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霜鞍 佳さんのレビュー一覧

投稿者:霜鞍 佳

2 件中 1 件~ 2 件を表示

ようやく出た、本当のデジカメ本

11人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

朝日新聞be土曜版で連載されていたコラム『デジカメのキモ』をベースにして大幅加筆、ということになっているが、内容は完全書き下ろしのようだ。beでは、新聞の紙質やスペースの関係で、細部がよく分からなかった写真の数々が、カラーできれいに再掲されているだけでも嬉しい。多くの人は、まず写真を最後までめくりながら楽しむのではないだろうか。
今年、ニコンがついにフルサイズ(35mmフィルム1コマと同じ面積)の撮像素子を持つデジタル一眼を発表したが、今までの同社のデジタル一眼(撮像素子はAPS-Cサイズ)の約2倍の面積を持つCMOSに1200万画素、つまり画素数を「落とした」設計をしたことで話題になった。カシオも、今年出したフラッグシップモデルF1は、1/1.8型CMOSに600万画素に抑えている。メーカーもついに「高画素=きれいな写真」という虚構をこれ以上重ねていては、プロレベルのユーザーからは見放されると判断したということだろう。
本書は、プロカメラマンや業界人には「常識」であった「無用な高画素化が写真を汚くしている」という事実を、初めて正面切って指摘した点で、まず評価されることだろう。
しかし、本書の真価はそれだけではない。デジカメを使いこなすための様々なノウハウを、単なる羅列ではなく「考え方」「気構え」としてやさしく説いている。あまたあるデジカメ関連書籍の中で、これだけ読みやすく、また実効性のある内容のものは他にない。
筆者は「小説すばる新人賞」を受賞したこともある作家であるらしい。読みやすいのはある意味あたりまえかもしれない。
ハウツー本でありながら、読み物としても十分に楽しめる。
まえがきと目次がここで読める。

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紙の本鬼族

2003/01/12 10:50

この作品で一気にブレークか?

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

『黒い林檎』以来、待ちに待った鐸木能光の新作である。実は私は、この作品を3度、違う形で読んでいる。最初は文藝ネットから100部限定で発表された限定本。次は、この正式版が出版される前に『鬼族』公式サイト(!)で公開された無料立ち読み版(出だし100枚程度のPDF)、そしていよいよ発売となったこの正式書籍版である。
限定本は約300枚だったが、今回発表された正式版では600枚を超え、倍以上のスケールに成長している。内容の完成度は倍以上に高められた感がある。
出だしだけ読むと、ハリウッド映画のような純粋なホラーエンターテインメントなのかと思う人もいるだろうが、鐸木作品の常で、読後には深い印象が残る。『黒い林檎』もそうだった。息もつかせぬ力でぐいぐい読み進まされるが、読み終わった後は、哲学的とも言えるテーマを突きつけられ、しばらくの間、独特の充足感、心地よい疲労に包まれるのだ。
あまたの娯楽小説とは違うものを常に追い求める作者の志に拍手を送りたい。
文芸の危機、小説の不振が言われてすでに長いが、このような質の高い作品が出てくる間は、まだ日本の出版界も死んではいないなと思わされ、少しだけ安堵できる思いだ。
鐸木能光の作品は、純粋なミステリー(俗に「本格」などと称される作品群)とは違うし、ハードボイルドやホラーといった従来の娯楽ジャンルにもくくれないものが多く、今まで不遇な扱いを受けていたが、本好きを自称する人たちには、そろそろこの作家の存在に気づいてほしいものだ。

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