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okiさんのレビュー一覧

投稿者:oki

8 件中 1 件~ 8 件を表示

紙の本夕凪の街 桜の国

2005/05/08 01:37

「はだしのゲン」の横に置こう

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

新聞の書評欄でまず存在を知って、「あ、この本チェックだ」と思った。脳裏に、図書館で意外なほど熱心に「はだしのゲン」を読んでいる、中学生達の姿が浮かんだ。
近所の本屋で現物を見つけて、こんなマイナーそうな漫画を店頭に置いているなんて、スゴすぎる!と感動した。いや、普段からハズさない優れものの書店なんだけど、改めて。もちろん速攻で購入。でも、あまりの薄さとお値段に、これで良くなかったらどうしてくれよう・・・とちょっと思う。
読後・・・本の仲間に一所懸命宣伝中。
「夕凪の街」は、被爆後の広島で、かろうじて生き残った一人の女性のお話、「桜の国」は、彼女の弟の子供達のお話である。どちらも、明るく生きようとする登場人物達の、ほのぼの淡々と描かれる日常に、隠れ潜む不安が、たまらなく切ない作品だ。
どこか遠い問題に感じる人こそ、「桜の国」を読んで欲しい。首都圏で生まれ育った戦争を知らない子供達が、老いた父を追って広島を旅する過程を、一緒にじっくり読み取っていただきたい。同じものを見ていても、当時を知っている父には、子供達とは違うものが見えていた・・・漫画ならではの対照が、胸に迫る。こんな風に、きっと私達にも、知らない、わかっていないことがあるのだと・・・それにぜひ、気付きたい。
「はだしのゲン」は、その臨場感あふれるインパクトで、今も読者を離さない。この漫画は、今の日常を、いつの間にか「あのヒロシマ」に絡めとる。
どちらも読んでおきたい本であり、図書館には必ず置いておきたい本だと、思った。

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たかが紙の上のこと

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

今回のキーワードはこれですかね。
「たかが紙の上のことに、知性を持ったいい歳の大人が我を忘れて、みっともないったら!」というのが、漫画に入れ込み過ぎて家庭を捨てた父を持つ(v_v;)少女の台詞。あまりの鋭さに斯波キングを一発で沈めたこの言葉を、病院から抜け出して漫画博物館に出没するおじいちゃんこと金魚屋店長も口にします。
「たかが紙の上のことだよ。我が子の方が大事に決まっているじゃないか」
そう言いつつも、彼が久しぶりに再会した父子に渡したのは、1通の封筒に入った拙い漫画の原稿でした。「金魚屋さんありがとう」というタイトルのそれは・・・。やられました。思わずもらい泣きしました。
「そう、たかが紙の上。だからこそ、何でも起こりうる。無限の可能性を秘めている」
さすが店長、普段いなくても店長、斯波の師匠。あのダンジョンの制作者だけはある、名言です。

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いまだかつて、こんなにするする読めちゃう法廷ものがあったでしょうか…。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 ジョン・グリシャムを読んだらあまりの専門用語の多さに50ページで挫折し、裁判を傍聴したら途中で寝てしまう、そんな作者が、ややこしい言い回しをできるかぎり抑えて書いた法廷ライトノベルです。実は中学生に教えてもらいました。この調子の表紙にあのアオリ文句で、果たして大丈夫か?とか思いながら読んだら…いや面白かったんですよ、これが。
 予備審問に陪審制度が導入され始めた近未来。刑事や検事を挑発して挙げ足をとるのが大得意の、傲岸不遜な弁護士・山鹿善行の元に、ある日、幼なじみのはとこ水澄雪奈から、一本の電話が入りました。「助けて、お兄ちゃん…」本人を知る百人が百人「人を助けることがあっても殺すなんてことは絶対ない!」と断言するような筋金入りのお人好しが、殺人で逮捕? 馬鹿も休み休み言え! てなワケで、彼は勇んで弁護に乗り出したわけなんですが…。
 冤罪を晴らす為にはどんなあざとい手も使う善行さんの、法廷での役者っぷりと、プライベートでのヘタレっぷりの落差が大変微笑ましいです。脇を固める登場人物も皆さんユニークで、特に探偵と中学生から見た善行と雪奈なんて、想像すると笑いが止まりません。
 実際にはあり得ない強引な展開と見せ場には、痛快感を感じる一方で、もし被告がまかり間違って実は殺ってたりしたら笑えないものがあるのですが、その辺を心配してしまう人はぜひ次巻もどうぞ。善行さんの本性がもう少し洩れかけてて、私はなんだか納得しました。
 ところでイラスト可愛いけど、表紙といい挿し絵といい、本文とかなり違ってますよね。これってわざと?

