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電子書籍
おさがしの本は
著者 門井慶喜
和久山隆彦の職場は図書館のレファレンス・カウンター。利用者の依頼で本を探し出すのが仕事だ。だが、行政や利用者への不満から、無力感に苛まれる日々を送っていた。ある日、財政難...
おさがしの本は
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おさがしの本は (光文社文庫)
商品説明
和久山隆彦の職場は図書館のレファレンス・カウンター。利用者の依頼で本を探し出すのが仕事だ。だが、行政や利用者への不満から、無力感に苛まれる日々を送っていた。ある日、財政難による図書館廃止が噂され、和久山の心に仕事への情熱が再びわき上がってくる……。様々な本を探索するうちに、その豊かな世界に改めて気づいた青年が再生していく連作短編集。
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紙の本
いつの時代もどこの町にもある図書館での出来事。でも今でこそ。
2012/03/26 11:08
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:空蝉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
図書館戦争以来だろうか。小説に漫画にと図書館や古本家を舞台としたミステリが随分多くなった気がする。(最近で言えば「ビブリア古書堂の事件手帖』が記憶に新しい。)
おくればせながら私が読んだのは最近だが、本書がちょうど今出版されていたらこの流行?に乗じてもっと話題になったに違いない、そう思わせる内容と蘊蓄の深い、奥行きのある、面白い作品であった。
本編は5つの短編から成る、寂れた市立図書館のレファレンス・カウンター(以下RC略)和久井を主人公とした本探しの、そして彼の成長物語。(成人男性を捕まえて成長もないもんだが)
大抵こういう作品では大の本好きや凄い推理洞察力の探偵役、歩く辞書の要な膨大な知識人…といった超人的な何かをもつ登場人物を中心に持ってくるものだが、本作にはそういった「特別」がまったくない。
主人公は本に関する知識を持っているが現実的にあり得る程度のレベルだし、
世界に一冊しか無いというようなお宝的プレミア本が出てくるでも、奇妙な事件が起こるでも無し。
登場人物も某小説や漫画のキャラのような特別な能力や美男美女でもない。
難しい依頼は数多いが、検索機では探しきれない「おさがしの本」を図書館利用者の要望から探し当てるのがRCの役割であるから、展開としては事件性の無いきわめて平凡なもの。
依頼にどう対処できるかの過程(物語)を楽しむという、作ろうと思えば本の数だけ人の数だけ作れるパターン構成何処にでもあり得る問題と解決の物語である。
ではこの作品がどうしてこれほどまでに面白いのか。(少なくとも私は面白い!と断言する)
一つには前半のそうした「お探しの本」の依頼解決過程が、本好きにはたまらないということである。
だれでも一冊くらいは探し続けている思い出の本、もしくは必要な本が有る(あった)だろう。ある人のある目的のための「お探しの本」。人の数だけドラマが有るとはよく言うが、その本自体にも、本の数だけドラマが隠されている・・・その発見の度に本作の読者は「へ~」「ほ~」「うそ~」という驚嘆や感心、懐疑の声を上げるに違いない。主人公の淡々とした蘊蓄と初めて明らかになる真実に、かなりマニアックなトリビアを楽しめるというわけだ。
もう一つの醍醐味は主人公の成長…というより自分の中の意外な情熱の発見だ。
利用者の少ない寂れた図書館のRCという、いわゆる「同じ業務をこなすだけの平凡なサラリーマン」や「日常の変化に飽いている」大多数の人々と同じく。成長もやりがいも代わり映えもない毎日に倦怠感を覚えている主人公。
そんな彼に、後半「自治体の財源確保のために図書館廃止」論を振りかざす新館長が立ちはだかる。
一癖も二癖も有る冷徹守銭奴的なこの新館長が実は人一倍本好きで、なんとも憎めない悪役なのも魅力的だ。(ドラマ「相棒」でいう小野田官房長のようなもんか)
彼の与える本探しの難問と、図書館存続の為の代表答弁と・・・次々に襲いかかる問題に、いつの間にか熱くなっている彼がほほえましい。
あり得る設定、あり得るキャラ、だけど普段お目にかかれない地元密着の裏事情。
手が届きそうで届かない、そんなストーリーが読者をいっそうリアルに楽しませてくれるに違いない。
そしてもう一つ、新名所スカイツリーの完成を目前にしている今だからこそ感慨深いのが2話目の「赤い富士山」だ。
