ブックキュレーターHONZ代表・元日本マイクロソフト社長 成毛眞
ビジネスマンへの歌舞伎案内本
おもしろさがわからなかったが、何度か見るうちに歌舞伎の魅力に気がついた。歌舞伎には何百年も変わらない日本人の姿が描かれている。どんな人間が慕われ、煙たらがれるのか。ビジネスの世界でも、よい数字をあげてもなぜか出世できない人、一方で皆に好かれる人気者が存在する。そのなぜや理解不能な部分がしっかり描かれている歌舞伎を知って、損をすることはない。即効性はないが、歌舞伎で得られるビジネスにおける効用を是非体感してもらいたい。そんな歌舞伎を知れる本を紹介する。
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歌舞伎の愉しみ方
山川 静夫(著)
「女形」「だんまり」「遠見」といった歌舞伎特有の約束事から、「曾我物」「デンデン物」などの演目の分類、「下座音楽」「雪月花の舞台」などの楽しみ方、そして「いろけ」「いき」「襲名」など役者に関することまで。山川静夫さんが、直接解説をしているようにわかりやすく説明してくれる。歌舞伎初心者の基本書として第一に推薦したい。
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同じく、山川静夫さんの本。元NHKアナウンサーで紅白歌合戦の司会をつとめたことでも知られている。歌舞伎関係の著作も30冊を超えるプロのエッセイストでもある山川さんが、昭和の名優たちとの交流を描いた一冊。十七代目中村勘三郎の早変わりで声だけの代役を、実際の舞台でつとめたこともあるという裏話には心底驚かされる。
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オペラと歌舞伎 新版
永竹 由幸(著)
中学生時分から歌舞伎に通い、高校時代に歌舞伎作品の作曲も手がけた著者は、商社マンになりイタリアに駐在し、オペラに深く魅せられた。成立する時期の同時性、年中行事である興行スタイル、劇場の構造や仕掛けなどの歌舞伎とオペラとの類似性。あまりにも似ている二つの芸能が日本、イタリア、ドイツという枢軸三ヶ国で生まれたことに著者は驚くのだ。
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自分も歌舞伎の魅力がわからなかったが、一度おもしろさに気づくと、なぜ教えてくれなかったのかと責めたくなったほど。そんな体験も織り交ぜながら、初心者には理解しがたい歌舞伎の世界をわかりやすく案内。知らないと恥ずかしい常識から、教養として押さえておきたい必須の演目、ビジネスにも役立つ情報まで。ビジネスの基礎体力づくりに歌舞伎見物を。
ブックキュレーター
HONZ代表・元日本マイクロソフト社長 成毛眞1955年北海道生まれ。元日本マイクロソフト代表取締役社長。1986年マイクロソフト株式会社入社。1991年、同社代表取締役社長に就任。2000年に退社後、投資コンサルティング会社「インスパイア」を設立。現在は、書評サイトHONZ代表も務める。『2040年の未来予測』(日経BP)など著書多数。
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