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  3. H2Aさんのレビュー一覧

H2Aさんのレビュー一覧

投稿者:H2A

473 件中 76 件~ 90 件を表示

電子書籍

電子書籍最愛の子ども

2021/04/04 20:00

わたしたちの家族

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女子高生3人が妻、夫、そして子ども(王子)の「わたしたちの家族」と呼ばれる。目撃者である「わたしたち」が語る「家族」たちの出会いから、それが離ればなれになるまで。百合などと言えばそれまでだが、相変わらずこの言葉の切れ味は健在。形容しづらい居心地悪い揺さぶられた気分になる。お見事。

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紙の本

漢詩 美の在りか

紙の本漢詩 美の在りか

2021/04/03 22:44

新書としては突っ込んだ内容

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新書という量的な制約の中で膨大な漢詩を紹介する。最初章で陶淵明、李白、杜甫、白居易の4人の詩作をたどり、それぞれの特徴を挙げていく。2章は漢詩に特徴的な主題として戦乱、友情、酒など挙げて典型的な漢詩を挙げる。そう言われると恋愛など謳ったものよりも友情を扱った詩は多いのかと感心する。酒をめぐる談義もなぜそうなのかといったところまで追求するのがこの作者の信条でコンパクトな中でも読み応えを感じる。
 個人的に感心したのは3章で、漢詩の形式的な分類と傾向、さらにリズムや音韻的な分析をしている。日本の短歌や俳句との比較や特徴の分析も自分が無知で知らないことばかりだった。4章は詩跡を切り口にして5章では日本で古来行われてきた漢詩の訓読が文語自由詩として短歌などの定型詩と相補的な関係だったと論じる。それほど分厚くもないこの分量で作者なりのスタンスで要領よく漢詩の魅力を切り取りいくつか論点ではちょっと新書離れしてい鋭い内容も持っていて、これは好著だと思う。残念ながら品切れのため図書館で借りて読んで良かった。

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電子書籍

電子書籍東方的

2021/03/29 21:08

今読んでもおもしろい

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綺羅星のように雑多なオブジェが無節操に鏤められてキラキラといろいろな角度から反射するような論集。テーマは西欧的枠組みと対峙する『東方的』な知性。ロシア語で言う「ボストーク」。ブルガリアのソフィアからバルトーク、イコン、ロシア・アバンギャルド、四次元、南方熊楠、イヨマンテ、チベット密教、最後にジョナス・メカス。あきれるほど多彩な題材が東方というキーになる概念に引き寄せられて自在に語られる。我田引水とは言え、こんな切り口の鮮やかさ、自在ぶりには驚きを感じる。中沢新一を読んだのは本当に久々のことだったが今更ながら感心させられた。最後にこの本は紙で読んだ方がいいと思う。電子書籍で手に入れたものの結局図書館で紙の本で読み終わった。

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紙の本

桜の園

紙の本桜の園

2021/02/21 21:30

最後の作品

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ラネーフスカヤ夫人という貴族が財産を失い、思い出のつまった「桜の園」を競売にかけるはめに陥るという、ロシア革命を目前に時代に翻弄される姿を描いた戯曲。悲喜劇というべきだろうか、4幕だが登場人物が多くしかも出入りもめまぐるしい。人物どうしの関係はちょっとした仄めかしと省略が多くてチェーホフによって細かく作りこまれているのがうかがえて探究心をくすぐられる。没落貴族を描くとどうしても暗くなりがちだが、登場人物たちの自由な振る舞いとアイロニー、ユーモアのある台詞の数々で湿っぽさを感じさせない。単にチェーホフの描き方の問題だけなのか貴族とその使用人の関係は身分をあまり感じさせないのが意外。読んでいるだけも集中させる内容だけれども、劇として見れば全くちがうに感動があるにちがいない。