少年時代に夢中になった、姉との思い出の本。赤い富士山の絵があった…其の本を探してほしいという依頼なのだが、実はこの富士山、ネタバレになるので何も言えないのだが想いもよらない「名所」に繋がるのだ。
こう紹介すればおおよそ見当がついてしまうだろうけれど、きっと「あの名所」と富士山をを美しいと感じる人なら誰でも感慨深いに違いない。
スカイツリーの入場予約も始まった。東京に日本に新しい名所ができる今このときこそ是非ご一読を。
紙の本
本好き、図書館好きにオススメ
2023/02/12 08:02
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゼロ - この投稿者のレビュー一覧を見る
図書館のカンファレンスカウンターで仕事をする主人公。
何も期待を持たず、淡々と仕事している日々の中、お客様の探す本に立ち向かって、難題をクリアしていく。
お客様の思い出や必死さに半ば振り回されながらも冷静に、少ないヒントから本を探していく。
そんな日常にやってきた新副館長とは?
図書館を取り巻く難題をどう解決していくのか?
図書館好き、本好き必見の作品です!
電子書籍
図書館が大好き
2018/11/27 07:14
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
だけどカンファレンスの方に、相談したことはないので、本書を読んで、一度利用してみたいなと思う。
そのカンファレンスの方が解くミステリーというのが興味深い!
電子書籍
各話印象に残る
2020/11/30 22:26
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:29n - この投稿者のレビュー一覧を見る
作家らしい博識さ。図書館で働いた経験もあるのでしょうか?
紙の本
無気力、かな?
2018/06/12 11:37
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:L - この投稿者のレビュー一覧を見る
あらすじに「仕事に無気力」とあったものの、自分には十分仕事熱心に思えました。そして、純粋な「図書館のお仕事」ぶりは興味深かったです。
紙の本
極端かなあ
2023/04/03 13:56
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
ていうか、図書館の職員って、市とかの職員だったの?
そりゃそうかって気もするけど、異動とかあるのね。
予算にも限りがあるもんね。
紙の本
おさがしの本は
2023/03/31 16:19
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:もこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
司書の方には共感を得られると思います。専門的な分野をとても忠実に描いていると思います。
ただ、お話としては理屈っぽく、展開もくどいと感じました。
毎回毎回、早合点と言うか勇み足のように違う本を「この本では?」と言うのは、またか、と思わせてしまいます。
図書館が好きで、本が並んでいる書架が好きで、期待が大きかったのかもしれません。
読むと図書館がグッと身近に感じることは、間違いありません。
紙の本
内容が興味深い
2019/02/22 11:35
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぱぴぷ - この投稿者のレビュー一覧を見る
まず表紙の絵が好きです。どこかでみたことのあるような、自分の好きな建物のいろいろが合わさったような図書館の絵。
文章は正直、読みづらかったのですが、内容が面白かったので、最後まで読みました。公立図書館の仕事の日常とか、レファレンス業務の実際とか、地方行政における図書館の位置とか垣間見えてよかったです。個人的には、図書館には、絶版になって手に入りにくい本が置いてあるし、郷土史の本が充実しているしetc.で、新刊の本屋さんとは違う魅力があると思っているので、なくなったら困るなと思っています。
紙の本
やっぱり、読み難い
2017/08/08 09:36
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:読書はじめました - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ホテル・コンシェルジュ」を1話でリタイアしたので、他の本はどうだろうと購読。
やっぱり読み難い。
何行か読むだけでもシンドイ。
2、30頁くらいでリタイア。
どうも私にはこの作者さんが合わないようだ。
もう、二度とこの作者さんの本は読まない。