ぷわちさんのレビュー一覧
投稿者:ぷわち
紙の本夜見師 1
2017/04/08 10:22
続巻希望!
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
面白かったです!
文章もたどたどしい箇所も全くなく、描写も滑らか。
登場人物もキャラ設定がきちんと定まっていて、とても魅力的でした。
簡単にあらすじを(何か内容紹介の文章があまりに短いので)。
五明輝は、生まれつき呪われている青年です。
五明家の男は、何故か20代前半で突然死するという呪い。
輝に残された時間はあと僅か。
霊媒師に依頼しても、呪いは解けず、受け入れるしかない輝。
呪いを断ち切る方法はただ一つ、五明家が滅びること。
輝も妹も、結婚して子どもを持つことは諦めています。
輝はせめて妹に少しでも多くお金を遺そうと、がむしゃらに働きます。
そこへ舞い込んで来たのが、住み込み家政夫の仕事。
雇い主は、多々良克比古という、下半身が不自由で車椅子に乗った青年。
理知的でクール、口が悪い。
輝が持った印象は「王様」。
感情的で情に厚い輝とは、何だかんだいい相棒として暮らすことに。
しかし、輝が住み込みで働くことになったこの屋敷と、克比古自身にも何やら秘密がありそう・・・というお話です。
本当に、輝と克比古がかなり良いコンビで、二人のやりとりが楽しかったです。
ストーリーも面白く、これ続き書こうと思えば全然書けるよね?と期待してしまいました。
また、表紙の美青年が克比古なのですが(買った段階では勝手に輝だと思ってました)、車椅子に乗っているはずの克比古が、何故立っているのか。何故日本刀を持っているのか。
そこは読んでのお楽しみ。
気になっている方は、是非読んでみて下さい。
表紙買いでしたが、買って良かったです。
紙の本セブンデイズ MONDAY→THUSDAY (ミリオンコミックス)
2016/02/25 10:13
爽やか!!!
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
BLの中で一番好きな作品です。
とても爽やかで瑞々しい。
表紙に一目惚れして買ったのですが、買って正解でした。
高校1年生の芹生冬至は、眉目秀麗でモテモテ。
週の一番最初に告白してきた相手と必ず付き合い、週の終わりに必ず「好きになれなかった」と言って別れる。
モテモテの芹生ですから、月曜の朝には必ず告白されるのですが。
そんな噂を耳にした高校3年生で芹生の部活の先輩である篠弓弦は、冗談で「俺と付き合ってよ」と言っちゃう訳です。
しかし芹生は遊びで付き合っている訳ではないので、篠の告白?を真面目に受け止め二人は付き合うことに。
まあそこから互いに惹かれ合っていく・・・というお話ですが、まずタイトルからもわかるとおり、一週間のお話です。
BLに限らず、お話を一週間に区切って一日一日の心情の変化をここまで繊細に描いている作品は他にないと思います。
たった一週間。
でも二人にとっては、「恋をするのに十分な時間」だったんですね。
美形でクールだけど、ちょっとふわふわした雰囲気の芹生。
美形で見た目は王子様なのに、中身は直情的でマイペースな弓弦。
この二人、大好きです。
作品を通して本当に爽やかで、背景の景色なんかも綺麗。
何度読み返しても、二人どちらにも感情移入出来てキュンとします。
多分、私の中で今後「セブンデイズ」を超えるBL作品は出てこないと思います。
それくらい好きな作品です。
紙の本ハラサキ
2017/11/10 16:24
ネタバレ有り!
