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  3. こぶたさんのレビュー一覧

こぶたさんのレビュー一覧

投稿者:こぶた

62 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本月と陽炎

2011/04/29 16:53

善と悪のはざまというより

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

13歳の時少女を連れ去った男と少女を切り刻み想像上の魔王にささげた少年康平。十数年後、最新の心理療法を受け更生への最終段階にある康平はとある町で働きながら静かに暮らしていた。が、そんな街では若い女性が失踪する事件が起き、いやがおうなしに康平は事件に巻き込まれていき

静かに始まった物語は
だんだん暴走し始め
テロ事件にバラバラ殺人に
物語の最後には康平を養子に迎えた神父の秘密や
更生プログラムになぜこの街が選ばれたのか、
更生プログラム自体にも隠された秘密がありと
話しは大きくあっちこっちに動き
たくさんの人が死に
何の救いもないまま話は終わる

本に書かれている惹句には
善と悪、二つの狭間で揺さぶられる魂の慟哭とあったが
いやいや、善は全く感じられず
洗脳のにおいがプンプンし
結局悪と悪のはざまで慟哭する魂と言った趣で
今までの三咲作品の虚無が漂う殺伐とした雰囲気が消え
ただ無機質な雰囲気が漂っていた。



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人と犬のきずな

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

浪江町を襲った地震と原発被害に
翻弄され離れ離れになった犬ごんたと石沢一家

警戒立ち入り禁止地域となった町をさすらうごんたは
保護団体にレスキューされ
離れ離れになった家族探しを経て再会できたものの
そのごんたの体を大きな病が蝕んでいた
優しい預かりさんのもとで
治療を受け
最後の日々を過ごす

地震さえ起きなければ
きっと平凡だけど幸せな日々を過ごしていたはず。
離れて暮らしていても
きっと心は繋がっていただろう
石沢一家が再起していく姿を
見届けた
ごんたは安心するように空へと一足先に旅立っていった

犠牲となった人々や動物たちに心から祈り
一刻も早い被災地の復興を願う

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紙の本からくりがたり

2010/08/31 09:01

反転する物語なのだが

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

自殺した青年の日記に登場する女性たちはなぜ毎年殺されていくのか
妄想とも悪夢ともなんとも形容しがたい雰囲気で物語は進み
ミステリーなのかと思えば
そうでもなく
物語の終わりは
それは無いだろうという感じで
せっかく途中までミステリアスに物語が進んでいただけに残念であり
読み終えて振り返ると
内容全体が浅かった
西澤作品ファンとして少々がっかりな一冊だった

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紙の本魔法使いの弟子たち

2010/07/21 11:17

異端者としての哀しみ

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

待ちわびた井上夢人の新作。
原因不明の感染症で奇跡的に命を取り留めた者たちは
超能力という後遺症が残ってしまった。
そして異端視され虐げる者が
つかさどる破壊的な力と
エンドレスで繰り返されるだろう物語。
サクサク読めたし読みごたえがあったが
やはりこういう形でしか物語をまとめることができなかったのが
なんだか消化不良。
もっと違った形で終結できなかったものか・・・



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紙の本深く、暗く、冷たい場所

2011/04/29 16:32

少女が大人になる物語

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

屋根裏部屋で見つけた1枚の古びた写真。写っているのは子ども時代の母親と伯母と、もうひとり。母親も伯母も「覚えていない」という写真に、どんな秘密が隠されているのか? 夏休みをおそった「ゴースト」ストーリー。

13歳の少女アリが
湖近くのコテージで伯母と従妹のエマと一緒に過ごす夏は
アリが少女からおとなへと一歩踏み出す夏になった。

雨が降り続く肌寒いコテージ
アリとエマのもとに現れる少女シシーとは何者なのか
物語の初めは
陰鬱な雨と暗闇の恐怖を感じるホラーだったが
シシーが登場してからはゴーストストーリーになり
話が進むにつれわたしの読解力不足なのか
作者がどの方向に物語を進めていくのかわからなくなり
本を閉じてからこの物語は
少女が大人のステップを上る物語だったのかと納得した。

