百書繚乱さんのレビュー一覧
投稿者:百書繚乱

日本が売られる
2018/11/19 20:07
『日本が売られる』
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
たとえば
・水が売られる
・土が売られる
・タネが売られる
・ミツバチの命が売られる
・食の選択肢が売られる
・牛乳が売られる
・農地が売られる
・森が売られる
・築地が売られる
第1章「日本人の資産が売られる」のどれか一節を読むだけで戦慄が走る
そして
・労働者が売られる
・日本人の仕事が売られる
・ブラック企業対策が売られる
・ギャンブルが売られる
・学校が売られる
・医療が売られる
・老後が売られる
・個人情報が売られる
第2章「日本人の未来が売られる」に記された衝撃の事実に愕然とする
民間商品だけでなく公共財産という貴重な日本の資産を食い尽くそうと触手を伸ばす多国籍企業群と、“規制緩和”の名のもとにそれを後押しする政府
大きなニュースに隠れて着々と進行する《今だけカネだけ自分だけ》の社会に気鋭の国際ジャーナリストが警鐘を鳴らす
第3章に示される反撃の戦略には一筋の光が見えてはいるが...
この本を幻冬舎が出したことが興味深い

新聞記者
2017/11/10 22:30
『新聞記者』
9人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
「東京新聞、望月です」
定例会見での官房長官への質問で脚光を浴びた新聞記者が、新聞記者の仕事とは何か、先輩や取材相手から何を教わったか、生い立ちを含めて著した話題の新書
《おかしいと思えば、納得できるまで何があろうととことん食い下がる。新聞記者として、警察や権力者が隠したいと思うことを明るみに出すことをテーマとしてきた。》
大手新聞への転職のチャンスに父に言われたひとことが重い
「お父さん、読売だけは嫌なんだよ」

自分を捨てる仕事術 鈴木敏夫が教えた「真似」と「整理整頓」のメソッド
2016/09/22 20:52
『自分を捨てる仕事術』
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
「若いときにしかできない仕事というものがある。
それは、自分の意見を持たないこと」
「何か言おう、言おうって思っていると、人の話が聞けなくなる。
君は自分の意見ばかり考えて、人の話を聞けていない」
「これから3年間、おれの真似をしな。
自分の意見を捨てて、くもりなき眼で世界を観ること」
ジブリの鈴木敏夫のもとで修業した著者による体験的仕事術
鈴木の教えに従った石井の働き方も
石井の目を通した鈴木の生き方も
どちらもカッコいい

小さな恋のものがたり 第46集 叙情まんが
2022/12/27 20:26
『小さな恋のものがたり 第46集』
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
波瀾万丈の46集ですよ。47集までいけるかどーか。チッチたちを追いかけて、81歳(ココロは17歳)、ときめいているところです。──「あとがき」より

死刑について
2022/07/08 19:30
『死刑について』
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
〈なぜ人を殺してはいけないのか〉
芥川賞作家の平野啓一郎が「死刑廃止」を語った好著
ヨーロッパの作家たちとの交流もきっかけに「存置」から「廃止」に考えが変わった平野
自身の体験もふまえ、加害者への「憎しみ」で共感する共同体から、被害者と加害者両者への「優しさ」を持つ共同体への転換を、率直に、わかりやすく訴える
《死刑を存置することで、社会は何を失うのか。》──帯のコピー
2019年12月6日大阪弁護士会主催の講演記録をもとに、2021年10月12日日弁連主催のシンポジウム「死刑廃止の実現を考える日2021」登壇時のコメント等をくわえて全体を再構成、加筆修正して単行本化、2022年6月刊

1行書くだけ日記 やるべきこと、やりたいことが見つかる!
2021/08/15 20:09
『1行書くだけ日記』
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
毎日1行、思いついた出来事を書くだけで……
・仕事ができるようになる
・自分のことがわかってくる
・自信が持てる・自己肯定感が高まる
・自分の進むべき方向が見えてくる
「1行日記を書く」⇒「振り返る」⇒「気づく」⇒「踏み出す」
この繰り返しが成長につながる
毎日1行の習慣を仕事や生活に活かす方法を具体例をもとに解説する
著者はYahoo!アカデミア学長
『1分で話せ』は50万部突破のベストセラー