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
百崎日向には幼少期の記憶がほとんどない。
覚えているのは夕陽に照らされる雪景色だけ。
結婚が決まり、腹裂きの都市伝説が残る故郷の竹之山温泉に向かう電車の中で、突然の停電が起こり、日向は気を失う。
目覚めると周囲に人がおらず、電車も停車したまま。
どうやらそこは異世界の竹之山駅のようでー。
女性の死体、襲いかかる黒い影、繰り返される残酷な悪夢。
失った記憶を取り戻した時、真の恐怖が日向を襲う―。
文章はとても読み易かったです。非常に滑らか。
最初に日向の婚約者が登場するので、そちらが主人公なのかなと思い、しかも問題を抱えているのは彼なのかなと思いながら読み始めました。
場面が変わり、日向が登場しー。
記憶がないとはいえ、影があるのとはまた違う。
何となく人を突き放すような、悪気はないのに、どことなく薄情さを感じさせる女性。
それが日向への印象ですね。
まあその印象に間違いはなく、彼女に襲いかかる災難も日向自身が撒いた種というか。
同級生を殺したこと、担任の先生を殺したこと。
全て日向の犯罪として世間に認識され、親族からもそう信じられている日向。
さすがに同情しますが、そういう濡れ衣を着させられる程恨まれてしまったのは、やはり日向のせいで。
だから冤罪が許されるとは全く思いませんが、彼女がその恨まれる対象となった人物のことを考えると、日向がやってしまったことは非道い。
いくら子どもだったとはいえ、親が町の有力者で学校でも権力を持っていた日向なら、問題を解決出来たであろうに。
日向が取った行動はあくまで「自分さえ快適に過ごせればいい」と思われても仕方ない行動だった。
大人になってからも、その人物のことを見捨ててしまったし。
何度も助けられたのに、いざその人物が危機に瀕した時、彼女は助けることではなく自分が助かることを選んだ。
ただでさえ恨みの塊と化していた相手は、「やはりこいつは最低の人間だ」としみじみ思ったでしょう。
ラスト、救いのない終わり方ですが、日向の行動を省みるとあまり同情出来ず。
バッドエンドですがそれほど悲壮感はありませんでした。
これが日向がものすごくいい人だったら、バッドエンドはものすご~くイヤなんでしょうけど。
2017/04/22 13:29
まあまあ。
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
この作者さんの作品は、ぶっちゃけすぐ裏設定がわかるというか、「あ、この人が実は~~なんだろうな」みたいなのがかなり初期の方でわかってしまうので、意外性はありません。
でもまあ、文章も読み易いし、普通に楽しめるかな。
紙の本魔邸
2018/01/05 13:50
ちょっと物足りない。
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
これが無名だったり、自分が知らない作家さんの作品だと仮定したら、十分面白いんです。
ただ三津田信三作品を全作読破しているファンからすると、何となく過去の作品の二番煎じというか、物足りないかと。
家シリーズ3作目ということですが、「禍家」「凶宅」の方が面白かった。
帯の「蛇蛇森が呼ぶ」という煽りとか、あらすじとかは期待大だったんですが。
けして面白くない訳ではありません。
ただファンからすると物足りないというだけです。
紙の本幻屍症インビジブル
2017/06/26 15:54
う~ん・・・
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
この作者さんの作品は、「不死症」しか読んだことはありませんが。
やっぱり何か微妙。
「不死症」よりはまだマシかなとも思いますが。
早い段階で、この孤児院が後ろ暗い事情を抱えていることが透け過ぎて。
一応ハッピーエンドですが、スッキリしない終わり方。
紙の本くちぬい
2017/09/25 15:48
後味が悪い。
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
つまらない訳ではありませんが、面白くもない。
ストーリー自体は、正直ありきたりです。
「都会に住んでいた夫婦が、定年退職を機に田舎へ移住する。田舎での暮らしは憧れであり(特に夫の。妻は最初は乗り気ではない)、引越当初は希望に溢れ、近所の人達の過度な干渉すら好ましく思える。しかし徐々に地方特有の理解不能な習わし、考えが浮き彫りに…」。
こういう設定の小説は、他にも読んだことがあります。そちらの作品は、確かに理解不能な習わしや考えがあるものの、徐々に精神に異常を来していったのは移住した夫の方でした。
しかしこちらの作品は、元から住んでいた田舎の者、移り住んだ都会人、どちらも…というか田舎の者達の方が遥かに異常者でした。移り住んだ妻が徐々に被害妄想に取りつかれおかしくなっていったのも仕方ないと思えるほど。
また、犯行の異常さや残虐さを表現するために、動物が殺される描写がある。
これ大嫌いです。
いくら作り話とはいえ、動物大好きな私はいつもそういう描写がある小説を読む度に「買わなきゃよかった」と思う。
本当にありふれた安直な書き方。いい加減見直してほしい。
ストーリーに戻ります。
まあ大体お約束の展開でラストに進む訳ですが、結局救いがない。
超がつく田舎というものは、ここまで自治体も警察も機能していないものなのでしょうか?
