郁江さんのレビュー一覧
投稿者:郁江
2002/05/27 17:06
反論できますか
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サファイヤの瞳にルビーの指輪 そして全身を金で覆われた幸福の王子。だけど綺麗なのは彼の外見ではなくその心 彼はツバメに頼んで 貧しい人々に宝石と金を分け与えていくんです。納得がいかないのは 最後に宝石を失い金がはがれて みすぼらしくなった王子が捨てられてしまうシーンです。どうして王子に助けられた人々は気がつかないの? 王子とツバメの優しさに気がついたのは 一人の天使。綺麗なラストで大好きだけど、人間の鈍感さと自分勝手な所には少し頭にきました。表面だけで判断して中身をみていない。それが著者の考える人間観だとしたら、私達は反論できるでしょうか?
紙の本あかちゃんのうた 改版
2002/03/28 21:10
ふんわり
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淡いタッチで優しいいわさきちひろさんの絵と、本当によく合っていて“ふんわり”した一冊に仕上がっています。私のお勧めは「おつむてんてん」で、コレはこうちゃんが初めて立った瞬間を歌ったものです。最近は赤ん坊に歌っても分からないから無駄だと、子守歌を歌わない母親が増えているそうです。それなら、せめてこの本を読んであげて欲しい。
松谷みよ子さんは、母親が子供に語る日常語を文学語まで高めた人で、すぐれた画家の絵とあいまって 素晴らしい本が出来上がった。
紙の本まどから★おくりもの
2002/03/28 18:14
あの独特の絵がスキ
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トナカイが引くそりに乗ってやって来て、煙突から入るサンタはもう時代おくれになってしまったのか? この本に出てくるサンタクロースは、なんとヘリコブターでやってきます。文明が進むと、サンタも便利な道具が使いたいですよね。でも 手抜きをして、窓からプレゼントを入れるのは失敗でした。この絵本の楽しいところは、窓の切り抜きです。五味さんの得意とするところですね!! 次ぎのページを開くとあっと驚く結果が…。
紙の本ふたりのイーダ
2002/03/22 21:53
読みにくいけど心に残る1冊
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松谷みよこさんの作品の中で、最も読みにくいけど心に残る1冊。戦争をテーマにした話で、全体的にちょっと不気味で重い雰囲気なんだけど、なぜか気になる本なんです。私自身小学校の時に初めて読み、もう何度読み返しただろう…読む度に違った思いを与えてくれます。
大切に扱えば物にも魂が宿ると言われますが、作中に出てくる古い小さなイス。主を探してもう10年以上の日々を、空っぽの家の中を探し回っているんです。誰も住んでいない家を歩きまわるイスなんてホラーなんだけど、イスの想いが痛くて、すごく切なく、そして苦しい。
だけど最後「良かったね」と声をかけてあげたい。
2002/03/22 13:58
切なく物悲しいそんな一冊
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この本ほど多くの人に読まれた作品はないのではないでしょうか? 「星の王子さま」。例え読んだ事がなくても、あのどこか寂しげな少年の挿絵を1度は目にしたことがあるハズです。
火山と花しかない、小さな星に生まれた王子が旅をしていろんな人に出会い、成長していく話です。「大切なは目に見えない」本当に大切なモノを王子は見付けることができました。ラストのシーンは印象的で、そして切なく、物悲しい…この本を読んで湧き上がってくる気持ちは、とても言葉には表すことは出来ません。だけど綺麗で暖かい、そんな後味のいい本です。
2002/03/22 13:39
是非一家に一冊
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対象年齢は幼児ですが、大人になってからも楽しめる一冊。是非一家に一冊「ぼちぼちいこか」を!! なにかと忙しい現代社会において、このくらいの“ゆとり”が欲しいものです。
