BBさんのレビュー一覧
投稿者:BB
2015/12/14 10:22
日本の教育に関する政策ののレベルの低さが露見する
17人中、17人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
経済学的手法により、飛躍的に伸びる可能性がある、教育面での政策に関して、わかりやすく論じられている。様々な研究結果の紹介は、示唆に富んでいて面白い。
教育経済学を勉強したくすらなった。
「俺/私体験では」的な発言に疑問を抱いていた時だったので、この本に出会えて心底ホッとした。
カヨ子ばあちゃんの本を読んで「なにこれ…」と辟易していたもので…。
自分の体験をさも「完全に正しいこと」のように語るよりも、データの分析によるエビデンスを示すことの重要さを感じる。早く日本の教育制度も、そのように変化していくと良いのにと、祈らずにいられない。ガンダム動かすために800億とか言ってないで…。税金を効果的に使って行って、将来のために子どもたちを大切に育てていく社会になってほしい。
2013/04/06 12:20
名画画像収録が良かったです^^
11人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
小説自体は読んでいたものの、登場する作品の画像が収録されているのがよかったです^^
マティス、セザンヌ、ドガ、モネ…画家がこの絵画を描いたとき、どんな気持ちだったのか…に焦点をあてて描かれている物語なのだけど、取り上げられているのが、どれも、その画家の渾身の作品なだけあって、読後なんともいえない切なさがこみあげてきます。
物語が終わったあと、章末に収録されている絵画を観ると、今まで何気なく観ていた絵画を、また違った視点で鑑賞することができ、新鮮な気持ちに。
美術が好きというものの、一般的な程度なので、ドガが彫刻作品を発表していただなんて、もちろん知りませんでした…が、渾身の想いで作り上げたその作品の画像からは、並々ならぬドガの執着が感じられ、すえ恐ろしくさえありました。この少女が…と思うと、再度、小説を読み返したくなりました。
個人的には、物語を読み終えてからの絵画鑑賞がおすすめです^^
2013/12/17 13:43
いろんな意味で赤裸々!「僕は、ただうんこをするだけのかたまりです」
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
エッセイの後半、家族に支えられながら、「生きよう」「役者として復帰しよう」と強い意志を持って闘病生活を続けていた勘三郎さんの様子は、読むのが苦しいけれど、なんだか勇気をもらえる。
そんな強くあった勘三郎さんが「僕はただうんこをするだけの塊です」みたいな発言を、声がなくなってから書き記すシーンがあるのですが、このときは涙が止まりませんでした。
それほど、強かった人を変えてしまうものが、この闘病生活にあったのだ、と。
前半は明るく、奥さんが語る「勘三郎さんのガールフレンド」についての描写など、「え!こんなこと書いちゃうんだ!と驚きましたがwそんなことも言い合える、いい関係だった、ということで。結婚前にお付き合いについては、実名もちょっぴり出てきますw
何より、家族写真やプライベートフォトがたくさん収録されていたのがよかったです^^
ご冥福を心よりお祈り申し上げます。
2013/06/22 14:32
コバルト文庫侮るなかれ
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
児童向けというより、しっかり大人が読んで面白い作品となっている。
恋愛、ドレス、イギリス、貴族、男装、美形の眼帯・・・と少女の喜ぶツボ(?)をおさえていながら、キャラクターの心理描写も優れているし、なにより「マザーグース」の扱いが上手。
なんとなく、お飾りとしてマザーグースを登場させる小説もあるけれど、しっかりと絡んでいて感心させられる。
時代背景もよく調べられており、「へ〜そうだったのか〜」みたいな事も含めて楽しめる。良質の少女小説でした。早く次巻が読みたい。
2013/07/05 21:12
初期の頃からの誉田哲也の魅力が満載!
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
刑事モノで名前が一般的に知られることとなった著者ではあるが、実は、ホラー小説でデビューした人。
おどろおどろしい中にも、「愛」といったテーマがしっかりと描かれているところは、「アクセス」や「妖の華」と変わることなく、非常に面白く拝読した。
まあ、テーマはわかるのだが、あまりにも救いのないところも、この、初期をはじめ「ホラーの誉田作品」に共通しているところでもあるのだが、なんとか、テーマ性を崩さずに、もう少し幸せな方向に持っていくことはできないか…といったところだけもやもやした。
とはいえ、さすがの筆致で、山田風太郎賞最終候補作となっただけあり、よくできている。とにかく、出だしから散りばめられていた違和感の正体が、中盤にぴたっとはまったとき、「おーーー!」と夢中になるはず。
2013/05/24 16:44
初万城目作品でハマった!
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
妙に苦手意識を持っていて、いわゆる「食わず嫌い」状態だったのですが、ご他聞にもれず「映画化」に惹かれたこともあり読了。
ページを繰る手が止まらず、ドハマりしてしまいました。。。
万城目さんが「唯一無二」と呼ばれる理由に納得の一冊です。
とにかくすべてのキャラクターが魅力的で、いとしく、ラストは思わず涙。これを、贔屓の俳優さんの濱田岳くんが演じるのね…と思うだけで鳥肌の立つ思いでした。
他の作品も挑戦してみます^^

