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塩狩峠 改版(新潮文庫)

  • 発行年月:2005.2
  • 出版社:新潮社
  • レーベル:新潮文庫
  • サイズ:16cm/459p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-10-116201-8

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塩狩峠 改版 (新潮文庫)

三浦 綾子 (著)

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ユーザーレビュー

全体の評価 4.1
4.1
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物事の背景を探り、聖書の意味を三浦綾子の小説から知る。

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2010/05/12 10:33

評価5 投稿者:浦辺 登 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 この小説は実際に起きた鉄道事故を基に書かれたものだが、めったにこの著者の作品を手にしないのに、この作品を読もうと思ったのは明治時代に起きた「お召し列車事件」という別の列車事故を考えてみたいと思ったからだ。
 北海道塩狩峠で明治42年2月28日、暴走する列車がカーブで転覆しそうになる巨大事故を一人の鉄道員が自らの命を捨てて防いだ。片や、「お召し列車事件」は明治44年11月10日に明治天皇が九州巡幸にあたり乗車予定であった列車が脱線事故を起こし、死傷者は居ないにも関わらず、その管理責任を問われて鉄道員が鉄道に飛び込んで自殺をしてしまった。
 乗客の生命を守るために自らの命を捨てた鉄道員、管理上の不手際から自責の念に駆られて自殺してしまった鉄道員。ともに鉄道に生きる身でありながら、その二人を取り巻く人々の感情の違いを知りたかったからである。
 この作品はキリスト教信仰に生きる鉄道員の自己犠牲の姿を描いている。まさに、キリスト教信仰に目覚めた、三浦綾子にしか書けない内容の小説だった。

「お召し列車事件」では、飛び込み自殺をした鉄道員の顕彰碑建立の意見が出たことに対して、「福岡日日新聞」という地元紙に九州帝国大学総長の山川健次郎が意見記事を出したことから紛糾した。反天皇ともとれる内容であったために問題とされたが、山川健次郎の物理学会における功績の大きさもあってか、不問となり、後に東京帝国大学の総長に再就任までしている。
 もしかしたら、山川健次郎は明治42年の事件を知っていて、あえて、バッシング覚悟で意見記事を出したのではないかと思える。それも、山川健次郎の妹でありクリスチャンの大山捨松(薩摩閥の大山巌の夫人)から塩狩峠での鉄道員の自己犠牲を聞いて知っていたのではないかと推察する。明治初年、朝敵となった会津若松の白虎隊生き残りが山川健次郎だが、生命の尊さ、自らの生命を捨てるのは他者のためという信念を持っていたからではと考える。
 本来、小説についての評を記さなければならないのだが、山川健次郎が日本全国を敵に回してでも意見を曲げなかった背景を知るには、この小説を読むしかないと思った次第だが、山川健次郎はアメリカ留学時代に聖書を読んでいたのか、などとも。
 日常、聖書に触れる機会が皆無に等しいため、山川健次郎の心象風景を洞察するため、三浦綾子のこの小説を選んだ。

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絶対最強、愛のうた。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2016/04/24 09:03

評価5 投稿者:たけぞう - この投稿者のレビュー一覧を見る

三浦綾子さんは信仰に生きた人で、キリスト教を扱った作品が多い。
この物語も、明治四十二年に北海道の塩狩峠で起きた、クリスチャンの
青年の行動を下敷きにしている。

旭川六条教会のつながりで、三浦さんはある方の信仰の手記を目にし、
長野政雄さんという方の生涯を知って深く激しい感動を覚えた。
本人の希望で日記などの主だった記録は焼却されており、周りに残っていた
断片情報を聞き取りながら人物像を作り上げたようだ。
だからこの作品は間違いなく小説だし、創作部分も多いのだが、鬼気迫るとは
まさにこのことであった。

