的であると思う。
 この手の書籍にしばらく会わなかっただけに堪能させてもらった。

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「常勝軍団ローマ」誕生。

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  今回は、ハンニバルの猛攻に耐え続けたローマがスキピオという名将を登用することで、起死回生の策を決行する……。ローマフアンであるならば、ポエニ戦争の勝利、カルタゴの滅亡という、最も「盛り上がる」瞬間の一つが訪れる。自分もわくわくしながら読んでしまった。

 この戦いを通じてローマは地中海世界でまぐれもなくNo1の地位を獲得する。これまで、さんざんハンニバルに攻撃され続けてきたローマであったが、塩野氏はなぜ、ローマは突き崩されることはなかったのか、理由を述べている。
 そして、今まで、どうしてもハンニバルと対等に勝負することはできなかったのが、スキピオの出現によって勢力を挽回したのであるが、なぜ、彼がハンニバルを越えることができたのか、理由を述べている。そして、かれが創出した戦法によってローマは地中海世界を制覇するのである。「常勝軍団 ローマ」の誕生である。

 ローマは民主主義の国家である。名将スキピオも初めスペイン遠征へ出発するのに、元老院の承認が必要であったし、最後、アフリカで決戦をする、というスキピオの策略もローマ中をあげての大論戦となった。現実にはその作戦がまさに正しいことが証明されたのであるが、私はそうした経過を辿っている塩野氏の筆があたかもその場にいたような錯覚を起こさせるようである。ローマの民主主義は本当に騒がしい、と同時にほほえましい。当時の人にとっては死活問題なのであろうが。

 ともあれ、このローマカルタゴ戦争はまさしく、ローマを一人前の大人に変えたのだと思う。

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「ローマ史上最大の危機をどう克服したか」。

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 ハード版では文庫版の3、4、5巻が「ポエニ戦争」として、一冊としてまとまっていた。文庫版ではそれぞれが第1次、第2次、第3次として分けられている。おそらくハード版執筆に時点ですでに文庫版のことを想定した書き方になっている。人によっては、あまり気分のよいものではないかもしれないが、それだけこの「ローマ人」に対しての思い入れが深かった、というべきで、これは物書きとしてはすばらしいと思う。なぜなら、この書籍が対象としている古代ローマの歴史をさぐる史料がなかなかないからである。故に彼女が参考する書籍も2次資料が中心となってしまい、あとは彼女の想像に任せるほかはない。
 と言うことで前置きが長くなってしまったが、今回は「ポエニ戦争」、というよりは「ハンニバル戦争」として知られている『第2次ポエニ戦争』を扱っている。天才的戦略家ハンニバルの猛攻によってローマは風前のともしびとなる。ここで、ローマはどのようにして耐え、克服していったのか、興味をそそられるところである。そこを塩野氏はあっさりと見抜いている。
 この巻では一方の主役は「ハンニバル」である。かれの戦略家としての優秀性は認めることはできるのであるが、いかんせん、孤高の感は否めない。もともと父親から受け継いだ「ローマ憎し」の思いから始まった戦争のようで、なにかローマ側と比較すると、明るさに欠けるとともに魅力に欠ける(これは人によるのではあるが)。また、本国カルタゴも外交が一貫しておらず、ローマからみるといかにも背信行為を重ねているように感じる。これは最終的に滅亡されたのが、うなずけるようだ。
 ともあれ、ローマ史上最大の危機といっていい『ハンニバル戦争』。登場するすべての人たちが輝いて見えた。