鹿児島睦の器の本
2017/12/15 13:00
本当のコレクターとは何かを学ぶ
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
鹿児島さんのファンで、コツコツと雑貨や、普及品の食器は集めているものの、一点ものの器はなかなか手に入れられず、どんなものがあるのかととにかく本だけでもと思い、こちらを購入してみました。
まず、およそ260点の作品を、わずか20人ほどが所持していることがすごいです。
掲載されている作品は、鹿児島さんご自身が「過去にとらわれないため記録を取っていない」ため、作品のコレクターの方たちからそのコレクションを撮影させて頂いています。
海外含め、コレクターであるセレブの方々の生活が垣間見えたのも、予期せずして面白かったです。
しかし何より、鹿児島さんの器が、愛情を持って、こんなに素敵な方々に、素晴らしく大切に使われているところを見ると心が温かくなりました。
美しい作品に、美しいお料理が乗せられていたりすると、ため息が出ます。
こんな素敵な器を、素敵に使いこなせる自分になりたいと思わされました。
「単なる器のカタログでは」と購入をためらっていたけれど、買ってよかったと心から思える本でした。おすすめです。
2017/12/15 12:51
ここにきてシリーズ最高の出来(この巻だけでも読めます)
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
ここにきてシリーズ中最高の巻になっている。
さちの物語は、ほぼ連載の本筋とは連動していないので(今のところそんなに)、ぜひこの巻だけでも読んでもらいたいほど。胸が締め付けられた。
今現在の社会のリアリティがある。
作家さんや漫画家さんで、あまり時代性を反映させたくないという人もいるけれど、
こういう「いま、この時代」を感じられる(普遍性もあるけれど)作品、私は好きだなあ。
正直「吉祥寺だけが〜」とかも好きではないし、この漫画も中盤の巻くらいまではイライラさせられたし、マキヒロチさんの漫画が全般的に好きというわけではないのだけど、
ここ2〜3巻くらいでぐっと「いつかティファニー〜」は胸にくるものがあって、毎巻楽しみにしている。

ゆびさきちゃんのだいぼうけん
2016/08/03 10:50
絵本の大革命!
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
主人公ゆびちゃんが、見開きページに何人も登場します。
昔のエジプトの壁画のように、時間の経過ごとに主人公が描かれていて
「そうか、別に絵本は見開きで1枚とか2枚しか絵を載せちゃいけないって決まりはないんだ」と気づかされます。
24pですが、場面転換が見開き中に10回以上あるので、読むのには時間がかかります。
2歳の娘も、指で「ゆびちゃん」の足跡を辿りながら楽しんで読んでいます。
とにかくそのアイデアが斬新で「面白いものを体験させてもらったなあ」と、うれしい気持ちになります。
2016/03/22 21:46
驚きと悲しみの最新刊
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
第一部の時は、「人を喰らわなくては生きていけないグール」と、その中で必死に「人を喰らわぬように努力するグール」の姿にすっかり共感してしまい、グールサイドの応援をしていた。
しかし、第二部になって急に、その応援対象者がハト側となってしまい、また、しかも新キャラがたくさん出てきまくった事で、混乱。未解決のネタ振りも多くてヤキモキしていた。
ところが、いつの間にかすっかりハト側に共感し始めた自分がいて、この巻では久々に、「グール」を読んでいて、悲しくて涙が流れた。
まあ、涙も乾かぬうちに、新しい衝撃的な事実が発覚したりと、てんやわんやで盛りだくさんなのですが。
次巻が楽しみでならない。
2015/12/02 12:07
後悔した事がない人など…
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
きっといないから、だからこそ、誰の胸にも響く物語となっているのだと思う。きっと、思い出すことも、描くこともつらい作業となったんじゃないかと思うけれど、描いてくれてありがとう、という気持ちになった。
2013/05/24 17:24
やっぱり、いいものはいい
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
漫画で散々読んでいたのですが、手放したこともあり、今度は小説で。
ストーリーもあらかたわかっているし、もういい大人だし、昔読んだときとは違って、もういろんな意味でつまらないかな~と思いつつ読み始めたが、やっぱり、いいものはいいですねw
きゅんとしたし、泣けたし、もう一度、高校生やりたくなりました…。
恋っていいな、青春っていいな、ともだちっていいな、と改めて。
椎名さんの原作あってこそ、というのはもちろんあるのですが、椎名軽穂さんは、「空気感」を描く漫画家さんだということもあり、漫画では自分の未熟さもあり読み取りきれなかった感情や、細やかなシーンが、文章で読むことにより、改めて新鮮に感じられたり、「なるほど、こうだったのね!」と理解を改められたり。
ノベライズ、はまりそうです。

