雨読さんのレビュー一覧
投稿者:雨読
2024/04/16 07:07
江戸・明治 百姓たちの山争い裁判
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百姓たちの山争いは何処でも発生したと思います。
私の地元でも江戸時代にそうした争いがあったとの史料を見たことがあり、先祖も山とともに生活をしていたのでこの著書のタイトルが気になり拝読しました。
目次から
序 章 江戸時代の山と村
第一章 日本人は山とどう付き合ってきたか
第二章 百姓同士の山争いを、武士がバックアップ
第三章 東北の村の山争いは、江戸でも進行していた
第四章 明治維新で山争いはどう変わったか
終 章 争いを経て守られた林野
節は大変面白い内容になっています・・・
各地方の山争いの史実例を取り上げられて、当時の百姓や武士の対応のありさまがよくわかりました。
2024/03/28 19:32
刀剣 武器から読み解く古代社会
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古代歴史文化協議会の編集発行となっています。
埼玉・石川・福井・三重・兵庫・奈良・和歌山・鳥取・島根・岡山・広島・福岡・佐賀・宮崎の14県が連携して協議会を設立されていました。
古墳時代の刀剣類をテーマに三年半にわたっての共同研究成果が収められていました。
カラーの図表や写真も多く取入れられて分かり易く解説されていて新たに知ったことが沢山ありました。
刀剣の国産化に至る以前の国外からの影響や国内の事情等、古墳などの埋葬品から色々と興味深い内容でした。
更に14県に限らず協議会の輪を広げて貰いたいとも感じました。
2024/03/18 07:23
夏目漱石 書道文化における「教養」の変容
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夏目漱石の小説は今まで色々と拝読してきました。
絵画には造詣が深いとは存じていましたが、書についてもかなり造詣があったと、この著書で新たに知りました。
「草枕」「行人」などにみる漱石の書道観や「こころ」の装丁などを通して色々と考察されていました。
黄檗宗や中国の書家からの影響の記載もあり新たな観点から漱石を見ることが出来て幸いでした。
紙の本古代の刀剣 日本刀の源流
2024/03/03 08:15
古代の刀剣 日本刀の源流
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日本刀の発生について考古学的観点から遺跡の調査等を踏まえ玉鋼や精製や古代の鉄生産の実態解明を図られていました。
日本刀の反りや刃文はいつ頃どのようにして生まれたのか。正倉院刀の調査や現代刀匠の技術にも着目されていました。
鎌倉時代や南北朝時代の日本刀の出来栄えの絶頂期に至る以前の古代刀剣については解明されていないことも多く大変興味深く拝読させて頂きました。
紙の本流人道中記 下
2024/02/15 20:37
流人道中記 下
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上巻に続き下巻は奥州街道仙台から津軽三厩までの旅となる。
その間様々な出会いと別れが織りなされています。
押送人石川乙次郎は流人青山玄蕃の生い立ちや事件の真相を最後には知ることとなるがその人物の器は彼の裁量でははかり知ることが出来なかったと思います。
しかし青山玄蕃に対する思いは改まったのだと感じました。
紙の本流人道中記 上
2024/02/03 08:22
流人道中記 上
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著者・浅田次郎氏の江戸幕末期の流人と押送人の道中記を題材にした物語である。
流人は旗本の青山玄蕃、姦通の罪で切腹を言い渡されるが、「痛えからいやだ」と拒否して結局蝦夷松前藩へ流罪となる。
押送人は南町奉行所与力の石川乙次郎である。
上巻は江戸から仙台までの各宿場での出会いと出来事を難儀な中にも痛快な事柄も多く取入れた物語となっていて大変面白く拝読いたしました。
紙の本一万石の夢の跡
2024/01/14 21:54
一万石の夢の跡
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美濃苗木藩の幕末から明治初期を中心に書かれた内容の著書で大変興味深く拝読させて頂きました。
目次の各章は、
第一章 苗木藩
第二章 大政奉還
第三章 明治新政府
第四章 苗木騒動
第五章 廃仏稀釈断行
第六章苗木県の誕生
終章
の通りで十二代藩主の遠山友禄や大参事の青山直道にまつわる話題が多く取り上げられてました。
「新編 明治維新佛分離史料 全十巻」も参考文献とされており初めて知る事項も取り上げられていて参考になりました。
紙の本武蔵 残日の剣
2024/01/07 10:42
武蔵 残日の剣
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宮本武蔵の中年・晩年・最期が描かれていて大変興味深く拝読いたしました。