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紙の本

ガリヴァー旅行記

紙の本ガリヴァー旅行記

2021/02/21 01:35

大人向け童話

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結局小人の国リリパット程度のさわり程度しか内容を知らなかった。ガリヴァーはさらに巨人の国、空に浮かぶラピュタとその属国、最後に知性ある馬フウイヌムと忌まわしいヤフーの国と様々な世界を、少しだが日本さえも訪れている。最初の2篇はガリヴァーが巨人になったり、次には逆に小人になったり、視点が揺さぶられおもしろい。後半2篇は大分雰囲気がちがう。異様な風俗、寄想が詰め込まれておかしいところもあるが風刺が極彩色で凄い。フウイヌムという知性を持った馬の高い徳に感化され余生を彼等と過ごしたいと望む反面、亜人間「ヤフー」への生理的な嫌悪が次第に人間への嫌悪に変わっていく。風刺の果てに人間そのものへの底知れぬ呪詛に染まっていくので、ようやく帰国したガリヴァーは再会した家族に対してももはや心を開けなくなってしまう。重い読後感。子ども向けとは思えないが、では大人向けだろうか。スウィフトの風刺は異常さを感じさせるし底が知れない。

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紙の本

イヴ・ボヌフォワ詩集

紙の本イヴ・ボヌフォワ詩集

2021/01/17 09:20

フランス現代詩

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「彼はそれが空にむかって、日ごと/生長するのを見たいのだ、叫びつつ/飛び交う鳥たちの自明のなかで。/彼は夜になって繁みへと趣、/色彩のなかに果実を求めるだろう、静かな両手で果実の金色を搾るだろう、」。難解なボヌフォワの詩集の翻訳。こうした詩の翻訳は言語自体とも密接にからまっているためにいっそう困難なものだろうと思うけれど、この翻訳では巧みに理解を助けていると素直に思う。しかし原文でも翻訳しても毛曲は違った意味で難しいことは否めない。
 フランス戦後を代表する世界的に有名な詩人で、もっと紹介されていくはずだと思いたい。この詩集では雷とか光などおなじみのモチーフの他に「舟」で漂うイメージも頻出している。ボヌフォワの紡ぐ詩句は独特で、難解な中でも美しいと思うが、再読してみた程度ではまだまだ汲み尽くせない。

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紙の本

樹木たちの知られざる生活 森林管理官が聴いた森の声

紙の本樹木たちの知られざる生活 森林管理官が聴いた森の声

2021/01/14 12:10

見方が変わる

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少し前に読んだパワーズ『オーバーストーリー』の後書きで関連図書として挙げられていた。内容はあまり知らないことばかりで認識を改めさせれられるものばかり。森林とその生態系がいかに多彩で精密、繊細なことに驚くばかり。植樹とか自然再生なんて簡単に言えることではないことが良くわかる。著者の推測では一度破壊した森は百年単位の時間がかかる。人間のスケールとは大きくちがう。ヨーロッパの森の王ブナの作る世界の豊かさ。そこに共生する菌類の狡猾さ。草食動物や鳥類のしたたかさ、貪欲さ。命名のセンスもユニーク。地下のインターネット網、ストリートチルドレン、とか笑ってしまうが読めば頷けた。平易な語りだが奥が深いような気がする。この本に書かれていることさえ本来の植物の世界の表面でしかないかもしれない。良書。

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紙の本

ハックルベリ・フィンの冒険 完訳

紙の本ハックルベリ・フィンの冒険 完訳

2020/12/13 20:04

名作

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積読だったのを読み始めてとてもおもしろく読んだ。作中『黒んぼ』という言葉が頻出したり、父親がハックを殴ったりで、そうした部分を敵視する向きもありそう。でも良い意味でアメリカらしい大らかさ、それに語りにも躍動感があって純粋にわくわくとさせてくれる。ハックは飲んだくれの父にひどい仕打ちを受けながらもそれに負けず屈託なく生きる。友情を大事にする気のいい少年で気持ちいいやつだ。それに逃亡奴隷のジムとのやりとりも良く書けているしその人間性を次第に認めていく過程も自然にごく自然に描かれている。時代の制約で逃亡奴隷を助けることに良心の呵責も覚えるところも隠さず語られる。途中から道中を供にする悪役の「王様」「公爵」も、その報いなのか哀れな末路にはあっても愛すべき人物。ここには世界の厳しい面も描かれていて綺麗なばかりの童話的なものではなく、いくつかの死が当然のように織り込まれているのでちょっと驚かされる。
 終盤のご都合主義なところは確かにある。ジムが捕らわれたのがトムの親戚の家だったなんて、もう少し何とかならなかったのか。トムの空想癖も少なからず煩わしく、さっさとジムを開放しないのはページ稼ぎではないかとも思った。でもそうした欠点も全体を通じて致命的なほどではないと思う。なんと言ってもハックの語る物語はすがすがしい。川下りというモチーフは後世のいくつかの小説にも出てくるが、この小説もその原型のひとつだったのか。どのみち名作という誉れにふさわしい。