湖で起きた悲惨な出来事から
母は何かを恐れ不安のあまりアリのすべてを干渉し
すべてを禁止する
父は神経衰弱気味の母を気遣うばかり
芸術家の伯母はエキセントリックで
従妹のエマは甘えん坊で
シシーが現れると突然どうしようもなくわがままで嫌な子になってしまい
そんなエマの世話に疲れ切り
物語の後半は幽霊に付きまとわれ
アリの孤軍奮闘ぶりに本当に同情した

物語の題名がすべてを物語っているのだけれど
中途半端なゴーストストーリーなのが残念
こういうお話ならもっと抒情性がほしかった

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紙の本薔薇を拒む

2010/07/20 20:32

ただならぬ気配の物語

5人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

静謐で
美しく
物語はただならぬ気配を漂わせたまま
進んでいき
物語の終わりで
思わぬ展開を見せ
タイトルの意味が腑に落ちる。

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紙の本あなたに贈るX

2010/08/31 09:10

美しくて苦い物語

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

近未来
唇を合わせることで死に至る病が流行し
唇を合わせることは禁じられ
山奥にある純潔が尊ばれる全寮制の高校に入学した美詩の
憧れの美しい先輩がその病に罹り死亡する
先輩を死に至らしめたのはだれか
美詩は友人と調べ始めるのだが。。。
登場人物は皆個性的で
美しい
物語の終わりは予想がついたものの
悲しく切なく
近藤作品らしい後味の悪さが苦さとしていつまでも残る
そんな一冊だった

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紙の本ストーリー・セラー

2010/08/22 15:06

有川版ある愛の詩

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

雑誌ストーリーセラーに発表されたSide:Aと新たに書き下ろされたside:B
どちらも女性作家とそれを支える夫の物語。
side:Aもside:Bも愛する夫のために物語を紡ぎ続ける作家と
夫の誰も入り込めない二人だけの日々がつづられる。
思わぬ病や事故でいくら愛しあっても早く別れなければならない夫婦もいるし、家族だからこそ憎しみ合う複雑な人間関係で悩む現実は
小説だけでなく存在する。
この作品がどこまでが創作でどこからが実話なのか
知る由もないが
泣けるほど感動する物語ではなかったけれど
さすが有川浩、
話の展開はうまく物語に引き込まれていった。
読み終えて思うのは
これは有川版「ある愛の詩」ではないかと・・・
本の装丁が美しく
この作品が妻から夫への贈り物と教えてくれる

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紙の本少女たちの羅針盤 新装版

2011/05/05 22:08

過去をめぐる物語

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

短編ホラー映画の主演女優としてロケ現場にやってきたマリア。
そこで監督から意味ありげに言われる「きみ、羅針盤にいた子だよね」
伝説の女子高生演劇ユニット「羅針盤」
4年前メンバーの一人が亡くなり活動を停止した。
マリアはメンバーを殺した
過去と現在を交互に描き
「羅針盤」の誕生とその栄光ある活動と
メンバーの死の謎に
話は進んでいく

女子高校生たちのはじけるような若さと
眩しいようなひたむきさ
そして手につかんだと思ったものが
するりと抜けて手の届かないところにいってしまった喪失感
彼女たちの友情と誠実さ
そして犯人マリアの狡猾さや自己中心的な考えが
メンバーを死に追いやったと知った時の彼女たちの憎しみと赦し
ミステリーであり
青春小説であり
心に残る一冊だった

