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*K*さんのレビュー一覧

投稿者:*K*

4 件中 1 件~ 4 件を表示

紙の本名乗れ!今こそ大英雄

2005/07/22 18:44

遠い冒険の日々と、明日の冒険の日へ。

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「わたし」は、未練などないからと、十数年前から納戸の片隅に放り出したままの旅仕度を目の端に捉える。ほんの一瞬。それきり、慣れてしまった仕事に戻り、昼に聞いた「彼ら」の活躍などは、使わなくなった道具のように放り出したつもりで、頭の片隅に、瞼の裏に、胸の奥に、「わたしたち」の旅がちらつく。
ソード・ワールドの「オールドファン」などと称する、わたしのような古い愛読者には、そんな面々がいるように思う。この作品は、いわゆるライトノベル系のレーベルから出ているものの、「小説」ではない。「リプレイ」という、ゲームのプレイ結果を演劇の台本様の体裁で書き起こした架空世界のドキュメンタリである。
二十年近くもの歴史を持ち、主にアメリカ製である「RPG」というゲームのカテゴリで、国産としては既に古典となった今もメジャな「ソード・ワールドRPG」の、公式の「プレイ記録」が、このリプレイだ。
これは、ゲーム開発者側が提示している「公式」の作品であるが、ゲームのファンは、自ら冒険を架空世界で楽しんでいる。自分達も、仲間とともに街道を歩き、古代遺跡を廻り、妖魔や邪神の狂信者と戦った「記憶」と「経験」を持っている。
半数は、まだ冒険に出たばかりか、近く冒険に出ることを夢見ている若者だ。残る一部は、既に歴戦の勇者であり、現役の冒険者で、わたし自身のように冒険の旅を終えて、街で暮らしながら、時折伝わってくる若い後輩達の冒険に、少し後ろ髪を引かれたりもする。(つまり、楽しみと同時にゲームの資料も兼ねて手にする読者が想定されながら、ゲーム経験がない読者、実際に人間が集まって長時間を費やしプレイするため、大人になって、機会を失うファンが結構いる)
6番目に該る本シリーズは、今巻で堂々の完結となった。
それも、本来「最終巻」である前巻収録分において、登場人物である冒険者一行に、著者も予測しなかった大事件が起こり、結末が先延ばしとなったためだ。小説のような通常の創作と異なり、著者の意向だけで登場人物の言動はコントロールできないし、ましてや発生する事象となると、現実の未来と同じくらい不確定だ。
その剣と魔法の世界のドキュメンタリも、一旦の終了。もちろん、キャラクタの人生は続くのだろうが、物語は一応の完結となる。
だからこそ今、一緒に彼らの冒険の旅を眺めてきた我々の仲間ではなく、まだ見ぬ方々にぜひ、1巻めから手にとって欲しい。
この作品の彼らのように、日々の食事代にも事欠く新米冒険者から、「大英雄」を目指せる場所がソード・ワールドの世界。
近い、あるいは遠い将来、あなたが彼らの旅した大陸の英雄となる日を願って。
「わたし」は、もう冒険の旅に出られる機会が、ほとんどゼロに近いことを知っている。
若い英雄達の活躍も、懐かしく思い出す日々の引き金にしかならない。
けれど、この「大陸」では時折奇跡が起こることも知っていて、いつか、昔の仲間が、あるいは偶然知合う誰かが、遭遇する事件が、「わたし」を旅立たせる予感も消えない。
かつて冒険の日々に共に戦った風の精霊が、決している筈の無い場所…陰る納戸の奥で、

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定形外フェアリィテイル

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 規定の型を外れているのは、その描かれた世界の未来的な様相の所為ではない。
 鼠でも何でも良いが、哀れな姿に身を窶した王子が不運な少女の随伴者となり、知恵だとか、無力ながらに不思議な技をもって旅を支え、苦難に耐え、悪い魔法使いか何かを滅ぼして幸福に結ばれる。
 おとぎ話というのは、そうしたものでは無かったか。

 少女は幼い娼婦。
 黄金の鼠は人語を解し、様々な道具に姿を変える。魔法では無く科学によって、ではあるが。
 そして、悪い魔法使い…あるいは、邪な王、醜い悪魔であるべき男。
 ただ善良であるだけで道が開け救いの手が差し伸べられる、おとぎ話の殻を割ってみれば、少女娼婦の名に選ばれた孵りかけの雛鳥がグロテスクにこぼれ落ちる。
 現実と変わらず、一切が勝手良く片付けられることはなく、問題は常に不完全に解決する。すべてが、希望だけで上手く運ぶことなど無い。教訓にもならない、有り触れた光景の描写である。それが魔法の世界と変わらない、どこか見慣れた光景も残した未来世界であるとしても。
 鼠は、詰まるところ鼠に過ぎない。
 少女は、少女に過ぎない。
 魔法使いは万能ではない、そうであれば、導く者や少女が希望を抱くことさえも無く、万事が彼の思いのままに済むのだから。
 世界や人々や正義や理想のためではなく、少女は少女自身のために戦った。
 幸福の幕の陰に、あらゆる実際が翳ることもなく、装飾を払ってみれば、あまりに身近で現実的な骨子を露に、悲しみや後悔を抱いて、それでも勝って生き残るための、おとぎ話に似た物語。

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ご注意を!

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

既にネットなどの騒動で、多くの方が御存知と思いますが、58巻初版及び、改善が期待されていた2版でさえも、「周囲に無駄な余白が残った状態」です。
編集過程でのトリミング位置が間違っているものと思われます。
初版のフラゲ情報で知り、2版目待ちをしましたが、未だに直っていない部分があります。
出版社に乱丁・落丁と同じように問い合わせましたが、何故か交換には応じてもらえないようです。看板作品なだけに、適切な対応が成されるものと思いましたが、アナウンスがされないばかりか、そもそも「問題ない」と云う判断のようです。
購入を急がない方は、様子見をされることを勧めます。
また、書店さんから出版社に要望を出してくだされば、少しは影響があるかと思うのですが…

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英雄の帰還!

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 文庫版4巻の待望の復刊に続いての「バブリーズ」復活。ソードワールドのプレイヤーなら、このリプレイのためだけに買っても、けして損はないはず。
 国産スタンダードである同RPGの現行バージョン、「完全版」以前での、最後の公式リプレイシリーズだった。彼らの冒険こそが「完全版」を作ったと言っても過言ではないだろう。過去のリプレイや、その後発表されたシリーズでも見られないルールを熟知したプレイヤーのセッション。
 復活を祈る声は、これが単なる小説ではなく「リプレイ」であったため諦められかけてきた。実際にセッションを行なわなければ、ドキュメンタリーであるリプレイは執筆できないからだ。そのプレイヤー達を再度集結させるのは、困難だろうと読者たちも推測していたが、遂に念願が叶ったわけである。
 今回の冒険は、リプレイ完結後に発行された短編集でのエピソードを挟んで後、ということになっている。「バブリーズ」一行の、傍若無人・傲岸不遜な快進撃は健在だった。 
 このリプレイシリーズは、ゲームを遊ばずライトノベルとして楽しむ読者も少なくないと聞くが、ルールや常識に親しんでいれば、余計に彼らの「イレギュラーさ」が際立つ。 
 ともかく、ソードワールドに少しでも惹かれる方は、読むべきだ。

 勿論、3号目として各種記事も、どんどん充実してきた。
 入手困難になってから探し回るより、ぜひ今、手に取ってほしい。

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