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和音さんのレビュー一覧

投稿者:和音

44 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

紙の本重力ピエロ

2005/06/22 16:50

重厚なテーマとユーモアが織り成す物語

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

遺伝子を扱う会社に勤めている私に街の落書き消しをしている弟の春から「兄貴の会社が放火に遭うかもしれない」とメッセージが入る。そして本当に会社が放火に遭ってしまう。春は、連続放火事件のルールを見つけたという。放火現場の近くには必ず落書きがあるというのです。
過去のあまり思い出したくない事、自分の存在意義にも関わる事、と重たいテーマが全体を通して横たわっているにも関わらず、それほど重たい空気を感じずにいられるのはこの3人家族の底抜けに?明るい会話というか、相手の事をしっかり考えた上での言葉だったり、愛情が感じられる会話のせいなのかなと思う。癌やらストーカーの話をしている時だって本当に困っている風ではなく、どこか楽しんでいる感じがします。しかもそれにユーモアがある。あと、他の伊坂作品に登場した人物がゲスト出演しているのも楽しい。
途中、「後から考えると」とか「今からしてみれば」という言葉がよく出てくるので最後にこんな事が起こるのでは?と思い、だいたいその予想が当たってしまうのだけれども、それで面白さが半減してしまう事もない。少し理屈っぽい会話だと思う人もいるかもしれないけれど、私は大いに楽しめました。
この作者の本をいくつか読んできて思ったこと。ユーモアのセンスが抜群によいのではないだろうか?おじさんのダジャレのような気まずさはなくて安心して楽しめる。このユーモアの風に当たりたくてこの人の本をまた手に取ってしまうのかもしれない。

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紙の本

紙の本陰陽師

2003/04/22 00:58

もっと早くに読めばよかった!と思う本です

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

映画の「陰陽師」を見た後だったので、読んでいて頭の中での晴明と博雅は、野村萬斎さんと伊藤英明さんでした。でもイメージを壊される事もなく、むしろ細やかな表情が思い浮かぶようでよかったです。

雅な風景描写、同じ言葉を2回繰り返すことによってできる深み。平安時代というのがどのような時代であったのか感じ取る事ができます。そして、普通は不思議な力を他人には見せないものという決まりのようになっていますが むしろ晴明はそのような事にこだわらず不思議な力を他人に見せてそれを面白がっているようです。これも晴明らしいというところなのでしょうか? シリーズ1作目ですが、次が早く読みたくなるシリーズです。

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紙の本

これから洋書を読み始めたい人に

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

最近、大学受験以来ずっと遠ざかっていた英語の勉強を始めました。理由は色々ありますが読書好きな私はやぱりハリーポッターを原書で読んでみたいというのも理由の1つです。やっぱり洋書を読むのって憧れますよね。でも学生時代、特に英語が得意だったわけでもないですし、大学時代の英語のテキストがシドニィ・シェルダンのペーパーバックだったのですが、分からない単語だらけで辞書の引きっぱなし。とてもストーリーを楽しむどころではありませんでした。そんな経験があったので、いきなりハリーポッターを読もうとしても挫折してしまうだろうなぁ、どうしたらいいかな〜と思っていた時にみつけたのがこの本でした。
普段本を読みなれている人なら次に読む本の選び方があったり、読みたいと思っている本がリストアップできるくらいあると思います。でも洋書を読み始めようと思ったらどうやって読む本を探してきたらいいのかわからない人が多いと思います。そんな方にオススメできるのがこの本です。読みやすさの難易度ごとに本が分けられていて、シリーズ物も順番に並べられているし、「のだめカンタービレ」等の英訳マンガの情報も載っているし、オススメ度も5段階で表示されていて非常に便利なガイドブックです。
ただ多読というのがどういう読み方なのかよく知らない人がいきなりこの本を読むと略された記号が多くて戸惑うかと思います。(一応、説明もされていますが不十分な気がします)
まずは「今日から読みます 英語100万語」か「100万語多読入門」のどちらかで基本を踏まえた上でこの本を活用されるといいかと思います。そういう意味ではこの本は、洋書読み全くの初心者よりは、数冊読み始めた人〜上級者向けかな?と思いました。

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紙の本

紙の本ダリの繭

2003/07/29 15:48

ちぐはぐな謎

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

大手宝石チェーン店の社長が神戸の別邸で殺された。それもフロートカプセルという機械の中で。そして、トレードマークだった髭がそり落とされていたのでした。殺人現場となった邸宅では、ウィスキーのボトルにグラスと酒を飲んだ形跡がそのまま残っているかと思えば、靴がなくなっていたり、衣服が下着をのぞいて全てなくなっていたりとどこかしらちぐはぐな感じを受け、火村は不快感を感じます。そう、このちぐはぐさが今回の事件の大きな特徴であり、全ての謎が解けた時、そのちぐはぐな事象について全て説明がつくのです。

