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紙の本
晴天
2014/08/05 08:28
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:きいろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
元の版も好きな作品なので、どこか変更になった部分があるかと、読んでみました。元の版で私が一番印象に残った一文が見当たらず、記憶違いでなかったら、作者の宗教観が変わったかも知れないと思いました。それは、ギリシャの旅の方。宗教に対してより冷静になってる。
トルコの旅の方は、こんなに大変だったっけ?と思いました。私なら、ギブアップしてる。
実を言えば、私は村上さんの作品は、小説よりエッセイや紀行文の方が好きで(小説は重く感じるときがあるから)、こういうのはあると嬉しいです。
紙の本
辺境の旅
2019/02/13 00:44
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:H2A - この投稿者のレビュー一覧を見る
ギリシャ正教の聖地アトス島。狭い島に女人禁制の修道院がひしめく秘境。村上春樹と2人が巡礼の旅に。断崖絶壁で閉ざされた隠者の世界に心惹かれるが、わりとすぐに終わってしまう(島にいるのは上限3日という制約があるので)。後半はトルコのトラキア地方からイースタンブールを経て黒海沿岸、ソ連国境、イラン・イラク国境、シリア国境を経てエーゲ海側に至る。これがパジェロに乗って2人交代で走破したというから凄い。トルコもまたギリシャとはちがった異郷ぶりで、作者は危険な目に遭ったり(クルド人の武装勢力に囲まれたり)、兵士と交流したり、国道24号線でタンクローリーに囲まれたり、白いドレスを着て馬に乗った少女の夢のような光景に見とれたり、地元の親切な人々に感謝したり無視したり、そんな光景が目に浮かぶ。ヴァン猫、チャイハネ。パン。トルコいいなあと思わせられた。時系列も飛ぶし、行ったところを網羅的に書いていないが紀行文としてかなりおもしろい。
紙の本
自分にはできないハードな旅!
2002/10/14 05:14
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ローズヒップ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ギリシャもトルコも、「こんな旅、自分では絶対できない!」と思ったからなお面白かった。
ギリシャ聖教の聖地アトス半島の修道院巡りの旅。女人禁制だから私なんて足を踏み入れることさえできない。修道院で出されたこの世のものとは思えない青黴パンを齧りながら、村上春樹もよく頑張った!
トルコでも、三菱パジェロに体当たりしてくる野犬をかわしながら、走り続けた。一口にトルコと言っても広い国。筆者は、5つの部分に分かれていると感じたそう。そういう感覚は車の旅だからこそ得られるんだろうな…うーん、うらやましい!
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リアル・ワールド
2001/06/24 22:58
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投稿者:katu - この投稿者のレビュー一覧を見る
ギリシャ篇とトルコ篇に分かれており、それぞれ「アトス—神様のリアル・ワールド」、「チャイと兵隊と羊—21日間トルコ一周」というタイトルが付いている。
どちらか一方を選べと言われたら、私ならギリシャ篇を選ぶ。
アトス半島というギリシャ正教の聖地にある修道院を巡る旅である。世の中にこんな場所が存在するのか、というくらい世俗からは切り離された世界である。そんなアトス半島の修道院から修道院を基本的には徒歩で渡り歩く。修道院は異教徒の巡礼を認めているので、巡礼に訪れた人たちは食事も出してもらえるし、泊めてももらえる。修道院によって料理やベッドにずいぶん差はあるわけだが。
すべてを終えて著書はこのように書いている。
「たぶんそれは宗教云々というよりは、人の生き方の確信の問題なんだろうと思う。確信ということで言うなら、世界中探してもアトスくらい濃密な確信に満ちた地はちょっと他にないのではないかという気がする。彼らにとっては、それは疑いのない確信に満ちたリアル・ワールドなのだ。」