教養として知っておきたい！約10ページの漫画or無料で読める名作文学

太宰治『人間失格』や夏目漱石『三四郎』、芥川龍之介『羅生門』など、雑談のなかで出てきたら「読んでいません」といえないような古典的な名作文学26作を、約10ページのさらっと読める漫画として紹介した一冊です。「定番すぎる文学作品」を紹介した同シリーズもあるので、ぜひそちらも併せてチェックしてみてください。

1915年に発表された芥川龍之介の代表作の一つとされる短編小説です。平安時代末期の説話集『今昔物語集』に残されている逸話をもとに、生きるために死体の髪の毛からカツラを作る老婆と出会った下人が「エゴ」について逡巡していきます。本書と芥川の『藪の中』を原作とした黒澤明監督による同名映画もあるので、併せて観るとより楽しめるでしょう。

1915年に刊行された、チェコ出身のドイツ語作家フランツ・カフカによる小説です。『ある朝、グレゴール・ザムザが気がかりな夢から目ざめたとき、自分がベッドの上で一匹の巨大な毒虫に変ってしまっているのに気づいた』という書き出しではじまり、巨大な虫になってしまった青年と、彼の世話をする家族の不条理な日常が描かれています。

日本探偵小説における「三大奇書」に数えられ、幻想的で怪奇な作風で知られる夢野久作が10年以上も掛けて完成させた、1935年に出版された小説です。「読むと発狂する」とまでいわれている常軌を逸した内容。しかし、その知名度ほどは読まれていないので、読了すれば周囲の読書家から一目置かれるようになるはずです。

ドストエフスキーなどと並んで19世紀のロシア文学を代表する文豪として知られているレフ・トルストイが、1886年に発表した小説です。ロシア民謡から着想を得ているお話で、目の前の誘惑に負けずに勤勉に働くことの尊さが説かれています。また、文藝春秋社を設立したことで知られる作家の菊池寛が、翻訳を担当している点も注目の一冊です。