たあまるさんのレビュー一覧
投稿者:たあまる
「サバを読む」の「サバ」の正体
2019/10/22 10:16
もっとツッコミ入れてえな
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NHKアナウンス室が編集した
『「サバを読む」の「サバ」の正体』という文庫本は、
ことばにまつわるあれこれを2~3ページの短文にまとめたコラム集です。
それぞれおもしろいし、
なるほどということもたくさんあって、すぐ読めました。
ただ、スタンスがいかにもNHKというか(失礼!)、
中立的で無難で、あまり面白くない。
関西人としては、「もっとツッコミ入れてえな。」という感じがします。
サウスバウンド 上
2019/10/22 10:07
6年生男子が主人公
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奥田英朗『サウスバウンド』。
で、学校の教師の描き方にはやや不満が残る。
上巻だけでやめると、面白くない。
下巻に大いに期待すべし。
でも、下巻だけ読んでもだめだよ~。
百歳日記
2019/10/22 09:32
100歳を超えてなお
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有名な詩人のまどみちおは104歳で亡くなりましたが、
100歳を超えても創作を続けました。
この本の中の「百歳になりますか」というエッセイで、こんなことを書いています。
◇まだどれだけ生きるかしらんけど、生きとるあいだに、自分のやれるだけのね、おかしいことをやってみたいと思っております。年をとっても、しょげたことにはしたくないからね。そういう努力はしていきます。
100歳を超えてなお、これからの生き方を語るとは、すごいなあ。
京都〈千年の都〉の歴史
2019/10/22 09:12
京都の街の移り変わりがよく分かります
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高橋晶明『京都<千年の都>の歴史』を読むと、
京都の街の移り変わりがよく分かります。
今、観光客がたくさん訪れる観光スポットは
その多くが、江戸時代からそうだったんですね。
またゆっくり京都の街を歩きたくなりました。
京都のおみやげといえば「おたべ」に代表される、
あん入り生八つ橋が定番ですが、
お店ごと、季節ごとにいろんなバリエーションが発売されます。
私が京都に行くと必ず買うのが西尾の生八つ橋。
これは何も包んでいない皮だけのもので、
とても素朴でかつ洗練された味です。
ちっちゃなパックで売っているので、持ち帰るのにも軽くて、しかも安い!
それに年中売っています。
250円で京の味が楽しめますよ。
ソロモンの犬
2019/10/22 07:27
裏切られた感の方が大きかった
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『ソロモンの犬』は、道尾秀介という、私には未知の作家の本ですが、
犬の行動が絡むミステリーだということなので、読んでみました。
実は私はかつてムツゴロウさんの本を愛読していて、
ローレンツなんかもちょっと読んで、
動物行動学に多少の興味を持っていたのです。
で、この本ですが、まあ面白かったです。
ただ、ちょっと叙述トリックがあざといというか、
私は「やられた~」という快感というより
「なんだそうだったの」という裏切られた感の方が大きかったですね。
この作者の本をまた読もうとするかどうか、微妙なところです。
55歳からのハローライフ
2019/10/22 07:22
妙に身につまされることもあり
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村上龍の『55歳からのハローライフ』は、
主人公たちの世代が自分と近いので、
妙に身につまされることもあり、ちょっと読むのがしんどいところもありました。
でも、共感するところもいろいろあって、村上龍、なかなかやるな、という感じでした。
たとえば、こんな一節。
それは、無力感に押しつぶされて何か大切なものを放棄しないための、
最後の手段としての怒りだった。
怒りで自分を奮い立たせなければ立ち上がることもできない。
同じ村上でも、“春樹”は大ファンなのに
“龍”には縁がなかったのですが、
ほかの作品もちょっと見てみようかなあ。
平和のバトン 広島の高校生たちが描いた8月6日の記憶
2019/08/04 16:25
体験の継承の新しい形
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先日、茨木市の非核平和展に展示されていた高校生の絵に感銘を受けた。
それにまつわる本がこれ。
被爆体験証言者の話を高校生が絵にする「次世代と描く原爆の絵」プロジェクト。
このプロジェクト、体験の継承の新しい形として、注目すべきものである。
非体験者が追体験して、それを表現活動にする。
これは平和学習のかたちとしても、有効な方法である。
実体験者の年来を考えると、いましか出来ない試みでもある。
