ちはなさんのレビュー一覧
投稿者:ちはな
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2004/07/12 22:30
真っ白な天使
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寝たきりのおばあちゃんと進学校に通う情緒不安定気味の孫のコウコ。
水槽のモーター音だけが静かに響く真夜中過ぎ、おばあちゃんは「さわちゃん」になり、コウコは水槽の中の世界の「創造主」になる。
「天使」という言葉をキーワードにおばあちゃんの子供時代とコウコの現在がくるくると入れ替わって綴られていく構成は、少しずつ話がつながっていって「なるほどなるほど」と感心しました。
誰もが持つ子供時代の終わりの悲しい思い出。
だけど本当はみんな真っ白な天使で、
そのことに気付いていないだけなのかもしれません。
紙の本庭を森のようにしたい
2004/07/11 21:18
人生って面白い。
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ここまで細かく作家さんの日常を読める本って他にないと思います。
何を食べたとかどこへ行ったとかどんなことを感じたかとか。
自然体で、ふうわりと、流れるようなエッセイ。
エッセイというより日記です。
銀色さんのつれづれノートを読むと、誰でも悩んだり立ち止まったり
するんだということを改めて知ることができて、心が少し楽になります。
それから子供や犬と生活することの苦労と面白さもたっぷり楽しめます。
私も私の人生を私らしく生きたいな、と読んだ後静かに思いました。
紙の本薔薇の木枇杷の木檸檬の木
2004/07/08 23:02
どうなんですか?
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同じ街に住む何人もの人物が入れ替わり立ち替わりで文章中に登場して、最初は少し戸惑いながら読みました。が、すぐに慣れて「さて次は誰?」という感じに。恋愛ってこんなに日常的なものなんだ…と気付かされました。何気なく口にする「結婚おめでとう」という言葉、それから夫婦について、みんな普通に結婚してるけどどうなの?と聞きたくなりました。
紙の本流しのしたの骨
2004/07/04 15:20
流しのしたの秘密
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太宰治の著書に「ろまん燈籠」というのがあります。
兄妹五人みんなロマンスが好きで、家族が集まると物語の連作を始めるのが習わしという、実在の画家の家族をモデルにしたといわれている好ましく風変わりな家族の物語です。「流しのしたの骨」を読み始めたとき、なんとなくこの小説を思い浮かべました。
いつもおっとりと微笑んでいる姉の家の流しのしたを見たときのぞっとした感じ。
読み終えて、ああ素敵な家族だなぁと温かい気持ちに浸っている時にも、やっぱりその寒々とした怖さが頭から離れませんでした。うまいタイトルだと思います。読んでいる時は「もっと可愛らしいタイトルにすればいいのに」って思っていましたが。
家族、特に兄弟って本当に特別だと思います。生まれたときから一緒にいて、それなのにいつか離れていってしまうせつなさ。読んだ後、弟たちに優しくしたくてうずうずしてしまいました。
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