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十字架
著者 重松清
いじめを苦に自殺したあいつの遺書には、僕の名前が書かれていた。あいつは僕のことを「親友」と呼んでくれた。でも僕は、クラスのいじめをただ黙って見ていただけだったのだ。あいつ...
十字架
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十字架 (講談社文庫)
商品説明
いじめを苦に自殺したあいつの遺書には、僕の名前が書かれていた。あいつは僕のことを「親友」と呼んでくれた。でも僕は、クラスのいじめをただ黙って見ていただけだったのだ。あいつはどんな思いで命を絶ったのだろう。そして、のこされた家族は、僕のことをゆるしてくれるだろうか。のこされた人々の魂の彷徨を描く長編小説。吉川英治文学賞受賞作。
目次
- 第一章 いけにえ
- 第二章 見殺し
- 第三章 親友
- 第四章 卒業
- 第五章 告白
- 第六章 別離
- 第七章 あのひと
- 文庫版のためのあとがき
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親子で別の味わい
2018/10/09 13:05
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みつはる - この投稿者のレビュー一覧を見る
自殺した身に覚えのない『親友』。
見殺しにしたことを背負う立場からの視点。
自分が最後の引き金を引いたのではと思いつつ誰にも言えない同級生の視点。
親として子どもの自殺を前にした視点。
若い時には若いなりの味わいが、子を持てばまた違う味わいが。
もっと多くの人間のそれぞれの立場から余韻を残す良い作品だと思う。
電子書籍
一気読み
2018/07/30 03:20
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Sota - この投稿者のレビュー一覧を見る
有名な作家さんですが、初読みです。
そして、すぐに、ストーリーに引き込まれて、一気読みでした。
田原さんの存在が、印象的でした。
そして、彼の、寂しさとは、、、の件が、心に残りました。
後味は良くはないですが、読んで良かった、と思わせる作品です。
紙の本
考えさせられた
2016/02/26 09:32
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:こう - この投稿者のレビュー一覧を見る
クラス全体で見殺しにしたのは確かにそうかもしれないけど、自分に降りかかってきたら嫌だから、そうしてしまう気持ちもわかる。ただ、自分の子供が同じ目にあったらやっぱり「なんで見殺しに・・・」って気持ちは持つだろうな。学校という狭い世界でのつまらないいじめなんてなくなって欲しい。世界はもっと広いんだぞ。おとうさん、おかあさん、健ちゃん、中川さん、真田くん、それぞれの辛い気持ちが伝わってきて涙が出ました。
紙の本
根深いイジメ問題
2021/04/25 05:02
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
イジメを苦に自殺した少年の遺書の文言がキッカケで徐々に明るみになっていく当時の少年の心。最初はなぜ?と思うところが多かったけど、だんだん作品に飲まれて感情移入して憤りを共感してしまった
紙の本
我が子が虐められた末に…
2016/01/23 14:02
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:さっち〜子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
最近、学校でのイジメの末に自殺する子どものニュースが頻繁に目につく。
自殺するくらいなら学校を休めばいいのにとか、誰かに相談できなかったのか、と思ってしまう。
だけど、これが我が子だったら…
親には心配かけたくない、学校で先生に言えばもっといじめられる、当事者には色々な思いがあるのだろう。
我が子が自殺と言う選択をした親はどうすればいいのか、気持ちのぶつける場所がない。
遺書にいじめた生徒の名前、親友の名前、好きだった子の名前が書かれていれば、親はそれを頼るしかない。
いじめた生徒には許せない怨みしかわかないであろう。しかし、親友と書かれた生徒に対しては、どうして我が子を助けてくれなかったのかと問いただしたくなる。
だが、親友だと思ってないのに親友と書かれた生徒はどうすればいいのか?