はじめての妊娠・出産安心マタニティブック お腹の赤ちゃんの成長が毎日わかる!
2016/10/21 14:51
お腹の中の赤ちゃんの様子が毎日わかる!
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
プレママ先輩に教えてもらって即日取り寄せた本!
1週毎の赤ちゃんの様子がわかる本は数あれど、毎日のお腹の中での成長の様子がわかるのはこの本くらい!?
今日は髪の毛が生えたんだね〜とか、今、爪を作ってるんだね〜とか思うと、それに役立つような食材を食べてあげなくちゃ!という気持ちになって、自ずと「ママ気分」が育ちます^^
最近はアプリで赤ちゃんの様子がわかるガイドブックもありますが…日記形式で自分の様子も記録できるので、時々読み返してみると新鮮です。

綾野剛 2009▷2013▷
2016/10/21 12:58
「あの作品見ました?面白くなかったでしょうw」!
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
売れ始める前から、一気にスターダムに駆け上るくらいの時の綾野剛の写真とインタビューが時系列に見られるので楽しい。
特にインタビューでは「あの作品見ました?面白くなかったでしょうw」とか、結構自分が出演した作品に対しても辛らつw
ここまでさらけ出してくれる俳優さんも、媒体も昨今はなかなか見ないので、そういう意味でも面白いインタビュー集となっていました。
また、当たり前ではあるけれども、いろいろと計算して演技しているその裏話などが赤裸々に語られていて面白い。
デビュー前のことに関しても、かなりのボリュームで語っているのが新鮮で、よりいっそう綾野剛に興味がわいた。
「日本で一番悪い奴ら」のイベントで、踊る綾野さんを見た時は悶絶しました…。そして、映画、傑作でした。これからも応援していきたいです。

すべては一杯のコーヒーから Short latte,tall cappuccino,and grande passion
2016/06/06 14:20
赤裸々な起業・運営情報と松田さんの自叙伝
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
元よりスタバよりタリーズ派だということもあり、
タリーズのポリシーなどが気になってきたので、とにかく読んでみることにした。
ずっと「食」にかかわる仕事がしたかったこと、
タッチの差でスタバが先に日本に進出したこと、
多くの企業家や投資家の様子、起業に必要なことなどなど。
借金の金額や、初期の売り上げなども具体的に書かれているので、起業を考えている人には、とても参考になるかと。
また、自分よりも優れていると思っていた弟が難病で亡くなっていったこと、
それをきっかけに病院内にタリーズをオープンさせたいと思うようになるまでなど、
波乱万丈な人生譚も非常に興味深く読んだ。
偶然にも、以前住んでいたところの近くにあった若松河田のタリーズは、頻繁に利用させてもらっていた店舗だ。
東京女子医大に、けんもほろろに院内カフェ設立は断られたとのことだが、代わりに病院のすぐ近くにオープンした再三度外視の一軒。
亡き弟のため、病気で苦しんでいる患者のため、そして、お見舞いに訪れる家族のため。
少しでもほっとする空間・コーヒーを味わってもらうため。
そんな思いであの店舗は作られていたのか、と思うと、じーんとくるものがあった。
それにしても、勘三郎さんの本でも酷評されていた東京女子医大。
今回も、難病の弟さんが人工呼吸器をつける際に、医者が笑っていたことや、最後は実験されているようで嫌な気持ちになったことなどなど。。。酷いエピソードに胸が痛みます。
アメリカで長く暮らした松田さん曰く、アメリカの病院は、患者が過ごしやすく、楽しく過ごせる場所であるよう工夫されているとのこと。芝生があったり、釣りができたり、窓が大きく明るかったり。
私にとって、多くの日本の病院は、暗くて、鬱々としていて、行くと嫌な気持ちになる、というイメージです。
少しでも楽しい気持ちになれるような病院を作ることを目標とされているとの一点だけでも、尊敬に値するし、応援したい気持ちになりました。
これからも応援していきたいと思います。