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  3. 春子さんのレビュー一覧

春子さんのレビュー一覧

投稿者:春子

8 件中 1 件~ 8 件を表示

紙の本このみちをゆこうよ

2009/09/23 18:13

藁や、石や、砂は誰が作るのでしょう。

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

この本のなかに、詩、”つくる” があります。


 つくる

小鳥は
藁で
その巣をつくる。
  その藁
  その藁
  たあれがつくる。

石屋は
石で
お墓をつくる。
  その石
  その石
  たあれがつくる。

わたしは
砂で
箱庭つくる。
  その砂
  その砂
  たあれがつくる。


 ほんとに、藁や、石や、砂は誰が作るのでしょう。
藁や石や砂の向こうに、いや、藁や石や砂のなかに、わたしたちはなにものかを感じます。

 現代科学はそれがどのようにして出来たかを解き明かしてくれます。それでもまた、その解き明かされたものの向こうにまた、なにものかを感じてしまいます。

科学で説明した「人間は星のかけら」というのがあります。
科学での説明も時として詩になります。

「人間は星のかけら」というのも素晴らしいですね。

金子みすゞさんの詩でもう一つ紹介したいのがあります。
こちらです。




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紙の本金子みすゞ童謡集

2009/09/22 22:51

星とたんぽぽ

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 星とたんぽぽ は、金子みすゞさんの詩のなかでも私のとても好きな詩です。

 この世界の成り立ちの本当のすがたに触れるかのように、感覚で捉えられてないものもこの世界のものだということ。いや、むしろ捉えられているのはほんの一部であって、それも人それぞれ異なること。人それぞれだけでなく、同一の人物においてさえも、昨日と今日とでは異なって捉えられてしまうこと。今まであたりまえとして見ていたものが根底からくつがえされます。アインシュタインの相対性理論が時間への人類の感覚を根底からくつがえしたように。

 金子みすゞさんは、それを、この世界の深さを、星とたんぽぽ の詩にたくして我々のこころの奥にとどけてくれます。

********

 星とたんぽぽ

 青いお空のそこふかく、
 海の小石のそのように、
 夜がくるまでしずんでる、
 昼のお星はめにみえぬ。
   見えぬけれどもあるんだよ。
   見えぬものでもあるんだよ。

 ちってすがれたたんぽぽの、
 かわらのすきに、だァまって、
 春のくるまでかくれてる、
 つよいその根はめにみえぬ。
   見えぬけれどもあるんだよ、
   見えぬものでもあるんだよ。

*********

 天文学者、佐治晴夫先生は天体望遠鏡で昼の星を見せてくださいました。
人の目だけでは見えないけれども、天体望遠鏡の助けをかりれば昼の星も見ることができます。そして、昼の星を見た人はその美しさに感動します。

こちらと
こちらに

詩があります。宜しければ覗いて見てください。

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紙の本明るいほうへ

2009/09/22 00:03

好きな詩を二つ

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

良い詩がたくさんあります。その中の2つを掲げましょう。


  曼珠沙華(ひがんばな)