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紙の本チャボ物語

2004/12/07 11:04

私はコレを読んで、かなり本気でチャボを飼いたくなりました。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 かつて平凡社が発行していた動物雑誌「アニマ」で連載されていた珠玉のエッセイです。いわむらかずおさんは「14ひき」シリーズで知られている絵本作家ですが、実は絵本よりエッセイの方が断然面白いんですよ。
 田舎暮しと共にチャボを飼い始めた作者が、「これがなかなか面白くて」と書き始めたような観察日記。絵本には出て来ない素の観察眼で、一頭一頭個性的なチャボ達の姿を淡々と綴っています。もちろんお得意の暖かみのある絵が付いています。
 オスのリーダー争いも母さんチャボたちの子育ても面白いんですが、なんといっても「食うべきか食わざるべきか」の章でしょう。オスが多くなって落ち着かなくなったチャボの群の鶏口調整の為、「つぶして喰えばいい」と言われたけれど…。必読です。とどめが、卵確保の為に加えた家畜色の強い品種の鶏達との比較。ここまで来ると、すっかり「チャボってこんなに魅力的な生き物だったんだ…」と洗脳されていることでしょう。庭があったら絶対飼いたくなります。ただし、生き物を飼うには責任を伴いますので、衝動的に走らず、よーく考えてから決めましょう。増えたオスの処分の算段もお忘れなく。
 そうそう、マンガ「動物のお医者さん」のヒヨちゃんの姿を思い浮かべたら、頭が少し冷えるかも。

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難しい年頃の子供達と、彼らに接さざるをえない大人達の為の必読本

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 薄い絵本の形をしたマンガです。表紙は可愛いんですが、中の絵は…ムニャムニャ。しかし、とにかくスグ読めるので、忙しい人でも、字見るだけで吐くという子供でも、ふっと手に取って思わず読んでしまうところが、大きなポイントです。
 「マージナルマン」の概念そのものは昔からありますが、これに絡めて思春期特有の状態と対処法を、ごくごく簡単にまとめています。「あるある、うち今まさにコレ」という状況が載っていて、「読んでごらん」が受け入れられやすいマンガという形で、その後「なるほど、君の中には虎がいるのね」などと、話の糸口にまでなったりして。
 特に中学校では、1冊は図書館にでも置いて、皆に読んでもらいたい本です。

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子供が音読したら大人は伏して聴くしかない言葉でしょう

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 まず、状況を想像してみましょう。このスピーチが行われたのは、世界規模の国際会議・環境サミットの会議場。議事進行中ではないにしろ、一堂に会したのは、世界各国の代表達。代表というからには、社会的に認められた、いい歳をした立派な大人達ばかり。その大方公費でやって来たんだろう面々の前で、カンパによる自費でやってきた、子供環境団体の代表の「子供」が、こんなスピーチをします。
 いやもう、勝てっこありません。
 何一つ言い返せません。
 聴いてる大人達は、茫然自失だったでしょうね。原点を喉元に突き付けられて。なるほど伝説にもなるだろうという、名スピーチです。
 確かに、子供だからこそ要求できる内容ではあります。大人になってしまった者には、イタイ限りの言葉です。ただ、何年も前のこのスピーチが、今でも十分爆弾のようなインパクトを落とせるという、この世界の現状はナンなんでしょうね。
 ぜひご一読の上、知り合いのティーネイジャーに音読させることをお勧めします。
 これ読んで痛くないオトナは、現在進行形で努力の限りを尽くしている人か、とても鈍い人のどちらかだと思います。

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紙の本ねんどの神さま

2004/11/13 22:51

ブラックです

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 「あ、さし絵武田美穂さんだ〜」と軽い気持ちで買ってみたら、結末がモノスゴク「黒く」て、背筋がゾ〜ッとしました。大人は必読です。読んで我が身を振り返りましょう。
 お話は、第二次世界大戦終戦直後、ある日の図工の時間に、小学生のケンちゃんが、粘土で「神さま」を作ったところから始まります。「せんそうをすすめたり、ぶきをつくったりするひとを、こらしめてくれるかみさま」。これはいい、と校長室に置かれて話のネタにされていましたが、やがて年月が経ち、「かみさま」は廃校になった学校の物置きに打ち捨てられていました。…そして。
 ゴジラかい!という突っ込みもありましょうが、まずは最後まで読んでみて下さい。終わって「え? こう締めちゃうの? いいの? いいの?」な気持ちを、ぜひ味わって下さい。
 そして「子供の本、侮りがたし!」と思った方は、「あなたが世界を変える日」なんて読むと、さらに唸っちゃうことでしょう。大人も日々精進です…。

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全ての漫画愛好家に捧ぐ

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「ああ…俺はナゼ、紙にコマ割って絵描いて文字打ってインクで刷って束ねて片側止めて表紙をつけただけの物にこんなに人生を奪われているのだろう」
 話中に出てくる、小さな古書店の若い店長のこのセリフが、全てを物語っています。似たような感慨を経験したことのある全ての人に、お勧めしたい漫画です。
 金魚屋は、「こんなところにこんなお店あったのか」な存在感の、地味な古本屋。しかし実は知る人ぞ知る名店で、新古書店とは趣の異なる、マニア向けの古漫画店です。そこに出入りする一筋縄ではいかない常連と、漫画に導かれるように迷い込んでくるフツーの人々が織りなす、暖かくて切ないお話の数々。
 例えば、第1話。ケータイ世代の中学生の女の子が初恋におちた相手は、亡くなった父の本棚にあったマンガの主人公。哀しい瞳をして宙を疾ける、その少年の名は「島村ジョー」。既に作家も逝き、ファンレターを書く宛すらない彼女が、「金魚屋」で見つけたものは。
 必読が第6話。幻の漫画が、打ち捨てられた物置きから発掘されるが、その本が抱えていた、懐かしくも哀しい思い出とは…。
 いずれも、お話はフィクションですが、実在の漫画を題材にしています。話と年代によっては、余りの懐かしさに涙が出るかも。
 ちなみに貴方は「好きな人と好きな本が今にも崖から落ちそうになっていたら、どちらを助けますか?」 迷う人も迷わない人も楽しめる作品です。

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