まず犯人になりうる怪しい人物の数が比較的多く、みんなが怪しげな行動を見せるため、誰が犯人なんだろう?と読み手も推理に参加できてとても面白かったです。様々な局面で見られる意外性と火村先生のキレのある推理で大いに楽しめました。

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紙の本

紙の本散りしかたみに

2002/07/30 22:05

悲しく切ないミステリ

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

梨園シリーズの2作目。前作「ねむりねずみ」で活躍した探偵 今泉と女形役者の小菊 がまた謎に挑みます。今回は、歌舞伎座の公演中に決まってある演目が上映されている時に、どこからか一枚の桜の花びらが舞い落ちるというもの。このささいな謎をちょっとした好奇心から調べ始めた事が原因で悲劇が起きてしまいます。因果や運命という言葉だけでは、すまされないあまりにも悲しい出来事。この一枚の花びらにこのような思いが込められていたとは読み始めた時には思いもしませんでした。

前作の「ねむりねずみ」に比べると歌舞伎や古文に関する知識があるほうがより深く読むことができると思います。そして、あとがきを読んで気づいたのですが、芝居の筋書きと舞台を降りてからの現実世界との重なりが見事でこの物語の奥深さを感じる事が出来ました。とても悲しく切ないミステリです。

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紙の本

紙の本死にぞこないの青

2002/07/30 20:57

人格の表と裏の恐怖

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

春休みが終わり小学生5年生になったマサオ。そして、担任の先生は大学を卒業したばかりの新任の羽田先生。新しいクラスでの係を決める時に嘘をついてしまったマサオはそれから羽田先生に嫌われてしまう。他の子が宿題を忘れたりしても、掃除の時も特に悪いことをしていなくても自分だけ叱られるようになって、全部、マサオのせいにするようになります。そして、クラスのみんなもマサオを無視したりといじめるように・・・

マサオはだんだんと自分がいじめられてしまう事をなんとも思わなく当然のように考えてしまいます。このマサオが感じたり思いこんでしまうところは、読んでいて痛いほどつらかったです。クラスのみんなから不当な扱いを受けても、みんなを本当はいい奴なんだと思うマサオ君は、なんて優しい気持ちを持った子なんだろうと思いました。

羽田先生の表と裏の性格を使い分け裏の性格の方がどんどんヒートアップしてくる所は 人間の狂った部分が全面に押し出され読んでいて怖かったです。マサオの裏の性格の「アオ」とセンセイの裏の性格。人間みんなが強弱はあってもこのような性格を持ち合わせているのではないか?と考えずにはいられませんでした。

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紙の本

紙の本ぶたぶた日記

2005/06/09 05:37

ほんわか物語の裏側

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

義母が急用の為、受講するはずだったカルチャースクールのエッセイ教室にいけなくなってしまい、その代理でエッセイ教室へ通うことになったぶたぶた。今作は、エッセイ教室を通じて知り合った人達との交流がかかれています。ぶたぶたを初めて見た時の人々の驚く様子やじろじろ見てしまう等のそういう反応が面白いし、好きなんですが、今作ではそれが少しくどく感じられる時もありました。もちろん、ぶたぶたワールドはほのぼのするし楽しいのですが、シリーズを続けて読んできた私にはちょっとくどかったかな〜?でもそれは、裏を返せばこの本で初めてぶたぶたを読む人にとっても楽しめるようになっているのですね。
読んでよかったなと思ったのはエッセイを通じてぶたぶたのパパぶりが垣間見えた事。妻がいて娘がいて・・・どんな生活をしているんだろう?と思っていたんですが、ぬいぐるみを父親に持つ子供達の健気な姿や思いがエッセイとして綴られていて、そうなのか〜と思う所がいっぱい。エッセイ教室では、毎回課題が出され、「二番目に印象に残ったこと」等のテーマのエッセイを書いていきます。そして、ぶたぶたが書いたエッセイを読む事になるのですが、中でも「今まで一番怖かったこと」がとても印象に残りました。どんなにひどい事をされても絶望する事なく、人の優しさに感謝する。ほんわかとした癒しの物語の裏に隠れていたぶたぶたの姿勢にはっとさせられたし、目がうるんでしまいました。
エッセイ教室に通う人達はそれぞれ悩みを抱えているのですが、その不器用な人達がぶたぶたと接する事で少しずつ前向きになっていく様子がかかれていてとてもいい。