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助けてやってください

15人中、15人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

東日本大地震の後起きた福島原発事故のため
福島第一原発施設から20キロ圏内の住人に
避難指示が出され
犬猫、牛馬など家畜はほとんど取り残されることになった。
この本は3月30日から個人で現地へ入り
犬猫、家畜のボランティア活動を行うカメラマンが
3ヶ月間撮り続けた動物たちの姿が収められている
この本を見ると
犬猫より家畜のほうがむごい目に遭ったことがよくわかる。
飢えて喉の渇きのため
何者かが柵を放したことで沼にはまりそのまま死んでいる牛たち、用水路にはまって命を落とした牛たち
厩舎の中で立ち上がれず死んでいく牛たち、馬たち
生きのびてご飯を与えられた次の日に殺処分になった豚たち。
命を終える時は人の食を支えるはずが
後手後手に回る対応のために
あまりにも残酷な死を迎えさせることになってしまったことを国も東電もよく考えてほしい
飼い主たちはすぐ戻れると思っていたのに違いない
戻らぬ飼い主を待ちながら
誰もいない自宅で繋がれたまま命を落とした犬たち
腐った魚を食べ死んだ猫たち
野犬と化した犬たちに襲われながら
自宅で一緒に暮らす鶏や牛を守り大きな傷を負った犬
一緒に暮らす鶏に自分のご飯を譲る犬
動物愛護団体がボランティア活動を続けてくれているけれど
一日も早く飼い主さんに合わせてやりたい
できれば一緒に暮らせるように心から願う
なぜ罪のない動物たちがこんなにむごい目に遭うの
他の原発もこういう事態に陥る可能性がある
その時同じような目に動物たちを遭わせることのないように
犬や猫は是非同伴避難できるよう
行政はこの震災を教訓に考えてほしい
今もまだ助けを待っている動物たち
命を落としていった動物たち
ごめんなさい
一日も早くあの現場から
頑張っているあの子たちを救いだしてほしい

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紙の本星守る犬 正

2009/07/22 11:44

人間はすべて星守る犬だ

15人中、14人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

家族財産仕事を失った中年男には
1匹の犬が残された
犬と中年男の車旅の先にあるものは・・・

犬はけなげだ
どこまでも飼い主をまっすぐに思って
そばにいてくれる
ふとしたことで崩れていく人間関係のなんてもろいことか・・・

人間はみな星守る犬なのだ。
手の届かない遠くのものに
憧れ何とか手に入れようと
必死にもがいている。

明るくきらきらしたものばかりで作られていない
この社会のひずみや
つらい過酷な暮らしの中でも
愛するものがそばにいてくれることの
感謝や幸せというものを教えてもらった気がしている。

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紙の本困ってるひと

2011/09/02 14:22

想像を絶する難病患者の日常

13人中、13人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ある日突然、原因不明の難病に侵された女子大学院生
1年に及ぶ検査の日々とさらに9カ月の入院治療の日々をユーモラスにつづった一冊。
発熱と全身の痛みの体でさまざまな病院を放浪し
検査でやっと自己免疫疾患であることが判明した彼女は自分の襲った病といやおうなしに向き合うことになる。
絶え間なく襲う全身の痛みや硬直した手足の関節
実家も遠方で
さまざまな人の手を借りないと買物一つできない彼女は
いやおうなしに他人に援助を求め気持ちまでも依存してしまうようになりそのことで友人とも気まずくなったり
薬の影響で死にかけたり鬱になったり
どれだけ大変な目に遭っているのだと思ってしまう
どうしても大切なところですれ違ってしまう主治医と患者の思いは痛いほど自分の経験も踏まえて理解できるし
医療保険、介護保険の仕組みの複雑さや切り捨てられる人たちの多いこともよくわかる
でも、そんな中にあっても彼女は前向きだ
早くお尻洞窟が埋まりますように
「あの人」との関係がよいものでありますように
少しでも症状がよい方に向かいますように
彼女の幸せを願っている

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紙の本星守る犬 続

2011/03/19 13:44

此岸と彼岸の境目はどこにあるのだろう

12人中、12人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

前作『星守る犬』の後篇に当たる物語。
ハッピーと一緒に捨てられた体の弱い子犬と老女の物語「双子星」
前作でおとうさんの財布を盗んだ少年哲男とペットショップの売れ残り犬のパグとの物語「一等星」
物語すべてが終結する「星守犬/エピローグ」が収められている。