夢を叶えるための勉強法
2021/03/14 20:06
『夢を叶えるための勉強法』
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
筑附から東大文Iに現役合格、3年次には司法試験予備試験に合格
“スタンフォードが認めた才媛”と紹介される“東大王”の鈴木光が書いた、主に大学受験を突破するための勉強の仕方の本
・目標の立て方
・暗記のコツ
・環境のつくりかた、など
《一見小さなことのように見える、テストの点数を5点、10点と上げることが「頑張れば努力が報われる」という経験の積み重ねになります。
その経験によって「努力すればできる自分」を信じられるようになり、勉強という分野を超えて、自分のこれからの人生を支えてくれるようになると私は思っています。》──「はじめに」より
1日10時間の勉強が効率よくできるようになれば東大合格も夢じゃない!
本書にしても、フォロワー39万人超のInstagram、24万人超のTwitterにしても、ことばの使い方がきれいで対応がていねいなことが印象的
今春卒業後は企業法務の弁護士をめざしメディア出演はしなくなるとのこと
夢に向かって信じた道を行く姿がすがすがしい
2020年12月刊、本書が初の著書となる

吠えない犬 安倍政権7年8カ月とメディア・コントロール
2020/11/11 21:01
『吠えない犬』
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
“watch dog”=権力を監視する番犬
その番犬が吠えなくなってしまった
メディアの重要な役割のひとつである権力の監視が危機にある
安倍政権から菅政権にかけて官邸に飼い馴らされ、コントロール、支配されてしまったメディアの状況を的確に分析し、描き出す
著者は日本の政治とメディアに精通したアメリカ人ジャーナリスト
ニューヨーク・タイムズ日本支局長などを歴任し、現在は独立系シンクタンク日本再建イニシアティブの主任研究員兼ジャーナリスト・イン・レジデンス
権力とメディアの関係を問い、健全な民主主義を機能させるために取材・執筆活動を続け、Twitterでも精力的に発信している
《本書を読み、皆さんにはぜひ、自分たちの国で何が起きているのか知り、行動を起こしていただきたいと願っている。》──「はじめに」
本書は『安倍政権にひれ伏す日本のメディア』(双葉社、2016年2月刊)に加筆修正した増補改訂版、2020年10月刊

赤旗スクープは、こうして生まれた! 「桜を見る会」疑惑
2020/09/27 12:13
『赤旗スクープは、こうして生まれた!』
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
公的行事の私物化という実態を知っていたはずの大手メディアが見逃してきた「桜を見る会」疑惑を、なぜ赤旗がスクープできたのか
「オシント」(オープンソース・インテリジェンス)を駆使
公開情報を分析し、直接取材して真相をあぶり出した追及の記録
後援会のバス「17台」、受付票の区分番号「60」、前夜祭の会費「5000円」など、小さな事実を積み重ねてウソとゴマカシを明らかにしていく
疑惑の幕引きを許さないために
権力監視のためのメディアの調査報道がより発展するために

「育ちがいい人」だけが知っていること 今からでも「育ち」は良くなる!
2020/08/17 19:42
『「育ちがいい」人だけが知っていること』
10人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
「育ち」とは佇まい
ちょっとした所作やふるまいを知っているかいないか
知ろうとしているかいないかの差にすぎない
だから「育ち」は手に入れられる
良家で必ず教えられる257のふるまいを人気のマナー講師が伝授する
一例をあげると……
62 靴のインソール、ヒールにも気を使う
77 気遣いの手紙には万年筆が必須
89 常に新札を準備しておく
138 お礼はその場、その日か翌日、次に会ったときの3回
154 見送りは相手の姿が見えなくなるまで
著者は「マナースクールライビウム」「親子・お受験作法教室ラウビウム」代表
難関幼稚園・名門小学校受験では第一志望合格率95%の実績
お行儀を覚えるだけでなく、「にじみ出る育ちの良さと、品」が身につくと話題に──著者プロフィールより

