紙の本
家族の幸せを考える。
2016/07/17 21:13
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投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
結末は確かにどんでん返しではあったけれど、なんかそれだけじゃないとても寂しい気持ちになる読後感。14歳の男の子と女の子、過去母親に反発した塾講師。それぞれ環境や状況は違うけれど、同じような思いを家族に抱いてきた。男の子がやったことは許されることではないけれど、それを真っ向から否定できる大人は果たしているのかな。遠くの幸せより、身近な家族の幸せから世界の幸せは築かれる「What can you do to promote world peace? Go home and love your family.」
紙の本
寂しさ。
2016/10/15 09:58
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投稿者:GORI - この投稿者のレビュー一覧を見る
道尾秀介さんの作品は直木賞を狙っていた頃からあまり好きではなくなっていました。
俺はこんな凄い小説を書いているんだ(評価しろ)という雰囲気が感じられたからです。
久しぶりに読んだ「staph スタフ」は、訳あり離婚歴ありのランチワゴンの女性が主人公。
なんとも軽いタッチで色々な職業の人たちがごちゃ混ぜで事件が進む。
ストーリー展開だけを考えると、何とも乱暴で軽い小説に感じる。
<これから読む方はネタバレなので読まないで>
しかし、母に会いたい、母と一緒に暮らしたいというちょっとした思いで仕組んだ智弥の気持ちを知ると、深いよい物語だったと感動出来る。
母が生き生きとやりたい仕事を続けているのだから、離れて暮らす寂しさを我慢しなければいけないと考える智弥。
我慢出来ると思っていた。大丈夫と装っていた。
それは智弥の心を少しずつ少しずつ壊していたのだろう。
大切な人にくらいは我がままや・弱音や・本音をぶつけても良いじゃないか。
悲しい時には悲しいと言ってよ!
寂しい時には寂しいと涙を見せてよ!
会いたい時には会いたいと言おうよ!
そうしなければいつの間にか自分の心が分からなくなってしまうよ。
そうしなければ自分の心を無くしてしまうよ。
紙の本
希望と現実の間で苦しんでる人達
2017/01/02 18:28
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
離婚や子育ての悩み、仕事に没頭する女性と家族の在り方、新しい恋?とか、そんな要素を匂わせつつ芸能スキャンダルに巻き込まれて行く話です。
「あぁヨカッタネ」と大団円で明るく終わるような結末ではないです。
原因は根深い問題を抱えて、それを素直に表に出せない人間たちの心の叫びだったりします。ちょっと複雑・・・。
鎹になりたかった子供達のお話しですかねぇ。
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投稿者:テラちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
移動デリ、今風に車を使った屋台で商いをする女性が、甥とともに女優まで巻き込んだ事件に…デビュー作といっていい「背の眼」以来、ホラーサスペンスの持ち味で書いてきた道尾氏としては、新しい作風かも。チャレンジする姿勢は買うが、伊坂幸太郎氏に似すぎている点が引っかかる。全体の構成もわかりにくかった。
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道尾さんの作品はどれも独特の雰囲気があったのだが、本作はその雰囲気が感じられない。
なんか全体的にドタバタしていて、一人一人の心の傷に寄り添えなかった。
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テンポよく話が進むので、さくさく読み進められた。
夏都と一緒に住む甥の智弥が、しっかりしすぎていて切ないなぁと思っていたら、そうきたか。
塾の先生菅沼が、ちょっととぼけた感じでいい味出してる。
とぼけてるだけじゃないのもいい。
中学生アイドル、カグヤの狙いに裏がありそうな気はしてたんだけど、そんな動機だなんて、、、
夏都の別れた夫は、ちょいと情けないやつだね~。
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【奇妙な誘拐の理由は、芸能人のスキャンダルメール!?】移動デリの営業中に連れ去られた夏都。向かった先には緑色の髪をした美少女がいた。衝撃のラストへ向かうノンストップミステリー。
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5章まで疾走感が溢れていて、終章でじんわりと熱が溶ける感じ。『透明カメレオン』といいこの本といい、道尾さんの物語は最後に読者を考えさせる重みを持っている。こんなに子供心をわかる大人はいないんじゃないかと思えるほど、子供の心の内を切に捉えている。
