がんりょさんのレビュー一覧
投稿者:がんりょ
紙の本
紙の本人質カノン
2002/02/12 14:09
もっとあたたかさを
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宮部みゆきの文庫書下ろしの短編集.各作品とも,短いせいか筆者の持ち味である人間味が書ききれていないように感じた.短編という長さの中でシリーズ物にしない限り,人間を書くというのは難しいのだろうか? だとしても,やっぱり宮部作品をよんだら心をあっためてほしかった,もう長くても良いので.
紙の本
紙の本Puzzle
2002/01/20 12:25
脱ミステリの試みは如何に
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既存のミステリを脱却しようともがいている作品かな。無人島で発見された3人の死体に関する謎を解明するミステリなんだけど、動機や死因などで、今までとは違う方向を目指していることは感じる。これが成功しているかどうかは微妙なところ。ただ、文章は読みやすくさらっと読めるので、既存のミステリに飽きてきた人は一度読んでみてはいかがだろう。
紙の本
紙の本サンタのおばさん
2002/01/20 11:44
大人のちょっといい話
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東野圭吾の作品「片思い」の中で、劇として作品名だけ登場したものを絵本化したらしい。女性がサンタになってもよいかどうかを世界中のサンタたちが議論するという内容で、大人のためのちょっといい話的な絵本となっている。ちょっとデキすぎかなと感じたのは、素直でなくなった私の心の問題かな。
紙の本
紙の本話を聞かない男、地図が読めない女 男脳・女脳が「謎」を解く
2001/11/16 19:43
そんなに単純ではない
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豊富な例で、男女のメンタル面での違いをわかりやすく解説してくれる。でも、その論理は結構ステレオタイプに感じた。狩猟民族の役割分担の話なんて、何でいまさらという感じ。まあ、話の種にはなるけどね。
紙の本
紙の本有栖川有栖の本格ミステリ・ライブラリー
2001/11/10 16:23
トリック、トリック、トリック
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有栖川有栖が編んだミステリのアンソロジー。新本格の担い手が選んだだけあって、トリック指向の作品が並んでいる。中にはこんなんありかみたいなトリックもあるが、そんな非現実性も楽しんでしまう、編者の包容力には脱帽。
同じ趣向で北村薫が編んでいるものとあわせて読むと、2人の本格に関する考え方の違いがみえて楽しい。
紙の本
紙の本北村薫の本格ミステリ・ライブラリー
2001/11/07 20:34
ミステリオタクのアンソロジ
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本書はミステリ初心者にはお勧めできない。
かなりディープなミステリマニアで、ありきたりのミステリには飽き飽きしている人だけに楽しめる作品集である。
どこから探してきたのかと思うくらいの珍品ミステリがずらりとそろって、レアもの好きにはたまらない。
紙の本
紙の本いつまでバグを買わされるのか 平気で欠陥商品を売る業界の内幕
2001/11/07 20:28
ユーザよ立ち上がれ
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Windowsが落ちるのは仕方がないと思ってませんか?