少年時代、祖母と父に育てられ、実の母は死んだと聞かされていた永野信夫。
東京の本郷の屋敷住まいだ。
きかん坊で士族のプライドを祖母に植え付けられた少年は、しかし父を
失望させる。父の気持ちが理解できない永野。

祖母が突然の死を迎えたあと、ある日、母と名乗る女性が現れた。
しかも少女を連れ、妹だという。
聞けば、キリスト教の信仰が原因で祖母から絶縁状態にされていたらしい。
しかし永野は納得がいかない。
実の子どもと別れてまで選ぶキリスト教なんてとんでもないと。

永野は、ことあるごとに信仰の不可思議さに戸惑いながら成長していく。
小学校で、無二の親友となる吉川と足の悪い妹との出会いも、永野の
人格形成に大きな影響を与える。

明治の頃は、キリスト教はヤソと呼ばれ、忌み嫌われた時代。
その中で、真実とは何か、こころとは罪とは死とはなど、人間の根源に関わる
思索を深めていく永野の人間性に、知らず知らず惹きこまれていくのである。

だから……泣いた。泣いたよ。
泣き系小説とか、恋愛小説とかいろいろ読んできたが、なんというか、
この作品は質が違った。
どっちが上とか書いたら作者から怒られそうだが、でも、次元の違いを
見せつけられた気がするんだよね。

大事な情報を一つ。裏表紙の紹介文は読まないほうがいい。
氷点も同じだったのだが、新潮文庫の古い作品は、どうも裏表紙の紹介を
書き過ぎているきらいがある。注意されたい。

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りん

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2015/12/25 13:22

評価5 投稿者:鈴木涼子 - この投稿者のレビュー一覧を見る

作者の言葉に引き込まれてしまいました。ただただ、素晴らしい

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One of the Best

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2014/09/13 05:43

評価5 投稿者:JY - この投稿者のレビュー一覧を見る

日本人の小説はあまり読まないですが、この本は今まで読んだ本の中でベストの部類に入る良作でした。この作家が好きになりました。

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背表紙は絶対に読まないで下さい!

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2004/12/29 15:40

評価5 投稿者:KUNkun - この投稿者のレビュー一覧を見る

ミッション系の高校で宗教の授業の際に紹介され読みました。
私自身は無宗教なので、宗教色の強いものには抵抗がありました。
しかし、ページを進めるうちに引き込まれ一気に読み終えてしまいました。
自己中心的な人間が増えている現在、自己を犠牲にする尊さを気づかされました。

三浦綾子さんといえば『氷点』が代表作ですが、それを凌ぐ作品です。
“この本を読んで涙が出ないやつは人間じゃねえ!”と叫びたい、絶対お薦めの一冊です。クライマックスでは涙だけでなく声を出して泣いてしまいました。

私自身は背表紙を読んでから購入したのですが、これから読まれる方は背表紙を読まずに本文を読んで下さい。

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人にはそれぞれ役割があることを、命がけで教えてくれた

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2002/07/06 15:29

評価5 投稿者:yumi - この投稿者のレビュー一覧を見る

 聖書には「人がその友のために命を捨てること、これよりも大きな愛はない」という一節がある。まさにこれを自らの命をもって示したのがこの小説の主人公、永野信夫である。読み終わって何日もこの本のことばかり考えていた。それほど心に深く入り込んできた小説だった。
自分の命を捨てることで大勢の命を救った彼の生き方に、「自分は何のために生まれてきたのか」という自らへの問いかけをせずにはいられない。普段何も考えずに生活していることが多いものだが、人はそれぞれ役割を持って生まれてきている。もちろん、生まれてすぐに亡くなる赤ん坊にも何らかの役割があったのである。それがいったい何なのか。自らにこう問いかけ続けて生きる姿勢は、その人生をも何倍も豊かに、実りあるものに変えるはずだとこの小説を読んで痛感した。
 キリスト教信者の物語、ということだけでは語り尽くせない奥深さがあると感じる。最後に出てくる聖書の言葉「一粒の麦、地に落ちて死なずば、唯一つにて在らん」にこの小説の意義が集約されている。聖書ではこのあと「もし死なば、多くの果を結ぶべし」と続くのだが、この言葉どおり、多くの果を結ばせた主人公の死は決して単なる「人の死」ではない。自分は他人のために命を投げ出すことなどとてもできないだろうが、せめて自分の存在が人の役に立っている、そんな生き方をしたいものだと心から思うようになった。

