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みんなのレビュー714件

みんなの評価3.7

評価内訳

691 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

日本よ,よみがえれ

2006/07/18 01:49

14人中、14人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:BCKT - この投稿者のレビュー一覧を見る

 1943年(満州国)生まれ。新田次郎(作家)と藤原てい(『流れる星は生きている』)の次男。東大理学部数学科卒後,同大大学院修士課程修了。ミシガン大学研究員(72年,29歳)。理学博士(73年,東大,30歳)。専門は数論。コロラド大学助教授(73年)。お茶の水女子大学理学部数学科教授(88年,45歳)。『若き数学者のアメリカ』で第26回日本エッセイストクラブ賞受賞(78年)。本書は,城西国際大学東芝は国際交流財団共催の講演記録をもとに執筆したもの。手許のは17刷。著者62歳の作品。バンバン売れてる。編集者の名前が見当たらないのは,こんなのがここまで本格的に売れるとは,編集者自身も予測できてなかったからだろう。定年前に印税で一財産。いいなぁ。
 趣旨は,国家の品格は,論理ではなくむしろ武士道精神によって培われる,というもの。形式論理の象徴でありと同時にその神である数学の研究者が,論理の限界を論じたもの。というよりむしろ,論理は危険だ的な主張だと言える。「私はガーナ人でガーナを愛さない奴がいたらブッ飛ばします。韓国人で韓国を愛さない奴がいたら張り倒します。仮に張り倒さなくても,少なくともそういう人間とは絶対に付き合いません」(112頁)という発言に見られるように,郷土愛や祖国愛の欠如した人間や,無意味な発言を英語でピーチクパーチク話すインターナショナル・バカを軽蔑しており,小学校への英語教育導入に真っ向から反対していて,国語教育を重視する立場。小学生に株式投資を教える課程を無用(有害?)と切り捨てる立場。
 そりゃそうだろう。言ってることは正論だ。これがわからない奴は,本当にダメだ。ヒトを殺してはならない。何故か? ダメだからダメなんだ,それ以外に反論する論拠はない,というもの。まったく同感だ。三浦朱門と曽野綾子の夫婦的価値観を藤原夫婦が継承しているという印象(僕は三浦が個人的に嫌いだけど)。
 問題は,そんな教育がこの変質した家庭=新世代を育んでいる男女に通用するかどうか,だ。最近の夫婦は確実に変質している。歴史の流れだと言ってしまえばそれまでだが,日本だけが変質しているような気がしているのは,僕が世界を知らないからだけなのかもしれない。でも,東大数学科を出ても似たような発想があるということは,多少は根拠もあるのかもしれない。
 ただね,加藤恭子『英語を学ぶなら、こんなふうに』が言っていたが,欧州人どもが桜の美意識を感じないのは,桜が違う生育をしているからという生物学的な事実もあるということに藤原が無知なのが気にかかる(104-5頁)。加藤によれば,桜はアイルランドではなかなか散らず,根性のある桜(はな)として認識されているらしいのだ。たしかに藤原の叫ぶ心情はよく理解できるし,同情もするし,同感だが,事実に基づかなければ,それは妄想だと言われても仕方がない。この点,小林よしのりに限りなく漸近している。
 キリスト教に端を発してホッブズからアダム・スミスを経てフリードマンまでに至る経済的自由主義的思考(藤原はこんな用語を用いていないが)を叩くあたり,羨ましいなぁとは感じる。たしかに,誰でも知っているように,合衆国は自由を尊ぶが,規範遵守に対しては日本と比べ物にならないくらい厳しい。三権分立はしっかりと分立している。合衆国を擁護する気はないけれど,事実は認定しておかなきゃ。日銀総裁が特定のファンドに出資しておいて,“規則がないから”,“素人だから”という弁解で済むようなら(これがインサイダー取引でなければ,法的再定義は必至だ),日本には活動の自堕落があるだけだ。日本の司法が無能呼ばわりされても,それは自業自得というものだ。
 日本よ,よみがえれ。(1722字)

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紙の本

主張がわかりやすい

2006/04/15 10:45

13人中、13人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:あたる - この投稿者のレビュー一覧を見る

書かれている主張が極めてわかりやすいので、多くの読者を集めることができたと思う。
現在の、わが国におけるグローバリゼーションの流れに対するアンチテーゼを提示し、わが国の本来持っている「美徳」を、「武士道精神」という視点がら一貫して導き出しており、極めてわかりやすい主張を展開している。
ただし、非現実的な主張も散見されるので、いわゆる「鵜呑み」にしてしまうのは危険。

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紙の本

「究極の競争社会、実力社会はケダモノの社会です。」と言える実力者になるために

2005/12/25 21:18

13人中、13人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:GTO - この投稿者のレビュー一覧を見る

「はじめに」において、『孤高の日本』という表現が使われていて、作者が父親を尊敬して成長し、今の彼になったことが感じられる。そして、この著者の考えそのものよりも、そのような親になることこそ、日本を救う道なのだと思った。

 いくつかの行き過ぎの発言を除けば、著者の意見は正論である。多くの知識人は肌でその正しさを感じてきたが、多数の論理・人権信仰の前に屈してきたのが実情であろう。

 欧米崇拝主義やアメリカ中心主義に対して「二十世紀の最後の頃から跋扈し始めたグローバリズムは、冷戦後の世界制覇を狙うアメリカの戦略に過ぎません。」とか「パリ講話会の時に、日本が本気で提案した「人種平等法案」が否決されています。」などとあっさり言い切っていて気持ちよい。西欧の学術が遅れていたことは、村上陽一郎の『やりなおし教養講座』でも言及されている。だが、ドイツがいい、イギリスがいい、アメリカがいいという比較文化論よりはよいとして、日本しか世界を救えないというのは、言いすぎである。日本が世界により優れた価値観を提示するのだという気概は大切だとしても。