 村のまつりは
 夏のころ、
 ひるまも花火を
 たきました。

 秋のまつりは
 となり村、
 日傘のつづく
 裏みちに、
 地面(じべた)のしたに
 棲むひとが、
 線香花火を
 たきました。

 あかい
 あかい
 ひがんばな。


**********

  かたばみ

 駆けてあがった
 お寺の石段。

 おまゐりすませて
 降りかけて、
 なぜだか、ふっと、
 おもひ出す。

 石のすきまの
 かたばみの
 赤いちいさい
 葉のことを。
 ―とほい昔に
   みたように。

**********

ひがんばなは線香花火、そおーっか、なるほどねえ。

かたばみの詩のように、ほんとに何でもない時にふっと何かを思い出すことがありますね。それが石のすきまの赤いちいさい葉というのが何ともいえずいいですね。

他にも好きな詩があります。
こちらと
こちらをご覧下さい。

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紙の本にんげんだもの 新版 逢

2009/08/22 22:59

相田みつをさんの、その深さはどこから来たのでしょうか

5人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「にんげんだもの」(文化出版局、1984年第一刷発行)のあとがきの次に、相田みつをさんの略歴が記されています。その中に、[ 紀野一義先生の知遇を得、多大な薫陶を受ける。]とあります。この紀野一義先生というのは岩波文庫に収められている浄土三部経を現代語訳をなさった方です。東京大学のインド哲学科を卒業され、中村元先生、早島鏡正先生と協力し、この経典を翻訳なさいました。だが、彼はただの学者ではありません。大学在学中に学徒動員で、広島の五師団工兵連隊(西部七部隊)に放り込まれ、班長の褌を洗うことを拒否したために、五日間なぐられつづけ、あやうく殴り殺されるところをヤクザあがりの一等兵に救われ、のち、松戸の工兵学校に進む。工兵将校として必要な教育を叩きこまれて見習い士官に任官し、フィリピンへ向かう兵団に編入されて門司を出る船団に乗せられた。日本を出た最後から二番目の船団でした。13隻の船のうち、12隻がアメリカの潜水艦に撃沈された。最後の1隻がかろうじて台湾の基隆(キールン)港へ逃げ込んだ。で、台湾ではアメリカ軍が爆弾を雨あられと降らせた。そして不発弾が至る所に転がっていた。不発弾の専門の処理隊は、処理に失敗してみんな死んだ。処理をする人が誰もいなくなった。その時、その係りでもないのに不発弾の処理を始めた男がいた。それが紀野一義その人であった。たった一人で手工具だけを使って処理をするのです。終戦までに1752発の不発弾を処理した。相田みつをの背後にはそんな男がいたのです。「不落樽号の旅」(岩男潔 著)という小説があります。これは架空の物語ですが不発弾処理の話が出てきます。この本の作者も紀野一義先生の影響を確実に受けています。相田みつをさんと同じように。いや、もしかしたら、相田みつをさんよりもっと強烈に受けているかもしれません。いづれにしても、相田みつをにしろ岩男潔にしろ、深いものがあります。紀野一義先生は生きて日本に帰りましたが、ふるさと広島の父も母も姉も妹も原爆でみんな亡くなっていました。相田みつをさんの背後にそのような男がいたことを忘れることはできません。

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自然の中で謙虚に生きる

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

真民さんの詩に、テンジンの人類初のエベレスト登頂についてのものがあります


   父親としてのテンジン

小さな青鉛筆を
エヴェレストの頂上に埋めるテンジンよ
ああ
妻につながる
子につながる
あなたの心のあたたかさよ
 ”お父さんを大目に見て下さるように
  雪の上の宮殿にお父さんをさらってしまわないように
  わたしの代わりに
  この贈りものを差し上げてちょうだい”
あなたは頂上で勝利に酔うどころか
謙遜な気持ちで
こうした子のこえを聞く
母親や妻の祈るこえを聞く
あなたは仏教徒らしい敬虔さで
キャンディを山の母なる女神に供える
貧しいシェルパの子のまことを捧げて
 オン・マニ・ペーメー・フン と
地球の屋根の上で唱える

***
(オン・マニ・ペーメー・フンは観世音菩薩の宝号)

真民さんの詩はどうしてこんなに深いのでしょう。

金子みすゞ
相田みつを
佐治晴夫
岩男潔

みな、宇宙の深いところから何ものかを語りかけて来ます。
金子みすゞ、相田みつをは詩人ですが、佐治晴夫先生は天文学者です。宇宙のことを散文で書いていますが中味は詩です。最後の岩男潔は「不落樽号の旅」という小説を書いていますが、これも真民さんに通ずる何ものかがあります。真民さんの宇宙と4人の宇宙、どれも折りにふれ、触れたい世界です。

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紙の本ドラゴンボール 完全版 01

2009/08/18 00:40

世界一の物語

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ドラゴンボールは人類史上最高に面白い世界一の物語だと思う。
頭からっぽな主人公がいい。作者がHなのがいい。そして最後に、もしかしたら作者の哲学はあんがい深いんじゃないかと錯覚のようなものに陥らせられるところがまたいい。複雑すぎず、テンポよく分かりやすいところもいい。駄洒落とエッチギャグがあちこちに織り交ぜられているので飽きない。こういうものは他に例がない。強いて言えば最近出版された小説「不落樽号の旅」(岩男潔 著)がこれに似ているかな。駄洒落とギャグで思わず吹き出してしまう。この本には、「この物語はドラゴンボールやドクタースランプ(あられちゃん)を読んでいないければわからないことがたくさんあると思います。ですがかまわず読み進んでください。筋書きが適当なのであまり気にすることはありません。」とあります。このへんの文章の感じも鳥山明氏に通じるものがあります。

 ただ、ドラゴンボールはフリーザが悟空にやっつけられたところで終わっていた方がよかったような気もするけど、いろんな事情でで止められなかったようですね。でも鳥山さんはそのあとも良く書いたと思います。やはり鳥山明先生はすごい。

