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ローマ人の物語 2 ローマは一日にして成らず 下 (新潮文庫)
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紙の本
いきなりのパンチ!
2012/06/13 15:37
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:GTO - この投稿者のレビュー一覧を見る
2巻は、いきなりのパンチで始まる。
「民主政体を機能させるのに、民主主義者である必要はない。」
全巻を通して、最も心に残った言葉の一つである。1巻同様、心に残った言葉を列記します。本を読んで、これらの言葉と出会ってください。
「無為無策のリーダーならば、見捨てられることはあっても失脚はしない。」
「衰退期に入った国を訪れ、そこに示される欠陥を反面教師にするのは、誰にでもできることである。だが、絶頂期にある国を視察して、その国のまねをしないのは、常人のできる技ではない。」*
「自由と秩序の両立は、人類に与えられた永遠の課題の一つである。自由がないところには発展はないし、秩序のないところでは発展も永続できない。」
「独裁政の最大の欠陥は、たとえ悪と出てもチェック機能をもたないところにあった。」
「兵士ほど、指揮官の能力に敏感な者はいない。無能な指揮官の下では、無意味に命を落とすことになるからである。」
「私には、衆愚政とは、人材不足からくる結果ではなく、制度が内包する構造上の欠陥が表面にあらわれた現象に思えてならない。」
「抜本的な改革とは、それを担当する人間を入れ換えることによって、はじめて十全になされるものである。」
「負けっぷりが、良かったからではない。負けっぷりに、良いも悪もない。敗北は敗北であるだけだ。重要なのは、その敗北からどのようにして起ちあがったか、である。」
「真の保守とは、改める必要のあることは改めるが、改める必要のないことは改めない、という生き方ではないだろうか。」
「キリスト教を知らなかった時代のローマ人を書くのに、キリスト教の価値観を通して見たのでは書けない」
3巻に続く
紙の本
2
2019/12/02 20:24
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
文庫43巻の2巻目。読み通せるか不安を抱きつつ読み始めましたが、大変読みやすく、世界史に無知な自分でも読めそうです。
紙の本
王政から共和制へ
2016/05/31 21:15
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投稿者:あや - この投稿者のレビュー一覧を見る
統治機構の変化によって生じるメリット/デメリットは
現代でも学ぶものがあるはず。
またギリシャとは別に大陸側に接するケルトやゲルマンなど、
古代の欧州の状況もだんだんと頭に入ってくるようになります。
紙の本
著者から読者にあてた長い手紙
2002/06/18 11:30
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投稿者:白井道也 - この投稿者のレビュー一覧を見る
上下巻合わせて400ページぐらいなのに、なんでわざわざ分冊にするんだよ、と思ってたら、上巻の頭にある“文庫刊行に際しての、著者から読者にあてた長い手紙”にその理由が書いてあった。塩野七生の本を読むのは初めてだけど、これを読んだだけでも塩野の凄さがわかった。
紙の本
塩野先生の見事な筆で凝縮された古代ローマの歴史の精髄に触れた
2023/08/27 09:32
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投稿者:大阪の北国ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
下巻では紀元前390年のケルト人によるローマへの襲撃とローマ敗戦が前半のトピックスである。完膚なきまでに叩き潰されたローマの街とローマ人のプライドをいかにして取り戻してきたかを、これ以降の歴史を詳細に辿ることによって復元していく。そこでは単なる史実の積み重ねだけではなく、著者の取材に基づく見聞や思考が大いに盛り込まれており、楽しく読めるし、なるほどと頷かせられる記述も多い。ローマがケルト人にそんなにまで破壊されつくしたことも知らなかった自らの不明を恥じた。