せっかく、注目すべき内容なのに書名はありきたりで残念。
「平和のバトン」には、さまざまなかたちがある。
その中で体験者と表現者が体験を共有するこのプロジェクトが意義深いのだから、それが伝わる書名にしてほしい。
サブタイトルでなく、メインで。
図書館の神様
2019/07/05 10:42
実はふたりとも本来体育会系のヒトだったのね
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図書室で、部員一人顧問一人の文芸部。
と、くると、文化系のにおいプンプン。
でも、実はふたりとも本来体育会系のヒトだったのね。
なんだか、プチ裏切られた感。
でも、だれだって文学は楽しめる。
不倫相手の男は、一人前の大人のような顔をして、じつはなさけない。
弟は、頼りないように見えて、実はしっかりしたいいやつ。
この対比も面白かった。
そして、ラスト。
救いが見える。
それがいい。
肉小説集
2019/07/04 21:23
読むなら大人になってから
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『肉小説集』という文庫本をジュンク堂の買い物カートに入れたのは、坂木司の著書だから。
この人の“日常の謎ミステリー”は、いつも面白いから。
でも、読む段になって、ちょっと後悔しました。
焼き肉屋で飽食して「肉ばっかりじゃなく野菜が食べたい」と思った直後だったから。
だけど心配はいりませんでした。
なぜか肉を苦手な人がいろいろ出て来たから。
「肉が好き!」という小学生は多いけど、この本は子どもむきじゃありません。
なぜって、そこはかとなくエロチックなところがあるから。
読むなら大人になってから。
ビブリア古書堂の事件手帖 1−6 栞子さんと巡るさだめ
2019/07/02 22:24
本好きが変な人と思われないか
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『ビブリア古書堂の事件手帖6』を読みました。
ドラマ化以来、俳優のイメージが邪魔をしてもうひとつ楽しめないのですが、本の謎、というマニアックさは健在で、それなりに面白かったです。
そやけど、これに出てくる古書マニアは、古書のためには手段を選ばないような人が続々出て来て、本好きが変な人と思われないか心配になります。
ハンナ・アーレント 「戦争の世紀」を生きた政治哲学者
2019/07/02 21:54
性差はあまり関係ないな
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『ハンナ・アーレント』は
いっときブームにもなった女性哲学者の生涯をコンパクトに描いた新書です。
著者も女性。
哲学というとなんとなく男性っぽいイメージがありますが、このあたりを見ると、性差はあまり関係ないな、と思いますね。
アーレント本人が書いた引用部分はむずかしいけど、考えるという行為の現実的な価値に気づかされる本です。
フイチン再見! 4 (ビッグコミックス)
2019/06/26 20:36
女性としての不利な立場
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ついに満蒙開拓団にまで行くとしこ。
こういうところまで描くのはとてもすばらしい。
けど、つっこみが足りない。
もっと問題点をえぐってほしい。
でも、しかたない。
当時のとしこに、そこまで気付けというのは無理だ。
としことはちがう、吉川さんの立場、小泉さんの立場、おしんさんの立場、どれも女性としての不利な立場。
それに少しでも思いをはせるのが限度だろう。
敗戦後の大陸に残った人々の苦難は、ことがらとしては描かれるが、敗戦の日の描写など、とても軽い。
これもとしこのキャラゆえか。
流れる星は生きている 改版
2019/06/20 19:38
そこまで堕ちるのが敗戦の姿
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「満洲」からの引き揚げを書いた手記なんですが、著者の藤原ていという人の夫は作家の新田次郎、息子は数学者の藤原正彦。
この本、子どもの頃に読んだはずなのですが、全然覚えていませんでした。
引き揚げという悲惨な体験なのですが、気象台員という公務員の家族なので、軍人家族ほどではないけど、一般人よりは恵まれていたのです。
それでも想像を絶するような苛酷な生活を、醜い人間関係も含めて主婦の感覚で赤裸々に描いています。
きれいごとは、どっかにとんじゃってますね。
そこまで堕ちるのが敗戦の姿だといえそうです。
告白
2019/06/20 19:30
救いのない終わり方
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湊かなえの『告白』を読みました。
学校が舞台で、ちょっと、読むのにしんどいとこもありましたが、よくできた作品です。
作家の力量を感じますが、救いのない終わり方で、あんまりひとにはおすすめできないな、と思いました。
でも、自分はこの人のちがう作品をまた読んでみようと思っています。