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紙の本

紙の本海のある奈良に死す

2003/07/29 15:52

罠にはめられてしまう

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

推理作家の有栖川有栖は、ようやく出来上がった小説の見本を手に取るためわざわざ大阪から出向いて東京の出版社へ。そこの会議室で同業者の赤星楽と再会する。久しぶりの再会で雑談に花を咲かせた後、赤星は会議室を後にした。「行ってくる『海のある奈良』へ」と言い残して。そして、翌日、『海のある奈良』といわれる福井の古都、小浜で赤星が死体で発見される。赤星の死を心から残念に思い、彼が非業の死を遂げなくてはならなかったわけを自分なりに追跡したいという思いからアリスは火村と調査に乗り出します。

火村先生のわがままぶりが見られたのは面白かったし、大胆な推理にもびっくりしました。(本当はちゃんと論理的なのですが)見事に罠にはめられてしまってたのですね。最後は、少し強引というかこじつけっぽく感じてしまったけれどもスケールの大きい満足できるミステリだと思います。

有栖川さんの作品の中には作家アリスシリーズと学生アリスシリーズと呼ばれているものがあって、作家のアリスは、学生アリスシリーズを、学生のアリスは作家アリスシリーズを書いているという設定らしいです。その作家アリスシリーズでの探偵役が火村先生です。

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紙の本

紙の本恋愛中毒

2003/07/03 02:00

ラストに深みがあります

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

弁当屋でバイトをしながら翻訳の仕事をしている水無月。そんな彼女には離婚歴がある。いまだになぜ離婚する事になったのかわからない。なぜ夫は私を捨てたのだろうか? そんなある日、いつもの弁当屋でバイトをしていたらタレントで作家でもある創路功二郎が弁当を買いにやってきた。密かにファンであった水無月は心踊る。そして、水無月は創路のアシスタントとなる…

もう人を愛さない。愛しすぎてはいけないと心に決めたのに愛しすぎてしまう。なんでそんな恋愛をしてしまうのか? 恋愛に不器用で人付き合いが下手な人なんだなぁと思う。その気持ちはよくわかるなと思ったりする。そんな彼女を見ているととても痛々しかった。でも物語が進むにつれ、自分の感覚と彼女の行動・感覚を比べるのが間違いだと気付く。それほど彼女の行動はすさまじい。彼女も自分を抑えようと思っていてもそうできない。どんどんたがが外れていく…

どんどんねじがズレていっているのがわかる。それ以上行ってしまってはいけない。ダメだよ。と言っても、一読者の私は彼女の暴走を止めることができない。それ以上見てしまうのは恐いけれども見てしまう。彼女の長い独白が終わった時、やっと読者は彼女の呪縛から解き放たれるのだ。彼女の人を縛り付けてしまうという性格は、かつて夫だった人だけでなく読者達にまで及ぶのだ。

ラストの衝撃がすごすぎてしばらく放心状態になってしまった。物語が終わる時には、主人公がいつのまにか青年から水無月に変わっているのがとても不思議で、奇妙な錯覚を覚えたような感じがします。なんともすさまじい吸引力を持っている物語です。

初出 たんぽぽTearoom

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紙の本

紙の本プラネタリウムのふたご

2003/06/26 11:43

気持ちがやわらかくなります

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

村のプラネタリウムの上映中に突然赤ちゃんの泣き声が響きわたる。双子の赤ちゃんの親は見つからず、プラネタリウムの解説員が面倒を見る事になる。双子たちはテンペルタットル彗星からテンペルとタットルと名付けられます。双子たちはやんちゃないたずらっ子でとてもきれいな銀髪。プラネタリウムの上映の手伝いをする二人を村の人達はあたたかく見守っている。そして、運命は2人を引き離し、1人は星の語り部に、もう1人は手品師になり…

現実にありそうな、いや童話のようなどこかノスタルジーを感じます。透明感のある夜明け前のすがすがしい空気のような雰囲気を持った物語です。サーカスや手品というとどこか怪しい雰囲気をかもしだしていると思うのですが、双子達の村に手品師の一行がやってきた時でさえあたたかみのある雰囲気になってしまうのだから不思議です。プラネタリウムに郵便配達員が配る手紙。これらを楽しみ、唯一の娯楽としている村人達。このアナログ的な所が本当に心に温かい。

双子達は離れ離れになってしまうけれどもお互いの役割というものを逃げ出さずにしっかり担った事で不幸にならず随分と救われたと思います。とても素敵な物語です。

初出 たんぽぽTearoom

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紙の本

紙の本陰陽師 飛天ノ巻

2003/04/22 01:00

もっと早くに読めばよかった!と思う本です

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

シリーズ2作目。今回も晴明と博雅の会話のかけあいがなんともいえず、いい味をだしており、会話のシーンがとてもいいですね。毎回、鬼だとかあやかしの物などを晴明が最後に丸く治めてしまうという、例えれば、水戸黄門的な展開なのですが、驚いた事に晴明でもどうする事もできない件もあるのだなと意外な展開のお話もありました。(鬼小町)