島原の乱から、熊本入り、そして藩主である細川忠利から客分として扱われ、忠利やその後の藩主である光尚との親交からこの地に骨を埋める覚悟を決めます。
城下では藩主をはじめ沢山の門弟に剣の手ほどきを行い、二天一流の名声は増すばかりでありました。
もとは忠利も柳生新陰流を取り入れていたことで、柳生十兵衛が武蔵に刺客を放ったりする。
また藩主と八代の三斎との関係性の心配事も取り上げられています。
屋敷の手伝いの清や弟子との関係も面白く描かれています。
晩年、霊巌洞に籠り「五輪書」を書き上げた精神力には恐れいりました。
2023/12/18 07:06
一刀斎先生剣法書訳注 剣豪伊藤一刀斎の教え
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この著書は、剣術の一刀流の始祖である伊藤一刀斎の伝書とされる「一刀斎先生剣法書」の現代語訳であります。
編者の竹田隆一氏と長尾直茂氏は山形大学の同僚(共に剣道家)であった時期に定期的に翻訳の検討をされ刊行にまで至ったとのこと。
「一刀斎先生剣法書」は古藤田俊定の著で古藤田俊定の祖父の俊直は一刀斎に親しく刀槍術を学んだ人であったとされる。
「一刀斎先生剣法書」は十六章からなり、現代剣道にも繋がる大変貴重な教えが記載されている様子が現代語訳から伺えます。
大変難しい内容ですが、それを理解して活用することで著者のご努力に報いたいと思いました。
紙の本鎌倉時代の和歌に託した心 西行・後白河法皇・静御前・藤原定家・後鳥羽上皇・源実朝・宗尊親王・親鸞
2023/12/10 13:17
鎌倉時代の和歌に託した心
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平安時代末期から鎌倉時代の半ばころまでの時代の人たちが何を思っていたか、どのような心で生きていたかを追求されていました。
西行・後白河法皇・静御前・藤原定家・後鳥羽上皇・源実朝・宗尊親王・親鸞の八人を対象に和歌によって、その心を探求されていました。
紙の本福袋
2023/11/21 21:45
福袋
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浅井まかて氏による短編集である。
直木賞作家であられるが今まで浅井氏の小説は読んだことがありませんでした。
今回は何故か購読することになりました。
「福袋」は、
ぞっこん
千両役者
晴れ湯
莫連あやめ
福袋
暮れ花火
後の祭
ひってん
の全八作の短編集です。
いずれも江戸時代の江戸の庶民の何気ない日常の生活ぶりを主に描かれているようです。
最初のぞっこんは主人公は誰?と戸惑いましたが読み進めると理解できました。
小説ですが何か落語的イメージも湧いてきて面白く気楽に拝読させて頂きました。
2023/10/07 11:15
人生を豊かにする歴史・時代小説教室
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歴史・時代小説の書き方などを畠中恵、門井慶喜、安部龍太郎の三氏がそれぞれの方法で分かり易く解説されています。
安部龍太郎氏と門井慶喜氏の著書は拝読したことがありましたが、畠中恵氏の著書は多分まだ拝読していないので機会があれば拝読したいと思います。
一番心に残ったお話は、安部龍太郎氏の「夢を持つだけではダメで、心構えが必要です。一万分の一の狭き門をくぐり抜けて、なおかつ十年、二十年、三十年と成長を続けられる作家にどうすればなれるのか?」
一つは、思いの強さ・・・・
二つめは、誠実さ・・・
三つめは、素直さ・・・
本文はもっと詳しく書かれています。
作家に限らず全てに通じるお言葉として捉えました。
紙の本直心影流の研究
2023/09/27 22:08
直心影流の研究
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直心影流について研究された興味ある内容の著書であります。
現代剣道の礎を築いたともいえる直心影流を成立過程、修練実態という観点からその伝承について考察をされています。
直心影流に関する色々な史料を基に整合性を考察することで、今まで故意に付け足された系統なども、より真実に近い内容に解明されています。
歴史に新たな風を吹き込んで頂いて感謝申し上げます。
私の先祖も多少直心影流を嗜んでいたことと、自らも一剣道家として著者軽米克尊氏の研究を絶賛いたします。
2023/08/04 07:03
君か、君以外か。 君へ贈るローランドの言葉
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女性を魅了する魅力を備えるには、弛まぬ努力と気配りが必要か?
いずれの道でも人を引き付ける力量は尊いと思います。
2023/07/31 22:12
江戸藩邸へようこそ 三河吉田藩「江戸日記」
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著者、久住祐一郎氏の著書は以前「三河吉田藩・お国入り道中記」を購読させて貰いました。
今回もその吉田藩の史料をもとに江戸藩邸での暮らしを中心に捉えられていました。
普段の藩主や藩士などの暮らしぶりが具に描かれていて大変興味ある内容でした。