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戦後政治史がこれほどおろかだったとは。

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 今をときめく石原慎太郎東京都知事が「浪人中」に連載された「反?」回想録である。読み始めると、石原氏特有の言葉がひとつひとつ引っかかり、なかなか読み進むことができなかった。たとえばこのタイトル「国家なる幻影」にしても「反回想」なる言葉にしてもなんとなく雰囲気はわかるのだが、何をいいたいのか、やはり彼は小説家の域をでないのか、それだけが残念だ。政治家としての文章はもう少し国民に分かりやすく語りかけるべきではないか、と思ったが執筆当時はよもや自分が都知事になろうとは本当に思っていなかったのであろう。それもやむをえないのかもしれない。とにかく、それ以上に内容がおもしろく、最後は一気に進んだ。
 彼がベトナムでの体験でよって、政治への関心を急速に持ちはじめ、ただちに国政へ参加をするわけであるが、それまで小説家時代の彼がどのような体験をしてきたのか、分からないが本書で述べられている一つ一つのトピックが今から40年以上も昔のことであるにもかかわらず、きわめて詳細な部分に渡っている。著者の驚異的な記憶力にびっくりした。また、この著書が発行されて訂正もなされていなさそうなので、おそらくすべてが本当のこと、あるいは本人が本当のことだと思っていることに違いない。そしてそれらが実にその人物を的確に表現している大変面白いエピソードのかたまりなのである。
 たとえば、細川元首相が最初に参議院全国区に出馬したとき、石原氏が行った演説をギャグの部分も含めて丸暗記し、そのあと演説しようとした石原氏がなにもしゃべる事がなくなり困ったこと。
 都知事選に出たとき、当時の三木首相がかつぎだしたのにもかかわらず、金銭ではまったく非協力的であったこと。中曽根幹事長もしかり。
 田中首相の時、公認料500万のほかに自分のポケットマネーから3000万近くを出して見せたこと。
 などなど、重ねていうが、とにかく、面白いの一言に尽きる。しかし、それらのエピソードは政治以外の社会ではなかなか体験することのできないなんとも情けないことが多い。
 これらのエピソードの集積により、彼が主張したかったのはおそらく彼がいったんはみはなした国政への決別であり、そういたった理由なのではないか。
 現在は東京都知事として、敏腕をふるっている。そして、将来は国政への参画についてもとやかく言われているがこの書籍を読む限り、都知事として、政治的生涯を終えるようだ。私はそう、受け止めた。また、そうしたほうが彼自身にとってもよいのではないか(しかし、政治とは何が起こるかわからない。もしかしたら、もしかするかもしれない)。
 とにかく、この「あいまいな」国のなかにもこれだけはっきりものを言ってくれる人がいて、すっきりした(こういう人ばかりでも困るであろうが)。

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紙の本ハプスブルク家史話

2003/03/12 23:08

ハプスブルグファンクラブ通信。

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 およそ、歴史とは書く人間の主観によって大きく左右される。多くの民族の歴史がもそうして語りつがれ、やがては「神話」となるのであろう。今回、ヨーロッパの歴史とともに歩んできた「ハプスブルグ家」を調べたくなり、読んだ中に本書があった。
 いかに著者がハプスブルグ家に愛着をもっているのか、よく分かった。本当に好きなのだろう。おもな登場人物(ヒーロー、ヒロイン)を述べると、マックス1世、カール5世、フェリペ2世、フェルディナンド2世、マリア・テレジア、プリンツ・オイゲン公などなど。ヨーロッパの歴史を作ってきた人物たちである。

 ただし、気になったのが幾人かの登場人物が、過大評価をされていることである。
具体的に述べるのは避けたい。なぜかというと、私は本書をハプスブルグ家ファンクラブ通信のようなものであり、いちいち事実を追及するものでない、と感じたからだ。

 この本を読んでハプスブルグ家を大好きになってほしい。彼らの歴史にはそう思ってもなんら不思議でない、何かがある。

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紙の本ハプスブルク一千年

2003/03/08 22:42

「ハプスブルグ家=中世ヨーロッパ」

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 とにかく、ハプスブルグ家ほど神の恩寵をうけている一家もないのではないか。
 ヨーロッパの神様は間違いなく、このハプスブルグ家に栄光を与えたと思う。
 それほど彼らは正直であり、誠実であり、ドラマティックである。およそ、陰謀などが似つかわしくない連中である。

 ややもすると、中世ヨーロッパの歴史は重苦しい宗教的呪縛と、殺伐とした戦乱の歴史でもあるかのように感じるのですが、ハプスブルグの歴史には(フェリペ2世の時代を除いて)あまり血のにおいが感じられないし、人を惹きつける何かがある。

 彼らの出自はスイスの片田舎の領主であったようだが、単に「凡庸である」というだけの理由で神聖ローマ帝国の皇帝になった人物がこの物語の最初である。
 なぜ、そのような人間が皇帝になれたのか。さらにまた、なぜ、あれほどまでの大きな版図を持つようになったのか。その答えがこの中に書かれている。

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