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缶珈琲さんのレビュー一覧

投稿者:缶珈琲

3 件中 1 件~ 3 件を表示

紙の本

日本を考え直すための本として読むのもいいかも

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 題名からはイギリス人のものの考え方を学ぼうという趣旨かと思ったが、実は現代日本の問題点を検証し、その解決策としてイギリスにヒントを求めた、という感じである。著者の現代日本への問題意識は高く、また、的確である。見ようによっては破綻している日本社会をどうにかして立て直したいという目標は、果たしてイギリスの中にあるのだろうか。
 イギリス社会が、階級社会であり、人種差別があり、向上心に乏しく、生活の質は意外に低く、しかもうわべだけの物言いでは本心が理解できない。しかしボランティアと紳士精神は確立していて、個人の責任と自由を保証し、お金に頼らない精神生活と幸福感をもっていて、長く使えるモノを大事に育んでいく、ということは理解できる。
 読み進めていく内にイギリスの輪郭が見えてくるので、イギリスをよく知りたい人には格好の一冊だろう。ただし、この本に書かれている事だけが真実ではないし、イギリス論として絶対ではないので、幾つかの本と読み合わせる必要があるだろうし、実際の体験に勝るものではない。
 むしろ、現代日本社会の病巣を的確にえぐり出す文章の方が読み応えがあったのは、私が教師なのだろうか。
 ただし、一つの異論を唱えておきたい。たとえば、受験勉強だけして社会性を育てられず、実社会に押しつぶされてしまう現代日本の若者を悪と決めつけられるだろうか。イギリス式に自分の役割を自覚させ、勉強だけではなく社交性を育て、貧乏に従順にすることは間違ってはいないだろうが、では、そのような人は日本社会ではただの落ちこぼれというレッテルしか貼られまい。著者も言っているが、与えられた生きている社会の中で、以下に満足度を上げられるかが人生の勝者たる証だろうが、そのためには、その社会にあった考え方を実践できるかが一番の争点だろう。簡単に言ってしまえば、適応力であり、柔軟性である。イギリス社会に日本式を持って行っても成功しないように、日本社会ではイギリス式は良い面もあるだろうが、日本式が一番水にあっているはずなのである。その証拠にイギリス人と国際結婚夫婦でも、多くは最終的には生活をしている国のルールに沿って行動している。
 「隣の芝は青い」と言うが、その浅はかさを克服して、真に必要にエッセンスを日本式にアレンジできる能力こそが、本当に人生を豊かにするためには必要なのではないだろうか。

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紙の本

紙の本チーズはどこへ消えた?

2004/02/27 01:03

仕事に壁を感じたら読む本

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 アメリカのベストセラーの翻訳本。著者は短い「一分間マネージャー」という著書でも推測できるように、短く単純な例を示して、仕事や人生の判断基準やその方法・プロセスをマネージメントできる人らしい。
 本書は、「成功体験にしがみつかないで、社会や組織の変容に応じて自らも変化することが成功の鍵である」という趣旨の物語である。言わんとすることはそれだけであり、そういう場合もあるだろうな、というのが40歳日本人公務員の感想である。
 例え斜陽となった職場・仕事でも長く続けていれば日はまた昇るということもあるだろうし、どんなにビッグビジネスチャンスだとしても、全ての挑戦や試行錯誤が成功に終わることはない。ビジネスこそ明日が読めない賭けであることを、忘れてはならない。また、転職がステップアップとしてポジティブな評価を受け、新しい商売が次々と生まれるアメリか社会だからこそ、この主張の説得力が強調されるだろう。商売でも付き合いや美学を追究する日本式経営には、やや違和感があるシーンも多いと思われる。
 とは言うものの、やはり変化の必要性がわかっても変化を嫌うビジネスマンが多いのが実際なのであろうし、それを自覚している人が多いからこそ、この本の主張が評価されるのだろう。ビジネスマンの新しくて古い課題ということなのだろう。仕事に悩んだら、一読するのが効果的。

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紙の本

紙の本ルージュ

2004/02/27 01:00

どうせ叔父様には向きません…

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 たまには世の中の流行には接しておかなくちゃかなと思い、久しぶりに現代小説を読んでみた。内容のせいもあるかもしれないが、可でもなく不可でもない。しかし、それは私が男で恋愛に一応完了しているためだろうか。女の子を誘い、口説き、その気にさせる過程は、ドライブや連れて行く店の選択の描写など、自分の過去を見るようでなんか気恥ずかしい再体験だ。きっと作者自身が、そのように男の本音を見透かしているからだろう。無垢な恋や出会いに新鮮さを感じたり感じたいひとには、もう少し感情の波が起こって、代理体験に心が躍るのかもしれない。
 恋愛小説やもしかしたら普通の小説の多くは、作者の経験を通した表現や世界観や体験そのものを描写することが多いのだろうか。観光ガイドやグルメ雑誌のような記述は、文字数稼ぎのようで読んでいて不快なこともある。また、少なくとも彼女の作品には、それをしていたのは、そう考えたのは、もしくはそうありたいと願っているのががあなたなんでしょ? と感じられる箇所が少なくない。そう感じさせること、見透かす快感を読者に与えることまでもが作者の仕掛けだとしたら、それはそれで楽しいけれど。
 主人公「里彩」がトントン拍子にモデルになっていくのは、少し現実感が無くて白ける。都合のいい展開が多く物語の進行もギクシャクしている。登場人物の考え方や意見も統一し切れていない。この作品が連載物だったことを差し引いても、完成度は余り高くない。
 それでもなんとか読めるのは、主人公「里彩」の不思議な感覚がもたらす、こういう子は社会の毒牙から守らなくちゃいけない、という保護者感覚に似た、お節介のせいかもしれない。
 いずれにしても主人公に同化することは無理だし、主人公や周りの人格や主張に賛同することも、部分部分でしかできない。わからない自分が世間ずれしているのではなく、こういう感覚の人もいるのだ、くらいに構えないと、現代小説は読まない方がいいのかもしれない。
 小説界の沈滞は続いているが、あまり新しい切り口ばかりを過大評価していると、そのうち何が本当の意味で価値あるものか見失いかねない。こういう新感覚がいいのだという人もいるが、正常な感覚(?)の人は自分の感覚も大切に、わかる所だけわかってもらえればいい、小説はそうあるべきだという思いを新たにした。

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