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紙の本わたしと小鳥とすずと

2009/08/03 01:11

金子みすゞの詩にあるもの

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 金子みすずさんの詩は天文学者佐治晴夫先生の講演で知りました。20年くらい前だったと思います。その頃まだ金子みすずの名はほとんど世に知られてませんでしたがその講演でのお話は単なる天文学のお話ではなくて金子みすずの詩を宇宙とともに語るという素晴らしいものでした。お話のあいだ中涙が止まりませんでした。その佐治先生がこの本に出てくる「はちと神さま」の詩をバチカンでイタリア語に翻訳してローマ法王にお話ししましたら、たいへん感動してくださった、ということが矢崎節夫さんの「金子みすゞをめぐって」という本にありました。

はちと神さま

はちはお花のなかに、
お花はお庭のなかに、
お庭は土べいのなかに、
土べいは町のなかに、
町は日本のなかに、
日本は世界のなかに、
世界は神さまのなかに、

そうして、そうして、神さまは、
小ちゃなはちのなかに。


本当に素晴らしい詩ですね。ローマ法王ならずとも涙がでてきます。
金子みすゞさんの優しさや深さはどこから来るのでしょうか。宇宙の深いところからくるのでしょうか。
 最近、「不落樽号の旅」(フラクタル号の旅)(岩男潔著)という本を読みました。爆笑小説なのですが、どこか金子みすゞさんの詩に通ずるところがあるような詩(織田修二 作)もありました。

*****

君にそして僕に


君に そして もちろん 僕にも
これから先 長い道を歩む
いろいろな事にぶつかる
苦しい事もあるだろう
楽しい事もあるだろう
汚い事や醜い事
時には死にたくなるような事だってあるかもしれない
そしてこれらは君が人間である限り
ごまかしのない人である限り
一生涯つきまとうのだ
でも捨てまい
人生を捨てまい
愛する君が一生懸命生きているという事だけで
僕は 僕の生きる価値があるような気がする
愛する君が一生懸命生きるから
僕も一生懸命生きようとする

君にそしてもちろん僕にも
恐れちゃいけない 欺かれるのを
恐れちゃいけない 傷つくのを
騙されたくらいで殻をかぶるのはよそう
自分本位の意固地な殻を
君が若者ならば
これから生きる若者ならば
のびのびと自由に生きよう
あらゆる偏見や けちくさい見栄から離れて
自由に
そして何でも恐れず
ありのままに見つめる素直な目で
真実を見抜こう
わずかにのぞく真実を
それを礎に自分の総力をあげて
人生を築きあげよう
そこから始まる
真の創造が
偉大な創造が


*****
金子みすゞさんの洗練された詩とは表面上は異なりますが、どこか通ずるようなものがあって、この詩も好きです。

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大爆笑と、深い感動と

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

のっけから鳥山明ばりの駄洒落で始まり思わず吹き出してしまいますが、読み進んで行くと感動的な詩に出会います。爆笑の文章と感動の詩を一つずつ抜き書きしてみました。

*****

昔話 ―― ももたろう編 ――

 むかしむかし、おばあさんが川へせんたくに行きました。
 すると川上の方から、ももがドンブラこと流れてきました。
 でもせんたくに夢中なおばあさんはももに気がつきませんでした。
 ももは「はやく気づいてくれ」と言いましたが
 そのまま滝の方に流されていきました。
  めでたし、めでたし。

  めでたくねえよ!

*****

詩の方は

:::::

君にそして僕に


君に そして もちろん 僕にも
これから先 長い道を歩む
いろいろな事にぶつかる
苦しい事もあるだろう
楽しい事もあるだろう
汚い事や醜い事
時には死にたくなるような事だってあるかもしれない
そしてこれらは君が人間である限り
ごまかしのない人である限り
一生涯つきまとうのだ
でも捨てまい
人生を捨てまい
愛する君が一生懸命生きているという事だけで
僕は 僕の生きる価値があるような気がする
愛する君が一生懸命生きるから
僕も一生懸命生きようとする

君にそしてもちろん僕にも
恐れちゃいけない 欺かれるのを
恐れちゃいけない 傷つくのを
騙されたくらいで殻をかぶるのはよそう
自分本位の意固地な殻を
君が若者ならば
これから生きる若者ならば
のびのびと自由に生きよう
あらゆる偏見や けちくさい見栄から離れて
自由に
そして何でも恐れず
ありのままに見つめる素直な目で
真実を見抜こう
わずかにのぞく真実を
それを礎に自分の総力をあげて
人生を築きあげよう
そこから始まる
真の創造が
偉大な創造が


:::::
この詩の他にも、この宇宙のこの世界の深さを感じさせる文章があって、金子みすずさんや坂村真民さんと共通のものを感じさせられます。

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