死にかかった子犬を世話することで
世間に背を向け緩慢に死を願っていた老女が再び生きようとする気持ちを取り戻す双子星も
育児放棄され盗みを重ねながら北海道に住む唯一少年のことを気にかけてくれる祖父のもとへ旅する途中でペットショップから売れ残ったまま2年を過ぎたパグを盗み一緒に旅を続ける。
悲惨な状況を生きてきた少年が自分を頼る犬を得たことで変わっていく一等星も
絶望から再び生きる目標を見つけていく物語だと思う。
前作は切なく哀しくおとうさんは希望を失い死へ向かう物語だった。そして
ハッピーはその死に殉じた。

表紙の満開の桜の下で微笑むチビは此岸の存在
満開の向日葵の下で微笑むハッピーは彼岸の存在

おとうさんはハッピーのために
周りに助けを求め生きようとしてほしかった

生きるということを考えさせてくれるこの漫画は傑作だと思う

必要としてくれる誰かのために待ってくれる誰かのために

私は生きようと思う

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少しの優しさをください

12人中、12人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

年間30万匹の犬・猫が殺処分されている。目の前の命への愛情と、救えない命への葛藤。感傷を乗り越えて、現実に向きあい続ける人びとがいる…。ドキュメンタリー映画「犬と猫と人間と」の監督が綴る、いのちを巡る旅。

一度はかわいいと思って暮らしていた犬や猫を
ごみの様に捨てる人たちがいる
しかもそういう人は一見普通の常識ある人たち・・・

愛護団体も玉石混合
かわいそうな犬や猫をだしに寄付金を募り
そのおかねは犬や猫に使われることがない

関西地方のあるところではブリーダーが不用となった犬たちを
市の処分場に殺処分してもらうために日常的に持ち込んでいた

目を覆いたくなるような情けない現実

それでもなんとか命を救おうと
地道に
根気よく活動している人たちもいる

我が家には東京でごみの様に捨てられ
処分場から愛護団体に引き出された推定4~5歳の犬がいる。
この子は皮膚病がひどくなって捨てられたようだった
我が家へ来て4カ月
体重も増え、皮膚病も快方に向かっている

年をとっていたり病気で新しい飼い主は見つからないなら
最期まで安心して暮らせる施設があればと思う



こうやって命を粗末にしていると
人間の命だって粗末にするようになる気がする

弱いものに優しくない社会は
生きにくい社会だ



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紙の本くまとやまねこ

2010/07/22 13:14

再び歩みだせるまで

11人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

湯本香樹実という作家は
「死と再生」を描く作家だと思う。

大好きなことりを失い
その死を受け入れることができず
持ち歩くことでその死を忘れようとする
そんなくまを気持ちを
理解することない
善意でくまに亡くなったんだから諦めなくちゃという
森の仲間の言葉
心傷つき深くこもるくまの心を
動かしたのは
季節の移ろいという時間の経過と
外から流れる音楽に耳を傾けることができ扉を開いたくま自身
そして
くまの心に寄り添う優しい言葉をかけてくれたやまねこだった。
やまねこにも大切な誰かを亡くした気配があった
にひきはバイオリンとタンバリンを持って旅に出る

私も愛する宝物のような犬たちを相次いで失い
心はずっとあの子を亡くした冬の寒さ
何を見ても悲しく寂しく
何を聞いても涙が流れ
慰めの言葉の些細な言い回しにも
心傷つき
ずっとずっとあの子たちを探し求め
悲しみの底でじっとしゃがみこんでいた。
そんな私のもとへ
縁あって保護団体から推定4~5歳の男の子の犬が
やってきた
都会の街角に捨てられ
保健所の殺処分ぎりぎりで
保護団体から引き出され
さまざまな人たちの世話になり
遠い地の我が家へやってきた。
寂しがり屋の私と同じようにさみしがりやで
ひどい目にあっても人間が大好きな彼と
一緒に幸せになろうと思う
くまとやまねこのように・・・

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