スタフというタイトルは最後まで意味が分からずに、辞書で調べた。英語でブドウ球菌という意味らしい。小説を最後まで読んでいけばわかるが、これが間接的にメッセージを伝えている。だから表紙の絵には白い粉末のようなものが食べ物に散らばっているんかないかと。
また、料理に関わるお話だからか、夏都の使う比喩が全部食べ物に関連しているのが面白かった。
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離婚後、移動販売で生計を立てる夏都は、海外で看護師をしている姉・冬花の息子で中2の智弥と共に暮らしている。ある日誘拐されたことをきっかけに、中学生アイドル・カグヤとその親衛隊の計画に巻き込まれていく。
*カグヤの目的、智弥の思い、そしてアラサーの夏都が抱える鬱屈。一人脳天気に見える冬花はむしろ日々生死の危険のあるなかで緊張しながら働いているわけで、表面的には満たされ、安全で自由な国にいながら押し潰されかけてあえいでいる彼らとは、生きている次元の差を感じる。それにしても、大人があまりにも「大人」たりえておらず、でもそういう人多いなと思うと、そのほうが案じられる。
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屈折しているようで、根底にはただただ真っ直ぐな想いがあるだけだった。気づいてあげることは出来なかったけれど、これから救っていくことは出来るかもしれない、と思わせてくれるラストが切なくて温かい。
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ラストの章でガラリと印象が変わる。
途中まではドタバタコメディミステリー。
ラストの章でグッと重みを増す。
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着地点がわかり難ぃ展開と、動機の意外性は、
なかなかうまぃ作品だったな~と思いました。
中二病に悩み、克服したぃ面々による騒動と、
これに、自ら巻き込まれていく主人公による、
コージー・ミステリーの体を成してしますが、
中心となった二人の中学生の成長した未来や、
主人公の焦燥感など、
後味が、こってりと胃の中に残ったような?、
解決し切れていなぃエンディングは、
ちと、消化不良感が残ったかも…??
面白かったと思いますし、
作品のうまさや、問題提起された課題など、
高評価ポイントは、たくさんありますが…、
何となくね、
高評価し切れなぃ煮え切らなさもあったか…?
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道尾秀介さんの新刊は、いい話だし、重くないのですいすい読める。ノンストップの展開も、伏線も、そして結末も、楽しめたとは思う。しかし、読み終えて、うーむ…と考え込んでしまったのだった。
ダメ夫と別れ、1人でランチワゴンを切り盛りする、夏都。海外にいる姉の息子・智弥と同居中。それなりにリピーターもついたが、ワゴンのローンもあるし、暮らしは決して楽ではない。必死に生きる日々。
成り行きには触れないが、そんな夏都が、中学生アイドルのカグヤに力を貸すことになったのだが…おいおい、なぜ無関係なのに首を突っ込む? さらには、智弥と、彼が通う学習塾の講師・菅沼まで巻き込まれ…。
カグヤの目的は、カグヤの姉に関することとだけ書いておこう。いきなり「当人」の元に押しかけ、直談判したと思ったら…。この「当人」の行動は、いくら突っ込んでも足りないくらいだ。「相手」がうまく引き出したのかもしれないが、思慮がなさすぎる…。
そして今度は、「相手」のところへ、のこのこ乗り込んでいく、危険を顧ない面々。半分くらい過ぎて、ここからがノンストップアクションの本番なのだが…。
話を聞けば聞くほど、誰が敵で誰が味方か、こんがらがってくる。何て人騒がせな。しかし、まだページ数はあるし、これで終わりではないよなあと思ったら…へ??? さらに、ここまで大立ち回りを演じておいて、は?????
そもそも、そんなに必死になるほどのことか? と思っていた。真相が明らかになってみれば、夏都が姉から怒られる謂れはない。やっぱりあれはやりすぎだろう。夏都の魂なのだから。そこまで頭が回るなら、もっと穏便な手段はなかったのかと、突っ込みたくなるのだった。
菅沼のキャラクターに、かなり救われた感はある。人付き合いって難しい。でも、こんな計画の立案の方が、やっぱり難しいと思うぞ…。
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人間の哀しさや寂しさや醜さやいろんな感情を見事に表現した素晴らしい作品。物語の展開もいいし予想越えたラスト。見事な伏線の回収。著者の作品は全て読んでるがこれがベスト。秀逸なエンタメを堪能。
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移動デリで生計をたてる夏都とその甥の智弥が、巻き込まれた事件とその関係者のコミカルミステリーかと思ったら・・。
12才の子供が肉親を思う気持ちに、寄り添った作品でした。
それぞれが思う大切な家族だから、複雑な、屈折した、素直でない気持ちになる。それは気付いて欲しいから。
子供はみんな寂しい。
親は子供の寂しさに気付いてやれていない事がある。親として反省。