後書きを読む限り、こういった都会からの移住者に対する嫌がらせや虐めは確かに存在するのかもそれませんが。
いくら超田舎とはいえ、犯罪レベルのそれらがいとも簡単に隠蔽されてしまう。
ただただ後味が悪かった。
あと主人公である妻・麻由子の性欲は何なんですか…。
麻由子が「ひょっとしたら、自分はもうこの先性交渉をすることなく一生を終えるのではないか」と怯えるシーンがあるのですが、いやもういいじゃん、のんびり暮らせよ…とドン引き。
ありきたりなストーリー。
先が読めてしまう展開。
安直な書き方。
所々句読点が多すぎる。
異常な性欲描写。
正直この作家さんの作品はもう読まないと思います
紙の本忌物堂鬼談
2017/09/19 08:39
ちょこっとネタバレ注意
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
三津田作品の大ファンで、今回の作品の発売を知ってから心待ちにしていました。
ただこれまでの三津田作品に比べると、主人公に個性が無い。
女性主人公だからでしょうか?
もう一人の主人公とも言える天空は個性がありますが、登場シーンがちょっと少ない。
忌物に纏わる怪異が紹介されますが、一番最初のエピソードが一番ゾクッとしました。
古いアパート、炊事場・トイレは共同、個々の部屋の玄関は引き戸。
内鍵はありますが、いざという時はつっかえ棒をしたくなる、つまり少し心許ない引き戸。
壁は薄く、隣人の生活音が聞こえる。
そんな中で起こる怪異。
やはり怪異に遭遇した場面の臨場感は、三津田作品はすごいですね。
しかし他の忌物に纏わるエピソードは、正直微妙でした。
特にある家族に纏わるエピソード。
私が三津田作品の大ファンであるのは、以下のような理由からです。
・グロい表現がほとんど無い(極稀にグロ作品もあるけど)。
・動物が死ぬ描写が無い(三津田さんが猫好きだからかな?)。
・何と言っても、臨場感がすごい。
・「どこまでが人間の仕業で、どこまでが人ならざるものの仕業なのか・・・」という雰囲気がある。
しかしこの家族に関するエピソードは、とにかくグロかった・・・。
今回の「忌物堂鬼談」が、もし私が読んだ最初の三津田作品だったら・・・きっと三津田作品にはハマらなかったでしょう。
そのエピソードに関しては、正直怪異と言うよりスプラッタ。
怖いより気持ち悪い。
しかも少々下ネタもあり、少し悪趣味・・・。
私がグロ描写が大の苦手なため、作品全体の評価が下がった感はありますが。
同じように怪異を短編で紹介していく書き方なら、「ホラー作家の読む本」の方が余程面白かった。
まあ、最後の終わり方がシリーズ化する兆しを含ませてあったので、続編に期待かな?
天空は割と魅力的なキャラですし、黒猫先生は可愛いし。
でも個人的には、「刀城言耶」シリーズの続巻が読みたい・・・。
2017/04/08 10:20
文章が下手。
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
初めて読む作家さんでしたが…驚くほど文章が下手です。
たどたどしい。
「最後のこの一文、いらなくない?」と思うような文章が、章の最後に必ずくっついている。
章の締めくくりにどういう文を置いていいかわからず、とりあえずこの文で締めちゃえみたいな印象ですね。
あまりの下手さに読んでいてイライラしてしまい、正直全く楽しめませんでした。
この作家さんの本は、二度と読まないと思います。
紙の本白般若は語らない
2016/02/25 10:20
つまらない
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
すみません、私には合わなかった。
ものすごくつまらなかったです。
無理にキャラクターに個性をつけようとしているというか、何かその辺りの描き方が下手。
特に主人公の女の子。
ほんとにつまらな過ぎて、20分くらいでパーッと流し読みして終わりました。
2016/12/09 17:25
続編も読みたい。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
初めて読む作家さんでした。
魔女調伏師?
