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正常と異常の境界はどこに!?「狂気」について深く考えさせられる本
「異常」とか「狂気」というレッテルは、ともすると個人を不当に滅ぼしかねません。いったい誰に、「異常である」とか「狂っている」という判定をくだす権利があるのでしょうか?また、「異常と正常」や「狂気と正気」との間にはっきりとした境界はあるのか・・・。そうしたことについて、深く考えさせられる本を紹介します。
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狂気の歴史 古典主義時代における
ミシェル・フーコー(著) , 田村 俶(訳)
フランスの哲学者ミシェル・フーコーが、「狂気」の相対化を試みた大著です。狂気の定義は社会や文化によって、また時代によって、大きく異なるという歴史的事実が緻密に描かれています。異常性を判定する際に、いかに良心という基準が頼りないものであるかがよくわかります。狂気について考える上で、まず手に取るべき一冊です。
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良心をもたない、いわゆる「サイコパス」について考察した本です。けれども良心とはそもそもなんなのでしょうか?本書を読めば、異常と正常の境界がますますわからなくなってきます。政治の指導者や会社の重役などにもサイコパスは多くいるといわれていますが、もし彼ら彼女らが組織・社会の価値観を決めているとすれば・・・と考えさせられる一冊です。
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おぞましい二人
エドワード・ゴーリー(著) , 柴田 元幸(訳)
実際に起こった殺人事件をもとにして書かれた大人の絵本です。その事件というのは、夫婦2人で幼児を次々と誘拐し、殺害したというもの。けれども、本書で描かれているこのおぞましい2人の、おぞましい生育環境を知ると、どことなく同情したくもなります。正常から異常への道行きが誰にも開かれていることがわかります。
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