紙の本
古きよき時代…
2014/10/06 04:19
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:une femme - この投稿者のレビュー一覧を見る
まず、さすが文豪というのが第一印象。しかしながら、その他の有名な作品に比べ、世俗的な作品のように思われる。東京を舞台にして、一般的な家族や、そのなかで起こる、ささいな出来事を描いているからだろう。描かれる時代は異なっても、なんとなく、身近に感じられる。
一歩間違うと、昼メロになりそうな話だが、作品世界の美しさが、それを防いでいる。登場人物が、それぞれ、なかなかの個性を持って描かれていて、面白い。
少し長いため、途中で飽きがきたが、なかなか現代的な、川端作品を楽しめた。
紙の本
女であること
2001/03/17 20:09
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投稿者:55555 - この投稿者のレビュー一覧を見る
女であることとはなにか。女に生まれてきた市子を中心にして女独特の世界が動いていく。570頁と若干長いが読みやすくすらすら読める。
眠れる美女など独特の作品をかいた川端康成の傑作長編。
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書いてる人は男なのに、なぜにここまで書けるのかと思うくらいスゴイ本。何人か女の人が出てきますが、心の変化が繊細すぎるぐらいにきれいに描かれていて素晴らしい。そして切ない。
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淡々としているのに、不意にハッとさせられるような表現があったり、吐く息の白さや女たちの肌の白さが垣間見えるように感じたり、とにかくやっぱり川端康成は人というものをよく見ていた人なのだな、と思った。
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文豪の作品を!とふいに思ったので。
さかえちゃん
妙子さん
市子さん
町子ちゃん
裏表紙のあらすじには「同性愛のような」って書いてあったので、すごく耽美な描写を期待していたのですが、そういうことはありませんでした。
もっと百合っぽいのかと思った。
さかえちゃんの美しさに嫉妬。
市子さんが、最初は理想の女性のように思えたけども、少しのことで嫉妬したり、やっぱり女は女っすね。
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吐き気がするくらい、女という性について生々しく描いた小説。
自分が嫌ってる女性像の裏に自分にもある汚い女性が垣間見えて、とっても気分が悪くなる話。うーわー。
いや、悪いエンディングではないんだけどね。
川端さんはすごいなー。
なんでこんなにわかるんだろう。
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だいぶ前に宇多田ヒカルのブログで紹介されていて読んだ本。
女性の心の動きをよく書いていると思うけど、男性にはこうした思考回路、理解できないだろうな
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著者らしい、綺麗な描写、文章。
男性が書いたとは思えないくらい、非常によく女性の内面が描かれている。
市子、さかえ、妙子、音子、山井、千代子、有田の下宿先の女主人…
くるくる変わる女性の心の内、空気、見た目も。
時にふと沸きおこる、「清純」「完璧」らしいものへの嫌悪感、嫉妬、不信感。
どうしようもないくらい相手を傷つけたい衝動にかられたり、かと思えば突如襲ってくる空虚感、この上なく優しい気持ち。
そんな、自分でも説明をつけ難い、なんだかわからない女というものを、
描写している。
綺麗だったり、可愛かったり、子供だったり、強かったり、頑固だったり、弱かったり。
女性って、色んな顔がある。飽きない。
決して軽くはないけど、読み終わってくらい気持ちになることもない。
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女、というものに冷静に向かいあって書いた小説。女というと谷崎などもよくテーマにするし、またさかえなどは氏の小説に出てきそうなキャラクターだが、読後受ける印象は反対と言っていいに等しい。ただなまなましさや哀しさが残った。文章はとても美しく、難なく読めるが、読み終わると読んでいる最中とは打って変わって暗い気持ちに襲われる不思議な小説である。
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大阪の家出娘・さかえと、罪人の娘である妙子と、彼女らのあこがれや羨望の対象であ佐山夫妻と、彼らにまつわる話。
さかえがいかにもその年頃の娘という感じ。
川端康成のいわゆる代表作というものを読んでいない(読もうとしたけれどなんとなくアレルギー)のでなんとも言えないが、女目線の女に対する理想みたいなものが書かれていると感じた。谷崎とか三島とかに比べてという根拠だが。
けっこう長い。
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主人公を女におき、その視点で女の心理を穿った作品です。
女性像が川端作品らしく、様々に個性がある女性達を描いている作品です。
昼ドラのような展開ですので、著書の作品の綺麗さよりも、心理的葛藤にテーマをおいているのではないでしょうか。
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美を探して…(日本の古典編):1
「そんなの、ハイ・ヒイルをはいたら、直ることですわ。」
女性の矛盾性を鋭く描いた一冊。
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川端康成は女性の性質をあぶりだす天才なのか、女性が思うより男性には「女」が溢れ出でて見えるのか…
いろんなタイプの女性が出てくるけれど、どの女性の心の機微も的確に美しく描いてあって、読んでいて頷ける描写が散りばめられていた。
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主人公の市子と同じ家に暮らす二人の若い女性の(男性をめぐる)行動と心理描写に重点が置かれた小説.
ここに書かれた女性の心の動きが,女性にとって,どれだけリアルなものなのか,あるいは男性の視線からみたものに過ぎないのか,実際のところはわからないけれど,私には少々表面的・類型的に思われてしまった.そのことで通俗小説にかなり傾いている感じがする.また物語の終わり方も含めて古くささも感じてしまう小説だった.そしてちょっと長い.
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さすが文章は、端麗。ただ、鋭く女性の本質をつきすぎて、夢見がちな私にはちょっと気持ち悪かった。そうなんだけど、もう少し夢をみせて欲しい。。私は、谷崎派。どうせ語るならマドンナ論歓迎。