 自由、平等より惻隠の情や情緒と形のほうが日本文化に合うことに間違いはない。嘘をつくな、卑怯なことをするな、弱いものをいじめるななどは、「なぜ」を問わせず「駄目なことは駄目」で徹底させていれば、最近の事件の多くがおこらなかったと思う。そして、それを教えることは親の義務である。

 女性のこと(特に妻のこと)を書く時、著者は品格を失う。これでは武士道が泣く、書くべきではなかった。これを除けば、すべて読む価値がある内容だ。

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紙の本

★情緒と論理は車の両輪☆

2006/01/17 13:31

9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:jupitorj - この投稿者のレビュー一覧を見る

★情緒と論理は車の両輪☆
 本書の後半の情緒に関する主張は共感できるものが大部分だ。しかし、前半の論理に関する主張に対しては、言いたいことがある。著者は「長い論理」と「短い論理」と「論理の徹底」の問題を主張する。「長い論理」が「風が吹けば桶屋が儲かる」式の論理を言い、「短い論理」が短絡的論理を言い、「論理の徹底」が市場原理主義の論理の徹底を言うならば、問題は無い。「風が吹けば桶屋が儲かる」式の論理はその正しさの確率が極めて低くなるのは、著者の言うとおりだからである。短絡的論理が、人々の情緒と思い込みに訴える危険なものだからである。市場原理主義が、金銭的計算的合理性に過ぎず、資本家が利益を得るための論理であり、全体としての人間の幸福を勘定に入れたものではないからである。
 しかし、その論理に対する批判は、立派な理論家・思想家の長い論理一般に対しては必ずしも妥当するものではない。彼らは、長い論理を組み立てる。しかし、その長い論理は、確実な前提に立った上で、短い確実な論理を論理的に積み重ねて結論に至る。前提を選ぶに際しては慎重であり、確実な前提を得るために努力を積み重ねる。短い論理は、時や場所、他との関係、意味するものなど、その妥当範囲を限定した確実なものとする。短い論理を積み重ねて長い論理にする際には、その論理関係の正しさを確保するように注意する。一応の結論がでれば、それまでの論理を点検すると共に、情緒的に受け入れられるものかの観点からも点検する。事実による批判を受ければ、前提や論理が誤っていないか点検し、修正できるものなら、前提や論理を修正する。立派な理論家・思想家ならば、必ず、こうしたステップを踏むだろう。その長い論理は、深みに達することができると共に、一歩一歩前進するが故に誤りが紛れ込んでいないか検証することが容易である。頭の良い男なら、こういったことを実践するだろう。筆者が53ページで述べている東大出の男は大変頭の悪い男ということになる。
 そして、情緒の徹底にも問題がある。ヒトラーとドイツ人によるホロコーストは「ユダヤ人憎し」の情緒に起因する。ベルサイユ体制は、「ドイツ人憎し」の情緒に起因する。日本の美しい情緒と形を徹底したのが、太平洋戦争である。情緒が突出したため、このような不幸が生じた。そして、戦後、日本の美しい情緒と形は、論理的裏づけを欠いたために、敗戦の事実とヨーロッパ思想を前に衰退した。さらに、最近では、ジェンダー理論が論理により否定されるまで、男女間の美しい情緒と形を否定するフェミニズムが跋扈した。誤った情緒の行き過ぎを抑えるためにも、美しい情緒を守るためにも、正しい論理は必要なのである。自分は、ある情緒と形が「美しい情緒と形である」と考えても、美しいと考えない人もいる。人殺しを肯定する人もいれば、卑怯がカッコいいと主張する者もいる。そうした人に対して、説得を行うには論理が必要である。正しい論理が人殺しを否定する原則を打ち立て、卑怯はよくないことだという確実な根拠を提供する必要がある。私の「新しい幸福の原理」は、そのような要請にこたえるものである。
 そして、19ページで述べられている「荒廃の真因」である。宗教・道徳主義の力を奪った唯物論・共産主義、脱構築の哲学・思想、左翼・フェミニズムの理論などが力を失った。しかし、唯物論等の力を奪い、道徳に力を与える新しい哲学・思想が既に存在するにもかかわらず、その存在が否定され、無視されている。新しい筋の通った理想が存在するにもかかわらず、学問の理想と真理の原則に反して無視されている精神の空虚が真の原因である。その結果、理想が力を失い、現実主義・実力主義・経済主義・拝金主義が横行しているのである。

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紙の本

数学者、藤原正彦氏による日本論です!

2016/09/18 12:36

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

本書は、数学者である藤原正彦氏によって2005年に発表された日本論です。「我が国は世界で唯一の情緒と形の文明であるにも関わらず、国際化という名のもとにアメリカ化に踊らされてきた日本人は、この誇るべき国柄を長らく忘れてきた」と筆者がいうように、もっと日本のもつ伝統や美を堂々と誇っていくべきであるという日本人に誇りと自信を与えてくれる画期的な書となっています。

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2011/06/12 19:23

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2005/12/29 23:13

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2011/09/05 21:03

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2006/01/01 02:46

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2006/01/04 12:53

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2006/01/09 03:56

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2006/01/26 00:12

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2009/11/18 23:27

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2006/01/30 18:47

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