令和日本の敗戦 虚構の経済と蹂躙の政治を暴く
2020/05/11 19:54
『令和日本の敗戦』
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
この国の社会、経済、政治を見わたすと
近い将来、外敵と戦うことなく「敗戦」状態に陥るのではないか
気鋭の新聞記者が
働き方改革、アベノミクス、改憲、桜を見る会、辺野古の現場を取材し
「この道しかない」と暴走する政治が行き着く「敗戦」日本の姿を描き出す
「「知らない、聞かない、関係ない」で済ますことを続けていれば、回り回って必ず自分に降りかかってくる」
──山城博治(沖縄平和運動センター議長)
著者は神奈川新聞記者
2018年から2020年2月にかけて執筆、掲載した連載や企画をベースに再構成
巻末に白井聡、井出英策、木村草太の特別インタビューを収録

東京貧困女子。 彼女たちはなぜ躓いたのか
2019/06/16 19:08
『東京貧困女子。』
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
勉強したい女子大生が奨学金という借金を背負わされてカラダを売る
非正規労働しか選択肢のない単身女性は貧困生活かパパ活や風俗に手を染める
シングルマザーは苦しみのあまり精神疾患に、命綱の社会保障は縮小の一途
冷静な筆致で貧困女子の現実を描き出す記事に、浴びせかけられる自己責任論、恫喝、暴言、罵詈雑言
《取材から明確に見えてきた未来は、終わりのないさらなる下り坂と、それにともなう苦しみ、目の前の人々が憎しみ合う分断だ。》
東洋経済オンラインの3年にわたる人気連載「貧困に喘ぐ女性の現実」を単行本化
だれが貧困女子をつくったか、選挙の前に読んでほしい問題作

5日間で言葉が「思いつかない」「まとまらない」「伝わらない」がなくなる本 博報堂スピーチライターが教える
2019/04/30 19:13
『博報堂スピーチライターが教える 5日間で言葉が「思いつかない」「まとまらない」「伝わらない」がなくなる本』
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
入社3年目の悩める若手社員と広告会社に勤める先生を軸にしたストーリー形式で、「思いを言葉にする力」を5日で身につけることができるよう構成
1日目「頭の中にあるものを知る」
30秒でものの名前を10個言ってみる、など
2日目「考える習慣をつける」
「人の頭で考える」クセをつける、など
3日目「論理的に発想する力をつける」
「なぜ」を5回なげかける、など
4日目「真に伝わる表現力を磨く」
40文字を意識する、など
5日目「言葉に説得力を持たせる」
「ありがとう」をいまの5倍使う、など
著者は博報堂のスピーチライター、クリエイティブプロデューサー
35年にわたる学生指導の経験から生まれた25のメソッドは、日常のさまざまな場面で活用できる「一生使える武器」となっている

形容詞を使わない大人の文章表現力
2017/12/25 20:08
『形容詞を使わない大人の文章表現力』
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
文章に説得力を持たせる修辞技法=レトリック
本書では「表現に一手間かける」レトリックとして「かわいい、やばい、すごい」などの「形容詞を避ける」ことを提案し、書き換える方法を具体的に示す
・大雑把な発想を排する~描写、下位語、オノマトペ
・自己中心的な発想を排する~数値、背景、感化
・ストレートな発想を排する~緩和、反対、比喩
3類9種の方法で豊かな表現力が身につき、論理的な文章が書けるようになる

話すための英語力
2017/04/06 21:08
『話すための英語力』
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
前著『本物の英語力』(2016/現代新書)の続編に位置づく本書では
英語が話せるようになるための方略に焦点をあてて解説する
英語学習者として知っておくべきコミュニケーションの要素として
「会話の目的、場、参与者」の3点をあげ
具体的な場面や例文を示してわかりやすく書かれている
言語や文化が異なる人々との異文化コミュニケーションに英語を使う、
という視点からの有益な情報がもりだくさん
ただし、著者の観点が
「ネイティブ・スピーカーのように話す」ではないところに注意が必要
だからこそ信頼がおける記述になっている