ブックキュレーターグラフィックデザイン季刊専門誌『アイデア』編集長 室賀清徳
フォントの楽しみから書きことばの深層まで、日本語の文字と書体を深く知るための5冊
プロのデザイナーのみならず、書類作成や簡単なデザイン作業をおこなう多くの人にとってフォント(書体)選びは日常的な行為となりました。フォントの技術的知識や作例をまとめた本は各種ありますが、ここではフォントを楽しむための見方にはじまって、日本語における書体、文字、文の関係性とその歴史の流れをつかむための本を選んでみました。
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本を読む人のための書体入門
正木 香子(著)
書体の選択ひとつで文は表情を変えます。また、その感じ方にも、知らない間に身についた慣習や読み手の体験が反映されています。本書はいわゆる書体の技術や歴史の入門書ではありませんが、読書好きの目線から書体の味わい方を提案するゆるやかな指南書。随所に盛り込まれたマニアックな知識がさらなる深みへと誘います。
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もじのみほん 仮名で見分けるフォントガイド 2.0
アイデア編集部(編)
日本語書体は数千種が流通していますが、気になる書体を見つけたときどう特定すればいいのでしょうか。実は書体の違いはひらがなのかたちにもっとも表れます。本書は使用頻度の高い書体のひらがなを字種ごとに並べ、比較特定をしやすくした異色の見本帳。じっと眺めているだけでも楽しめます。机上、枕頭、安息空間の一冊。
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日本の文字 「無声の思考」の封印を解く
石川 九楊(著)
日本の文はなぜ漢字とカタカナ、ひらがなを併用しているのか。ぞれぞれの由来と役割はなにか。話される音声と書かれた文字の違いとは。独自の書論で知られる書家が、普段は意識せずに運用している日本の書きことばの構造を、書の実践や歴史を踏まえて文明論的な視点へと接続する。文字の歴史に深く潜るための手引き。
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日本語の歴史
山口 仲美(著)
書体から文字、文字から文へ。古文で学んだような言葉は、いつどのような経緯を経て現在日本語に変化していったのでしょう。このような当たり前の疑問に平易に答える、あるようでなかった概説書。古代から現代にいたる日本語の構造的変化やその背景をコンパクトにまとめ、生生流転を続ける書きことばへの視座を提示します。
ブックキュレーター
グラフィックデザイン季刊専門誌『アイデア』編集長 室賀清徳1953年創刊のグラフィックデザイン季刊専門誌、『アイデア』編集長。『アイデア』では、国内外のデザイナーの活動やデザイン事情、歴史的な資料やテーマ研究など、読み応えたっぷりの記事と豊富なヴィジュアルで読者にお届けしています。(http://www.idea-mag.com)ブックツリーでは、多方面の本を紹介していきます。
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