そもそも「ギリシア・ローマ史」は、世界史の教科書では●大文明のすぐ次にくる重要なスタート部分であるのは今更言を待たないが、一般的に新聞記事の如く淡々とした無味乾燥な記述が続く教科書ではこの時代の人々や史実に思い入れも興味も湧かず、読むに耐えなかった。私も含め、この冒頭部分で世界史学習を投げだした人も多いのではないか。本書がもし教科書であったなら、世界史のファンは遥かに多くなろう。もちろん私もその一人である。
後半にはイタリア半島におけるローマの存在が大きくなっていく過程が描き出される。山岳民族やギリシア系の人々との戦いを通してローマ人の思考回路の形成過程まで記述されるのは面白い。塩野先生の慧眼とわかりやすい論旨の展開に何度も感心させられた。
以前に免疫学者の多田富雄先生の著書で知った「高度な文明をもっていた民族」エトルリア人の存在。その跡形がほとんど残っていない謎を知りたいと思っていたが推察される答えは簡単だった。ローマ人によって完膚なきまでに破壊され尽くしたのだろう。
私はこの上下巻を読み終えてしばしの道草を締めくくり、スタートしていたラテン語学習に戻ろうと思うが、ローマ人の長い物語の序章であるこの上下2巻のみで充分な読み応えを感じた。機会があれば他の巻も読んでみたい。
紙の本
続 ローマの始まり
2023/03/27 15:28
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かずさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
上巻に続きローマの始まり「ローマは一日にして成らず」。上巻と合わせ初期500年の歴史が書かれている。上巻からのギリシャの歴史と政体から始まりいかにしてローマが単なる都市国家から版図を広げていったか。軍事組織だけでなく従えた周辺都市での政策も書かれている。ローマの政体では行政官や市民権について述べ政治形態を解りやすく解説している。結びで作者が何故1000年も続いたローマ帝国ができたかを書く気になった理由を述べ、続いた理由を考えている。上巻と同じく読みやすいローマ史。
紙の本
なぜ、ローマ人だけが天下を取れたのか?
2015/08/31 22:41
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:historian - この投稿者のレビュー一覧を見る
「一歩前進半歩後退を繰り返して(本文より)」勢力を広げていった都市国家・ローマ。そして、強大な敵をも撃破する力をつけ、500年かけてイタリアの統一に成功する。
なぜ、他の民族に比べて格段に優れた能力を持っていたわけではないローマ人が天下を取ることができたのか、という筆者の問いは、全ての民族にとって大きな意味を持つ問いだと思う。
紙の本
共和制の意義
2002/07/31 15:12
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:17Caesun - この投稿者のレビュー一覧を見る
紀元前5世紀、先進国ギリシアに派遣されたローマの視察団が見たものは、
指導者ペリクレスの下で空前の繁栄を謳歌する都市国家アテネの姿。
しかしローマは、現在でも民主政の手本とされているアテネの政体を模倣
するのではなく、共和国として寡頭政を選択した。
当時のアテネは形の上では民主政、実質はペリクレス1人が支配する国で、
彼ほどの人材に恵まれなければ民主政はうまく機能しない、というのが
著者の考えである。
現代日本も民主政だが、選挙に出馬して勝つのがまず大変である。
膨大な時間と金と労力がかかる。
有能であり続けるためにはその間も勉強は欠かせない。
当選後は他の議員達と友好関係を築き、
強大な派閥のなかで権力を握り、役職を無難に勤め上げて、首相になる。
首相になった時点で体力も知力も残っており、なお社会の問題に通じ、
市民的な感覚を持ち合わせていれば、ようやく民意を反映した有能な
リーダーの誕生となる。それでも民主政のリーダーの権力は
あまり強力でないので、何をするにしても、多数決で勝利するための根回しや、
意見調整ができなければならない。
これら全てをこなす力をもった人間が出てきて初めて、民主政は正しく機能する。
それはほとんど奇跡に近い。
まるで人材を潰すことを目的としているようなシステムである。
確かに独裁者の出現を未然に防ぐという点では効果的だが、
取柄はせいぜいそのくらいではなかろうか。
著者はローマ繁栄の要因をそのシステムにあるとし、
興亡の原因を市民の精神性に求める説を否定する。
本書の前半では独自のシステムを採った共和制ローマの政治体制について解説し、
後半は周辺部族との争いを経て、イタリア半島統一へと進んでいく。