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読割 50
紙の本
復興の精神 (新潮新書)
著者 養老 孟司 (著),茂木 健一郎 (著),山内 昌之 (著),南 直哉 (著),大井 玄 (著),橋本 治 (著),瀬戸内 寂聴 (著),曽野 綾子 (著),阿川 弘之 (著)
東日本大震災以降、私たちはどのように考え、どのように行動し、どのように生きていくべきなのか。この問いに、養老孟司、瀬戸内寂聴、阿川弘之ら9人が正面から答える。【「TRC ...
復興の精神 (新潮新書)
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商品説明
東日本大震災以降、私たちはどのように考え、どのように行動し、どのように生きていくべきなのか。この問いに、養老孟司、瀬戸内寂聴、阿川弘之ら9人が正面から答える。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
精神の復興需要が起きる | 養老孟司 著 | 11−36 |
---|---|---|
変化への希望 | 茂木健一郎 著 | 37−65 |
公欲のために私欲を捨てよう | 山内昌之 著 | 67−91 |
著者紹介
養老 孟司
- 略歴
- 〈養老孟司〉1937年神奈川県生まれ。東京大学名誉教授。著書に「バカの壁」など。
〈茂木健一郎〉1962年東京生まれ。脳科学者。ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。著書に「脳と仮想」など。
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紙の本
エネルギーも人の気持ちも営みも循環する社会に
2011/08/01 17:43
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る
東日本大震災からの復興への提言集。
養老孟司・茂木健一郎・山内昌之・南直哉・大井玄・
橋元治・瀬戸内寂聴・曽野綾子・阿川弘之と
豪華なラインナップ。
甚大な被害の前に皆、一様に沈黙し
そこから立ち上がるべく
自ら為すべきことをし始める。
冷静で勤勉で協調的な日本人を分析する同時に
リーダー不在の政治を嘆き、
それでもなお、希望を持ち続ける生き方を提示します。
印象に残った言葉を少し引用します。
養老孟司は原発事故に対して
「武道の極意は先手を取ることだといいます。いいかえれば状況を自分がコントロールすることで、自分が状況に引きずりまわされないということです。
事故直後に、一気に全部やって状況をコントロールするという選択肢もあったはずなのに、それができなかった。このあたりが日本人が持つ弱点です。」
また生き方について
「生きていれば、さまざまな悪いことが起こります。しかし、何かあったときには最終的にプラスになるように考えるしかないのです。
プラスになる、というと得をするというふうに思うかもしれません。そういう意味も含んでいないわけではないけれども、この場合、むしろ人生が完成する、より成熟する、よりよい答えになるということです。
自分の人生がよりいい作品になる。そう思えばいいのです。」
曹洞宗の僧侶・南直哉は生き方について
「我々の頑張り方に欠陥があることは、もう明らかだろう。
次の志を根底において支えるのは、禅師の言う「無常」であり、あるいは我々の「無力」の、見にしみるような自覚である。その自覚がない「ガンバリズム」は、いつまでもいきているつもりで様々な工夫や謀をめぐらす、僭越で無知な企てにすぎない。
ならば、他者に直面し、その無力さにおいて切に意志して、我々は今、この大震災後の生を受け容れるべきである。いままでとは別の存在の仕方を、決断すべきである。仕様がないなあ、と低く呟いて、それでも、立つべきなのである。」
集末期医療の臨床医・大井玄は
アメリカと日本の倫理意識の差を
「開放系倫理意識」と「閉鎖系倫理意識」として説明しています。
今回の日本人の他者との繋がりを意識した行動は
「閉鎖系の日本人にとってとても心地いい倫理感」であり
反面、「指導者の無能、外交ベタ、コミュニケーション能力の欠如は
幕末の頃からなんら変わっていない」と指摘します。
それでも、この退者への繋がりを強調する無私の行動、
他者への献身、勤勉などは
復興への大切な要素であると指摘します。
そしてそれによって日本は必ず復興すると。
そして本書全編に流れているのは「循環」の意識です。
災害の多い日本はたびたびすべてが破壊されてきました。
そのため、建築は木造ですぐに建造できるようになっています。
伊勢神宮の内宮も20年に一度新しく建造されます。
精神的にも「水に流す」、
あるいは年末でいったんすべてを「白」にし
新しい年を迎え(同時に新しく年をとる)とすると
すっきりして気持ちいい。
輪廻転生もそんな心理を表したもの。
明治維新以降、「外へ」「前へ」と進んできた日本ですが
この辺で「循環」という日本の精神性を取り戻し
国を建築する時に来ているのではないかと感じられました。
紙の本
復興のためにはまとめていくべき多様な意見
2011/06/26 22:22
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Kana - この投稿者のレビュー一覧を見る
東日本大震災をどう経験し,どうとらえ,どう復興すればよいとかんがえるかは,この 9 人の著者もひとそれぞれだ. 自分は被災しなかったにもかかわらず,これまでとはすっかりかんがえかたがかわってしまったひともいる. また,これまでとかわらない,つまりある意味で震災に対する準備がすでにできていたひともいるようだ.
読者 (としての私) からみれば,共感をおぼえる意見もあれば,嫌悪を感じる意見もあるだろう. 自分にちかい意見にちからづけられることもあれば,自分とはちがう意見からまなぶこともあるだろう. しかし,ひとびとはすくなくともこれだけの幅のあるかんがえをもっているということを知るべきだ. 東北をそして日本を復興させるためには,そういうかんがえをまとめていく必要があるということになるのだろう.