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紙の本

アウステルリッツ

紙の本アウステルリッツ

2020/11/10 22:26

アウステルリッツは人の名前

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題名は人の名前。語り手がベルギーで出会った不思議な男アウステルリッツ、2人は建築史を語らいはじめ長年ヨーロッパ各地を彷徨い続け何度か出会っては断続的に交流を続ける。書物の世界に親しみ、建築や歴史ばかり語っていたアウステルリッツはある時から彼個人の生い立ちを語り始める。ウェールズの牧師イライアス家の子として育っていた彼は偶然自らのほんとうの名前がジャック・アウステルリッツであることを知る。実はプラハ生まれのユダヤ人で、ナチスの迫害からかばわれて子どものころ集団でイギリスに逃れたのだった。それからというものアウステルリッツは自らの過去を探り続ける。プラハで彼を大切にしていた隣人ヴェラを再開して母は女優のアガタ、父がマクシミリアンであることを知り、表紙の写真の由来もわかるし、ユダヤ人として収容所で過ごしていた姿を目にする。そこで語られる収容所の悲惨な生活。暗い時代が浮き彫りになる。最期はパリに逃れていた父を求めてピレネー麓のグルーに旅立つところでこの小説は終わる。段落の切れ目もほとんどないとりとめのない展開で、淡々と感じたが読後には静かな感動が押し寄せる、そんな小説だった。

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紙の本

純愛 ウジェニー・グランデ

紙の本純愛 ウジェニー・グランデ

2020/07/30 18:05

この邦題はどうかと思うけど

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吝嗇家のグランデ老人のもとにやってきた遠縁の若い男。グランデの世間知らずで純真な娘であるウジェニーはその従兄と恋に落ちる。文字通りの金の亡者であるグランデ老人との激しい確執の後で、その恋は皮肉な結末を迎える。ウジェニー自身が一見して父親にも似た金の亡者と化してしまうが、それもどこまでも初恋に殉じた結果そうなるのである。彼女のある意味で父親を超える蓄財ぶりと、その機械的な単調な生活を描く物語の結末は救いがない。その敬虔さから惜しみない善行も施しながら、その善行を道連れに天国に進んでいこうとする女の物語。これが初バルザックだった。

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紙の本

バルザック「人間喜劇」セレクション 第9巻 娼婦の栄光と悲惨 下

紙の本バルザック「人間喜劇」セレクション 第9巻 娼婦の栄光と悲惨 下

2020/07/24 09:13

コランの暗闘

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獄中でリュシアンは尋問に抗えるはずもなく、コランらを裏切ったことを知って後悔したあげく自殺を遂げる。コランはそれを深く悲しみながらも獄中でも権力側のさまざまな圧力に対抗して逆に陰謀をめぐらせる。獄中とその外でリュシアンの死は有力貴族をも巻き込んだ政治的なスキャンダルになっていく。犯罪者として厳しく追求しながらもコランの手腕を認め自身の後継者にさえしようとするコランの最大の仇コランタン。ラ・コンシエルジュリーという歴史的な監獄を舞台に蠢き暗闘するコラン。著者はその救いようのないほど暗く激しい駆引きを執拗に描いていく。終末にコランは司法側での地位を手中におさめ、リュシアンを自殺に追いやったコランタンに対しての復讐を誓う。
 ヴォートラン三部作などと言われているが、実は「コランタン三部作」でもあるこの小説では他にもシリーズの様々な人物が縦横に活躍して非常におもしろく強烈な印象を刻みつけられる。前作の『幻滅』もパリの様々な側面やメディアを描き出した大作だが、むしろこちらの方が内容的には上だと思う。人間喜劇の集大成と言える大傑作。