内容は主人公のかば君が、自分に合った仕事を探す物語…そう言えばドラマで取り上げられて話題となった「グルンパの幼稚園」に雰囲気が似てますね。だけと私のお勧めはこちら。
本当に独特の挿絵とまた翻訳が素晴らしいんです。カバ君の絵と大阪弁がすごくマッチしていて…ゆったりとした気分になれます。就職活動中の方、小さいポケットサイズの本ですので、一冊鞄にどうですか? 焦りが和らぐそんな一冊デス。
2002/03/18 14:57
可不可の世界
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カインが療養の名目で訪れた別荘地では、吸血鬼を思い起こさせる猟奇殺人多発していた。夜な夜な起こる犯罪劇…彼女は本物の吸血鬼なのか? 彼がその目で見た真実…それはあまりに残酷で悲しい物語。カインとリフの名コンビがおくる伯爵カインシリーズの第3作。今回は途中でどうなってしまうのか心配する場面もありましたが、ラストの2人のやりとりがお気に入りの1冊。
カイン−それは人類最初の親殺しの名前。シリーズを通してカインの過去やりフとの出会いも明かになっていきます。
紙の本失はれる物語
2004/08/01 10:32
切なくて痛い
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乙一さんの最新作と思って 喜んでいたら 実は旧作品の焼き直し…正直読む前は、少し凹んでしまいました。しかし早熟の天才乙一氏 17歳に書いた小説「夏と花火と私の死体」で賞をとっただけ あって旧作品も読み応えありでした。
私は早熟の天才という言葉を聴くと どうしてもSキングの存在を思い出します。彼も「死のロングウォーク」という作品をまだ 学生のときに書きあげたらしいです。それでか なんとなく 私の中で キングと乙一さんがダブるんです。どちらも 予想のつかない展開と実際にはありえないSF的要素そして ホラー色の強い作家さんですよね。
この作品は 短編集で 私のお気に入りは 1つ目の「Calling You」心の携帯なんてありえない と思いながらも 主人公の寂しさ 切なさ そして話の展開に引き込まれていきます。ラストは切なくて 痛いんですが、そこがまた乙一さんの作品らしくて好きなんです。また 主人公の視線でどこか淡々と語られる物語が 彼の魅力ですね。
紙の本四季 秋
2004/07/17 18:18
すでに大満足
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この本は四季〔春 夏 秋 冬〕4部作の3作目に位置する物語で、結末ではないこの秋で 作品を評価し書評を書くのはどうかと思われるかもしれないが、あえて言いたい。私はこの本が好きだと…たとえ全ての謎はとけてなくても 私としてはすでに秋で明らかにされた 物語の構成。同作者の NシリーズとVシリーズの接点 時代設定 これだけで正直驚き 満足している。勿論 冬もこれから読むつもりだけと 秋を越える衝撃を作者はきっと用意していてくれると私は信じている。
作者 森氏の言葉は 一言でいうと 整っていて すごく綺麗だといえる
ミステリーという分野 だけでなく エッセイなどを読んでいても良く分かる 言葉一つ 一つに 彼のこだわりが透けて見える。
2003/11/26 12:02
爽快な気分
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マレー鉄道の謎に続き お馴染みの火村とアリスのシリーズ
今回は中編4作品となっています。私のお勧めはタイトル作品となる 4番目に収録された「白い兎が逃げる」です。4作品の中でもっとも長く読みごたえがあり、いつもアリスの視点で描かれるこの物語のなかで めずらしく犯人側の視点も入り 作中いろいろな視点で物語が進められている趣向も楽しめました。
そしてなによりラスト 意外な犯人…張り巡らされた伏線が一つに繋がっていくのは読んでいて爽快な気分になれます。私は正直長編の方が好きなんですが。この本は 立て続けに4つ質のよい中編を楽しめて大満足です。ダイニングメッセージあり 逃亡中のテロリストが出てきたりと 様々な展開が発展し読みごたえがありました。そしてこのシリーズのなによりの魅力である 火村とアリスのやりとりも勿論 健在です。
紙の本マラケシュ心中
2003/11/07 20:36
純愛