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心が洗われるような一冊。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2002/04/20 23:53

評価5 投稿者:よしの - この投稿者のレビュー一覧を見る

母はいないと思って育った主人公『信夫』。しかし祖母の死をきっかけに母に出会い、キリスト教に出会う…。そして信夫はキリスト教により生き、キリスト教により死んだ。

とにかく泣けます。信夫の信仰に対する熱い思いには誰もが胸を打たれ、そして信夫の死には誰もが涙すると思います。キリスト教徒としての信夫の姿が中心に描かれていますが、『ふじ子』への思いも人間らしく描かれているラブストーリーとも言えます。是非読んで欲しい一冊です、

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考えさせられます

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2016/05/02 08:38

評価4 投稿者:黄成 - この投稿者のレビュー一覧を見る

評価が非常に高く、泣ける話としても紹介されていたので読んでみました。
実際かなりきつい話です、実話を基にしている様ですが、著者の三浦さんの宗教観も強く影響しているようです。
この話で泣けない人は少ないかもしれません。
・・・ただ、そのあまりの禁欲振りに、自分だったら・・・まわりの方々の気持ち・・・など、
ついていけない部分も少しあったのが本音でした。

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名作です

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2015/08/14 12:13

評価4 投稿者:john - この投稿者のレビュー一覧を見る

子供のために買いました。現代の日本人には共感できない部分も多いかも知れないけれど、一度は読んでおいたほうが良い作品だと思います。

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愛と生と死

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2015/06/07 09:18

評価4 投稿者:MR北海道 - この投稿者のレビュー一覧を見る

愛と生と死
これは、三浦綾子さんの最大のテーマだと思う。

もともと、結末は知っていたのだが、その過程がなんとも切なく儚く、読む人を魅了する。さらに、主人公が真っ直ぐな人で、信念を持って行動している人だった。
「信念を持って行動すれば必ず報われる」そんなことをこの本から学んだ。

是非、1度は読んで欲しい。感じることは人それぞれだと思うが、感動するのは間違いない。何かしらを心に残す1冊。

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犠牲

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2002/07/28 01:21

評価4 投稿者:アセローラ - この投稿者のレビュー一覧を見る

私は無宗教なのですが、この小説を読んで深い人間愛というものに触れたような気がしています。私に、人のために命を捨てることができるかと言われたら、多分できないだろうと思うのです。信仰が人をそうさせるのか・・・。もしそうなのだとしたら人間というものに今さらながら驚きます。私にとってこの本は、人間というものを広い意味で問い直させてくれるものになりました。

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評価4 投稿元:ブクログ

2004/10/15 09:10

中学のとき友達に勧められて読みました。最初は「ん〜?」と思っていたけど、読みきって彼女が勧めてくれた意味が良く分かった。心に残る本です。

評価3 投稿元:ブクログ

2004/09/26 04:33

椎名林檎オススメの小説なので読んでみたのですが、あんまり共感できませんでした。自分の幸せもすこしは願いたいと思う。

評価4 投稿元:ブクログ

2004/09/30 11:55

初めて三浦綾子女史の作品に触れたのがこの「塩狩峠」でした。作者の作品全般に言えることですが、自分の生き方をかなり考えさせられます。それほどに難しい問題を扱ってます。

評価3 投稿元:ブクログ

2004/12/12 02:56

禁欲的な人の物語、好きです。北国の寒い、凛とした空気がすごく漂ってきて物語全体に薄く膜を張っているようです。

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