E司書さんのレビュー一覧
投稿者:E司書
紙の本ファーストラヴ
2020/05/07 11:32
恋愛・推理・心理全てを絡める傑作
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就活中の女子大生が父親殺しの容疑で逮捕。動機は自分でも分からないので見つけて欲しいという。事件についての執筆を依頼された臨床心理士の由紀は女子大生の過去、成長環境、周囲の友人関係等を取材。その過程で明らかになっていく女子大生の真実とは?真実を追い求める過程で自身の弟や親の人間関係や恋愛を絡めたストーリーは読みごたえ十分。女子大生の裁判は意外な真実の解明と結末を迎える。読み終えたときタイトルの意味がきっと見えてくる。
紙の本牧野富太郎と、山
2023/05/04 21:21
牧野の植物観察エッセイ集
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植物学の父といわれる牧野氏の植物採集エッセイ。植物に興味がないと若干重いエッセイに感じるが、現在、牧野を題材にしたテレビ小説とリンクしながら読むと筆者の辿ったきた人生感や思想感が理解でき面白い。現在の時代背景と違った時の登山を知れるのもこの本の魅力のひとつでもある。
紙の本お探し物は図書室まで
2023/04/12 12:10
こんな司書がいたら
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
町の小さな図書館の風変わりな司書が悩みや迷いを抱えた5人に変わったレファレンスを行い人生のアシストを行う物語。5人の悩みはそれぞれ異なるが自分の本当に探しているものは何なのか気づいていく姿を5つのストーリーでまとめ、それぞれにわずかな接点を散りばめ読み応えの心地よさは良。司書が手渡す手作りの付録がユニーク。
2023/11/23 09:17
老舗文具店で織成すじんわり物語
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銀座の文具店、四宝堂。店主、宝田硯のもとには様々な悩みを抱えた客が訪れる。悩みを抱える人々に店主の優しさと文房具で心を解きほぐしていく短編集。日頃、使用している文具を題材にした展開は新鮮味を感じる。
2021/03/14 17:56
素敵なオルゴール店の物語
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北の町にひっそりと佇むオルゴール店。来店する顧客はそれぞれ心に悩みを抱えている。その心に流れている曲は本人すら忘れている思い出の曲。店主は心の曲を読み取りオルゴールを作ってくれる。7編のそれぞれのストーリーがどんな曲を奏でるか・・・。謎めいた店主と顧客の感動の物語。
2020/03/27 19:13
一気に読みたくなる恋愛小説
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俺の同期入社の彼女は毎日「好きです」と告白してくる。5年間続いてきた告白はある日、俺の一言で終りになったが翌日彼女は突然亡くなる。生前、彼女がつけていた日記を発見した俺は日記に綴られた月日にタイムリープすることに気づき彼女を助けるため奮闘するが・・・。切ない恋心で展開する恋愛小説のなかにサスペンスを取り込んだ読み応え抜群の小説。
紙の本三の隣は五号室
2020/03/07 17:10
普通のアパート生活が残す軌跡
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一風変わった間取りのアパート5号室に住んできた13世帯の歴史的な日常物語。その時々に歴代住人が感じてきた思いを屋根の雨音、ブレーカー、風呂の漏れる音のする栓、襖の穴などを題材に展開する今までにないストーリーに新鮮味を感じる。前の住人をひとくくりにせずに前の前、さらにその前の住人までさかのぼり普段考えたことのないことを思うことで日常のさりげない一日がとてもいい一日に感じさせてくれる作品。
紙の本天国はまだ遠く
2019/09/13 10:51
人生に疲れたら・・・
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日頃の生活、仕事、人間関係。人生はつらいことばかり。そんな主人公が山奥の民宿で自殺を図るが見事に失敗。その失敗から山奥の民宿に居つくことになり自然や環境、周囲に人々の優しさから自分をあらためて見つめなおしていく。天国はまだまだ遠く、あらたな旅立ちへと導いていく成長の物語で日頃の自分と置き換えて考えるのもいい小説。
紙の本鎌倉うずまき案内所
2021/06/04 17:24
時代のうずまき
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人間誰しもが持つ悩みや後悔。そんな悩み解消のヒントを案内してくれる「鎌倉うずまき案内所」。そこには双子の案内人がいて「はぐれましたか」と優しく迎えてくれ、アンモナイトの所長が解消のヒントを教えてくれる。迷い込んだ6名の主人公はそれぞれのヒントで強くなっていく。6篇の物語は年代が違えど渦巻き状に繋がり展開される。
著者の他作品と類似する展開も歪めないが6つの短編が最後に繋がっていることに気づいたとき思わず見事と言いたくなる作品。
2020/09/26 12:04
手軽に読める山岳エッセイ
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イラストレーターである筆者が実際に経験してきた登山の軌跡をイラストを交えながら多様なエピソードで50の山を紹介。山ヤ世代の登山が中心で現在の登山より懐かしさを感じさせる。山が教えてくれる様々な人生観や教訓等々、登山好きな方でなくとも行ってみたくなる・経験してみたくなるような山岳名著です。
紙の本森沢カフェ
2020/04/16 17:48
明るく楽しく生きるヒントがいっぱいのエッセイ集
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著者は面白いことが大好き。せっかくの人生、上機嫌で過ごしたいもの。見方や考え方を少し変えてみるだけで未来が明るく楽しくなってくる。そんな方法を身近な日常における観点から綴ったハッピーなエッセイ集。読み終えたホッとする事間違いなし。
2019/05/04 09:39
家族の優しさ
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高齢化の問題と自身のやりがいを求める中で、解決できない問題や人それぞれの悩み、葛藤に遭遇していく主人公。人生において大切なものは家族や人の愛情や優しさであることを教えてくれる、ほのぼの感溢れる物語です。
紙の本月曜日の抹茶カフェ
2023/07/24 10:56
心に沁みる物語
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著者の代表作、木曜日にはココアをの続編的小説。前作とおりマーブルカフェを舞台に様々な悩みを抱えた人間が前向きになっていく展開を季節の移り変わりとともに進んでいく。マーブルカフェは月曜日が定休日。その日だけ営業する抹茶カフェ。ついていない携帯ショップ店員が抹茶カフェに訪れることから色々な人に繋がっていく心温まる短編的長編小説。
紙の本「嫌いっ!」の運用
2021/02/20 22:20
嫌いの感情をどう使うか
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人は成長の過程で好き嫌いはいけない事として擦り込まれていく。嫌いの感情は生き物がもつ本来の感情で自分を守る意味では誰しもが持つものである。そのネガティブな感情を戦略的かつポジティブに捉えていくことで人生にプラスになるよう使いこなす方法を脳科学の観点から解説していく書。