本書は、ソフトウェアの信頼性が悪いのは、ユーザが我慢しているせいだ主張している。ユーザが欠陥があるのに泣き寝入りをしてしまっているために、企業は信頼性にコストをかけることをしなくなってしまう。ユーザはもっとクレームをつけるべきで、バグを含むような製品は市場から排除することで、ソフトウェア業界も安心して信頼性にコストをかけることができユーザとともに幸せになるのだ。
紙の本
紙の本二人暮しのお取り寄せ
2001/10/26 19:34
秋元夫妻の味覚
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ご存知元おにゃん子の秋元夫人のグルメ本である。確かに、写真で見るとみんなおいしそうなんだけど、冷麺はその辺のスーパーでも売っている銘柄だったりしてもうひとつインパクトにかけるかな。お取り寄せ初心者には、無難なラインナップとはいえるかも。
紙の本
紙の本半七捕物帳 1 お文の魂
2001/10/17 10:25
やっぱりミステリの原点
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岡本綺堂の作品をはじめて読んだ。
今の作品に比べてしまうと演出的な要素が弱く感じるが今のミステリはこの上に積み重ねたものなのだから当然か。しかし、ストーリとしては今でも十分楽しめるものとなっている。
ミステリって何かということの本質を考えさせてもらった一冊。
紙の本
紙の本回廊亭殺人事件
2001/10/17 10:01
執念と計算どちらが勝つのか
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無理心中と見せかけて殺されそうになった女性が老婆に変装して、現場に踏み込んで真実を暴き復讐しようとする物語。女性の執念と犯人の計算。
この対決が最後どうなるのかが見もの。
紙の本
紙の本王国記
2001/10/03 19:07
倫理観がゆさぶられる
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「人間としてやってはいけないことってなんだろう。」
この本をよんで考えさせられた。
一人の人を殺しても子供を一人つくったからちゃら、という論理はむちゃくちゃだが、そういう考え方をする主人公にどこか引かれる自分がいて、空恐ろしく感じた。
芥川賞をとった前作『ゲルマニウムの夜』よりも危険な一冊であることは間違いない。
紙の本
紙の本プラトニック・セックス
2001/04/10 13:04
愛され方の下手な女の半生
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マスコミではショッキングな面だけがクローズアップされる本作だが,それだけにはとどまらず意外に読ませる。
タレントとして活躍している著者の幼年期から不良少女時代,AV時代を経て現在まで,さまざまなエピソードを通じて,とにかくいろんな人に愛されていることがわかる。しかし,彼女はその愛にうまくこたえることができずに落ちていってしまうのである。優等生だった少女が悪いほうに転がっていく様のドキュメントとして読み応えがあった。
最後に絶縁状態だった両親と酒を酌み交わすくだりで救われた思いがした。彼女の場合たまたま成功したが,同じような境遇で落ちたまま這い上がれない人たちがたくさんいるのだろう。
紙の本
紙の本山猫の夏
2001/03/23 13:01
南米の日本人策士の目論見はいかに
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船戸与一といえば,きな臭い外国での怪しげな日本人の物語.本作も期待を裏切らない.
南米のとある町,2つのファミリが常に小競り合いを続けている.語り手の日本人はそんな町で両家の緩衝地帯となっている酒場のマスタ.このマスタも怪しいが,主人公の「山猫」は日本人の癖に裏の世界で名が通っているという男.この男が町にやってきたことで,町がとんでもないことに…。
策士「山猫」が町を混乱させていく過程が面白く,ぐんぐん読み進められる.最終的に誰が笑うのか,結末はここではかけないが,ちょっと物足りなかったかな.
紙の本
紙の本凶気の桜
2001/03/22 18:49
映画化は絶対,押井守で
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全体的にヴァーチャルな感覚を感じさせる小説である.
若者の一途なバイタリティとそれを利用しようとするずるい大人たちの世界を描いているだが,ネオトウジョウと名乗る少年たちは,戦隊ものばりの,「戦闘服」を身に付けて,渋谷の町を暴れまわる.当然,暴力シーンが多く出てくるが花村萬月のようなリアリティはなく,少年向けアニメくらいのソフトさ.ハードな暴力が苦手な人でも楽しめる.
読んでいると映像化したくなる作品で,押井守あたりに映画化してもらうと美少年&ソフトバイオレンスで女性ファンがつくのではないだろうか.
紙の本
紙の本ジャンゴ
2001/01/12 19:09
愛=暴力
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「笑う山崎」「イグナシオ」「眠り猫」など花村作品は何冊か読んだがこれが一番強烈だった。
いきなり地下室での私刑シーンから物語が始まり、全編吐き気がするくらいのリアルな暴力描写が続く。
美しいヤクザの妹に手を出したばっかりに、伝説のギタリスト「ジャンゴ」になぞられて、指を失ったジャズギタリストは復讐の機会を伺いながらも、ヤクザの指示に従ってマネージャの故郷、九州に向かう。そこで待っていたものは、破滅への片道切符である。
結末近くで、無造作に行われているように見えた一連のサディスティックな行為の意図が明らかになったとき、せつなさでやりきれなくなった。