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紙の本

バルザック「人間喜劇」セレクション 第8巻 娼婦の栄光と悲惨 上

紙の本バルザック「人間喜劇」セレクション 第8巻 娼婦の栄光と悲惨 上

2020/07/24 08:48

後期の大小説

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例えようもないの大小説。優男リュシアンの弱さは変わらないが、中心軸になるのは高級娼婦エステルの現実離れしてさえいる恋愛。ヴォートランことコランはその利用さえして、彼の作品で溺愛するリュシアンの幸福を作り上げてほくそ笑む。人目を憚って夜に外出したエステルの姿をニュシンゲンから見そめられたことで彼等の夢の生活が終わり暗転する。それに諜報の大物コランタンもスペインの神父に返送したコランとラスティニャックを付け狙う。結局エステルはコランに非情にも売られニュシンゲンのものにされた後で自殺する。リュシアンはコランとともにコランタンに捕らわれる。
 ネットでどなたか指摘しておられたが、原題の娼婦は”courtisanes”と複数形で「娼婦たち」とすべきだと言う。娼婦がエステルだけだとするとこの題名はちょっとそぐわないけれども、仮にリュシアンも含めるだとすると納得がいく。彼は確かにしばしば女性的な外見で描写されている。彼はコランに対して自身の生活全体を供えるのだ。

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電子書籍

電子書籍祝祭と予感

2020/02/15 21:04

蜜蜂のスピンオフ

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『蜜蜂と遠雷』を読んだ後に、その余韻を楽しむためにあると思う。作中のコンクールのための委嘱作『春と修羅』が生まれたいきさつを描いた『袈裟と鞦韆』は良かったように思うが、あとは単独で読んでいたら楽しめたかどうかわからない。

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紙の本

嵐が丘 上

紙の本嵐が丘 上

2020/01/31 19:33

イギリスのノワール小説

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英文学はフランスのような社会への反抗はなく、悟りきって落ち着いた品の良いイメージがある。この小説は冒頭からそれを見事に裏切る。話者のロックウッドが取引相手の客人なのに、嵐が丘の住人は恐るべき失礼な応対を見せる。ヒースクリフだけでなく、全員がひと癖どころでないくせ者ばかり。構成も入り組んでいて、極度に狭い舞台に犇めく人物の関連性も濃厚で複雑なので、読むのに疲れるが、このテイストはまさに暗黒小説。ヒースクリフがキャサリンもイザベルも引き込んでしまってから、これ以上どうなりようがあるのか、とあきれつつもかなり気合いを入れて下巻に。

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紙の本

崩れゆく絆

紙の本崩れゆく絆

2020/01/21 23:27

異国の生活

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巻末にボリュームある解説があってかなり参考になる。それに丁寧な注釈はそのページにあって、イボ族の歌詞も日本語に訳され、付属の栞には登場人物まで載っていて良心的な本作り。慣れないアフリカ文学という敷居の高そうな本だが、その丁寧さには好感。ウォムフィア村のオコンクウォという男が、村の中で声望を得て財をなし妻も3人と子供たちといちおう平和に暮らしているが、その男性的な権威と力に頼る頑なさのために罪を犯して転落していき、最後には(この文化の中では忌み嫌われる)自殺を遂げる。当時のアミニズムの世界観での人々の暮らしと、迫りくるヨーロッパのキリスト教による侵略との対比の中で簡潔に描いて力強い。その文化は異様にも映り始めはとっつきづらいが、読み進むうちに独自の一貫した論理もあって洗練されていることがわかり、この小説が垣間見せてくれたその世界は忘れ難い。
 これが3部作の最初の小説なら、その後の作品も合わせて訳してくれたらと思うのは贅沢というものだろうか。

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