ずっとその出来事のあと、大人になっても重いものを背負って生きていかなければならない。
幼い頃一緒に遊んだことはあったけど、小学生たなってからはあまり仲良くしていなかったのに親友と書かれたことで、その後に背負うものが大きすぎる。
自分が自殺に追いやった訳ではない。けれど、ものすごく悪いことをしたような後ろめたさを引きづりながら生きていかなければならない。
自殺は何一つプラスになることはない。
当事者だけが現実逃避できるだけ。
だから、追い詰められる前に少し考えてほしいと思う。
逃げる場所は必ずあるはすだから。
我が子には、絶対に自殺と言う選択はしてほしくないし、絶対させないと強く思った。
紙の本
死とは
2018/11/20 23:49
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まりな - この投稿者のレビュー一覧を見る
自殺を主題とした内容。自殺した人の手紙に親友としてのっていた主人公。死とは、自殺とはなにか考えさせられました。かなり前に読んだ作品ですがいまだに印象に残っています。
電子書籍
背負うことの意味を考える一冊
2016/03/21 20:58
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:もなちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
最近のニュースでたまにある内容は、重松清さん特有のオールドスクールな書き方で同じ体験をしない人にはその人たちの苦労を知ることが出来、同じ体験をした人にはその時の無力さを教えられる一冊。
覚悟のないまま背負わされるということ、苦しめられるということ、言葉に出来ず伝えられないという感覚。
それらを少しでも皆が感じないよう、もっと世の人々に正直に生きて欲しい。
違うなら違うと言い、わからないならわかりあえるまでぶつかる、そんな現代の人間に足りないことを次々と気づかされました。
どんな年代の人にも響き方が同じなのだろうと思います。
紙の本
すごく考えられる本
2015/08/28 21:01
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まきた - この投稿者のレビュー一覧を見る
なんともないクラスメートの遺書に
名前をかかれた真田と中川さんとの心情の変化が
事細かくかかれていた。
自分がその立場に立っていたら…と思うと
またいろいろ迷走してしまう。
またフジジュンがどう思っていたのか
死んでしまっていたので
自分の想像でしフジジュンがどう思っていたのか
思うことができなので
友達とかと話し合ってみると
いろいろな考えがでて
話がふくらみ、自分の意見や考え方がかわって
いくとおもいます。
私の考え方に大いに影響した本です。
紙の本
いじめの傍観者は罪があるのか
2018/02/02 21:17
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
いじめの傍観者は罪があるのか。当事者のそれぞれが背負った十字架はいつまで背負う必要があるのか。重たいテーマで今の私には整理ができません。
個人的な話をします。30年前、私の同期が入社1年目に自殺。葬儀の時、彼の親は「会社を許さない」と話したそうです。つい最近、先輩のパワハラが直接の原因だったと聞きました。苛烈な指導を周りの人は知っていたはずですし、しばしば欠勤する等の変調の兆しはあったとのこと。ところが誰も彼を救わなかった。「死なないで、辞めれば良かったのに」と、誰かが冷たく言っていたのを思い出しました。
また、20年くらい前、私はある人からの変調の発信に応えなかったがために、その人の死を止めることができませんでした。何度も「SOS」を発していたのに、なぜ無視したのかという十字架は消えることがありません。弟は「その人の分まで生きることが供養だ」と瞬時に立ち直りました。私は、その言葉に強い違和感を覚えつつ、未だに引きずっています。
学校のいじめでなくても、「誰もが傍観者になることがある」というのが、読後の率直な感想です。
紙の本
落ち込んでる時は読まないほうがいいかも。
2013/06/23 23:29
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BACO - この投稿者のレビュー一覧を見る
読みやすく物語も掴みやすい。飽きることはない。
結末にもうちょっと重厚感があれば良かった。
紙の本
うーん
2016/02/19 16:06
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なりす - この投稿者のレビュー一覧を見る
約10年ぶりの重松作品で3冊目です。きっかけはシネコンじゃないマイナーな映画館で予告編を見て、俳優永瀬正敏の名演ぶりにまずは原作を、と思い。
あとがきにもあったけど、重松清はいじめによる自殺した子の親を取材して、その人を主体にした作品を書こうと思ったんだとわかった。一応、主役は自殺した子の友だちにはなってるけど、それは彼のトリックらしい。
正直、辟易としました。親として、「見殺しにしたんだろ」とただ友達を責めるなんて子どもみたいじゃないか。見殺しにしているわけじゃない!と心の中で叫びながらずっと読んでいました。中学生って人生の中で最もしんどい時期で、そういうところに対して慮る大人らしい想像力が皆無。
親としてできることはなかったか、「俺は息子にとってよき父親だったか?」と自問自答し、健全な自己懐疑をしたのかどうか、そこについて何も描写がない。あの卑劣な言動「お前たちを憎んではいない、でも許してもいない」って、「もうええわ、そんな子どもみたいな言葉、不要」とうんざりしました。
再読はしません。わたしにとって、何度も手に取り、読み返したくなる本では、ありませんでした。