また、晴明がなにかと目立ちがちですが、博雅の事をつづった話もあり、博雅がどのような人柄だったのかを知る事ができます。それを読んでこの2人は 2人一緒でいるからこそ力を発揮する事ができる関係なのではあるまいか?とそう思わずにはいられませんでした。

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紙の本

紙の本放課後の音符

2002/05/08 09:17

女子高生の心模様

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

17才の高校生の私。私は、まだ恋人なんかいらないし、恋するという事がまだどういうことか良くわからない。そんな私は友人達の恋の話を聞いていくうちに、恋のキャリアを積んでいく。決して耳年増になるということではありません。いい意味で大人な感覚を身につけていくのです。
この本の中にはたくさんの甘さがあります。そして、少し痛みを伴う甘さです。女子高生の心模様を繊細に綴った8編からなる恋愛小説です。最後の「Keynote」が微笑ましく、幸せな気分にしてくれます。 何度も読み返してしまいました。

収録作品…「Body Cocktail」・「Sweet Basil」・「Brush Up」・「Crystal Silence」・「Red Zone」・ 「Jay-Walk」・「Salt and Pepa」・「Keynote」

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紙の本

紙の本萌の朱雀

2002/03/07 10:43

カンヌでも賞を取った映画作品

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 奈良の山奥で両親と祖母といとこの栄ちゃんと暮らすみちる。みちるの父親が長年携わっていた鉄道建設の話が中止になることに。このことをきっかけにして、この村で家族と一緒に暮らして 行くことに生き甲斐を感じていた父は張り合いを無くして自殺。そして、家族はばらばらになってゆく…

 とても静かな静かな物語です。セリフは少ないのですが、何気ない所作の描写から家族間の信頼感、そして、豊かな暮らしが伺えます。朱雀神に守られた豊かな、そして、大きくゆったりとした自然。この自然は、家族がばらばらになっていく間も変わることなく見守っているような気がしました。物語の内容は重い話になりがちなのですが、家族の皆が1人で生きていくというのではなく心の中にかけがえのない家族、同じ血が流れているというその暖かみに気付き、精神的に強くなっていくのを見て、読後感はとても快いです。本に描かれているゆったりとした生活同様 ゆっくりと読みたい、そんな一冊です。

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紙の本

紙の本ぼくのミステリな日常

2002/01/01 05:42

後書きを先に読んでもいいです

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 若竹七海さんのデビュー作です。建設コンサルタント会社の社内報を発刊することになり、その編集長となった若竹七海氏。娯楽面充実のために…ということで、小説を載せることになり、小説を書く作家を探します。その作家は、匿名作家で匿名作家から12本の小説が届けられます…。若竹七海さんの代表作でもあります。12本の短編小説の中には、色々なテイストの物が含まれていてその1つ1つを楽しむことができるだけでなく最後の最後でバラバラだったパズルが1つに合わさるように全ての謎が紐解けるような感覚を味わうことができます。短編に含まれていたトリックが更に全体の トリックの部品を構成しているのです。ということが、この本を読む前にわかっていても、そのトリックに 気づかず最後にあっ!となってしまうのです。ぜひ、本編を読む前に、あとがきを先に読んでみてくださいね

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紙の本

紙の本桜さがし

2003/06/21 02:19

春になると再読したくなる本

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

猫探偵の正太郎君シリーズにも登場した浅間寺先生と犬のサスケがでてきます。浅間寺先生は中学教師を経て、作家になり、京都の山奥で自然と共に暮らし、ぜいたくはできないが物足りなくはない人生を送っている。この先生の教え子、綾、まり恵、陽介、歌義の4人がこの物語の主人公。陽介への想いに未練があり、10年近くも過去を引きずっている綾。司法試験に何度も挑戦し、落ちつづけている歌義、そして歌義とずっとつきあっていたまり恵、エリート商社マンの陽介。古都、京都を舞台に男女4人の恋愛、夢を追う姿を描いています。

歌義がバイトをしている法律事務所でかかえている事件の調査で空飛ぶペンギンを探したり、4月末に咲く桜をさがしたり。出会いと別れ、つらい恋。4人は20代なかばになり、将来の事について色々悩みあえてつらい選択をしたり。10代の頃とはちがう20代になりみんな大人になっちゃったんだと実感する年齢。2回目の青春とでもいうのでしょうか? 移ろいゆく季節の中少しずつ、そして確実に大人になっていく彼らを見ていてとてもせつなく胸がきゅっとなってしまいました。まさに青春ミステリ。とても感情移入して読んでしまった本で何度も再読したくなる本だなと思いました。

初出たんぽぽTearoom

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