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心中という言葉には独特の意味がある。好きな人と一緒に永遠の眠りにつくという行為は 自殺という背徳とどこかロマンテックな終わらない恋…
この物語は 泉と絢彦の2人を軸に進んでいく。2人とも女性であり 同性愛をテーマに 純愛を描く。勿論キレイなだけの話ではない 裏切りもあり葛藤もある 幸せもあり 奈落の底を味わう場面もある。痛いくらいの絢彦の気持ちがこっちにも伝わってきて 読んでいて辛い場面もあった。
人を愛することの切なさを味わえる1冊
紙の本光の雨
2003/06/28 19:56
私達はどちらを選ぶのだろう
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浅間山荘であった事件のとこを 私は知らなかった。「革命」という言葉を聞いても 私達には今イチ ピンとこない。どこか遠い世界の話のように思える。しかし 自己批判 総括 の名のもとに、次々と十四人の同志を惨殺した連合赤軍事件は決して、遠い昔の話ではないのだ。 そしてなにより 戦争という行為を例に挙げるまでも なく 集団心理の恐ろしさというものがそんなに簡単に変わるものではない。
この話はフィクションであるが 浅間山荘の事件を題材に、多くの事実を織り交ぜて作られた。読んでいるとあまりのリアリティの高さに怖くなる。もし自分がこの場にいたら…と思わずにはいられない。
人の命は 重い。だけど自分の命と比較したとき 私達は一体どちらを取るのだろうか。感覚は麻痺するものである。人間はどんな環境にも自己防衛の為に慣れるという。特に集団とは人の思考を狂わすという。
事件は起こる いつだって…私達は多くの 事件を知り。悲劇を繰り返すことを
避ける努力をしなければならない。
この本が一つのきっかけとなればと思い。ここに紹介することにした。
紙の本わにのスワニー 2 しまぶくろさんといわだぬきくんの巻
2002/08/27 11:05
微笑ましい
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わにのスワニーシリーズ第2弾。今回はスワニーが友達のいわだぬきくんの家で遊んだお話。夕方になってお別れしないといけないんだけど、お互いに家まで送り合ってなかなか別れられないシーンが 私はもう大スキです。そういう時ってありますよね。ほのぼのとしたお話に またあべさんの絵がよく合っていて…ほんとに微笑ましくて 読んでいて 笑顔になれるシリーズです。なにかと忙しい毎日の中で 時にはのんびーりした気分になってみませんか?
紙の本姑獲鳥の夏 文庫版
2002/07/31 19:54
その厚みが愛しい
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彼の本は とにかく厚い…多分 シリーズ第一弾のこの「 姑獲鳥の夏」が1番薄いくらいです。そしてシリーズを重ねるごとに驚くほど分厚くなる。だけど心配はいりません 一度読んで彼の作品 その登場人物にハマってしまえば その本の厚さが愛しくなります。2冊に分けるより 1冊でこの値段の方がお買い得だし 上下巻のように 次の発売日まで 続きを気にして悶々と過ごさなくてすむんです♪
事件の解決も然るコトながら 私が何より好きなのは京極堂と関口さんのやりとりデス。本当にいいコンビです。
紙の本宇宙のひと粒
2002/07/31 18:54
抱きしめてくれる
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誰だって 壮大な宇宙からしたら ちっぽけな存在。小さな小さな宇宙のひと粒。
だけど そのひと粒がいろんなことを考えて 毎日 泣いて・笑って・怒って生きてます。悩みごとがある時って、自分のことばかり考えていて まわりがまったく見えてないんですよね。だから解決法も見つからない。自分が一人ぼっちに思えても 実は自分は宇宙に地球にそして日本に 所属しているんです。地球から落ちないように 引力という見えない手が 私達を抱きしめてくれているんです。
生きているという実感が感じられない時 思いっきり走ってみて下さい。心臓がドキドキして 息が切れて 生きているって実感できるから 案外簡単なことなんです、生きているって実感することは だって 私達は今 この時間を 確実に過ごしているんだから