微妙な設定だったらどうしよう・・・と思いながら読んでみましたが、面白かったです。
魔女についてかなり入念な取材を得て書かれてるんですかね。
高飛車な魔女調伏師と、温厚な心理カウンセラーというコンビですが、割と常識人な二人。
続きも読んでみたいです。
2016/02/25 10:23
爽やかで暖かい
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
その出会いは例えば一瞬で世界が変わるような。
合同授業で憧れの南百瀬くんと急接近するも、クラス替えによってあっさりと遠い存在に…。
海美帆はその日、落ち込んでいました。
そこへ現れたのが「有言実行委員会」を名乗る謎の女子・八千代。
海美帆が南百瀬くんに告白できるよう八千代に後押しをされて。。。
絵も綺麗ですし、ストーリーも良いです。
主軸は海美帆と八千代の友情だったり、南百瀬くんへの恋だったりするのかなと思いきや、四宮くんというイケメン登場。
四宮くん、すごくおとなしくて不器用な人ですが、ここぞという時にめちゃくちゃイケメンで暖かい人で、かなりトキメキました!
告白シーンの四宮くんも良い・・・!
2巻で完結なのが残念ですが、とても満足のいく本です。
紙の本ひとりたび1年生 (メディアファクトリーのコミックエッセイ)
2015/10/14 14:14
旅している気分になれます。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
私は自分でも趣味がドライブだったり旅だったりして、こういう旅エッセイを読むのは大好きです。
この作者さんのは絵も可愛いし読み易いので特に好きです。
紙の本碆霊の如き祀るもの
2018/07/06 16:00
これぞ三津田信三!
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
ここ最近、三津田作品は「忌物堂鬼談」や「魔邸」など、出版されていたものの、どちらもあまり楽しめませんでした。
前者は三津田作品にしては珍しくかなりグロく(グロいの苦手)、後者は何か色々浅いしグダグダで。
でも今作は違いました。
読み始めて数メージで「この本は絶対に面白い!」と確信。
久々に三津田信三ワールド炸裂の本を読むにあたり、もうページをめくるのが、読み終わるのがもったいなくて。
とにかく一行一行丁寧に読み、できるだけ風景などを正確に想像しつつ読みました。
舞台となるのは、正面は海、背後は険しい山という村。
現在でも陸の孤島と言え、険しい山道を行くか、海から小舟で向かうかしか出来ません(遠浅の為大きな船は入れない)。
遠浅の海は、不味いと評判のタコくらいしか獲れず。
背後の山は、畑など作る広さはなく。
貧しさに苦しみ続けた歴史を持つその村では、海でも山でも、不気味な怪異が起こり、語り継がれてきました・・・。
最近の三津田作品に物足りなさを感じていた三津田ファンも、かなり楽しめる作品だと思います。
紙の本五十坂家の百年
2017/11/20 17:27
読んで損はない。※ネタバレあり
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
初めは、他の作家さんに比べてほんの少しですが平仮名が多いのが気になりました。
とはいえ、私は多分必要以上に文章の書き方が気になる質だからそうなのであって、ほとんどの方は気にならないかと思います。
文章も滑らかです。
ストーリーは、何だか不思議な後味でした。
時代が行ったり来たりしますが、特にこんがらがることもありません。
ただ登場人物が多いので、「ええと、この二葉って誰だっけ?」と、毎回最初の方にある家系図を見て確認していました。
しかし、登場人物の個性がとてもしっかりしているので、読み進めてその人物が掴めれば、「これ誰だっけ?」とこんがらがることもなく。
「伏線だろうな」「フラグだろうな」と気づいてしまうのが残念でしたが、構成力やストーリーは十分読んで損はありません。
ただ、ラストの由宇(でしたっけ?)の殺人計画の件は必要かな?と少々疑問。
それまでの殺人は、まだ納得の余地があるというか。
もちろん殺人は絶対に駄目ですが、まだ動機に同情の余地があるというか。
今だったら警察なり行政に相談しなよ、と思うようなことでも、戦時中・戦後は難しかったでしょうし、と。
しかしこの由宇に関しては、あんな下らない理由で親を殺そうと計画。
サイコパスですか?と。
小学校の頃から学校にも行かず、間もなく未成年を終えようとしている由宇。
それ以外の普段の行動では割と常識人ぽかったので、余計に違和感。
「殺人の連鎖」を表したかったにしても、うーん・・・。
でも全体的に面白く、あっという間に読みました。