教科書では語られない、歴史・文化に夢中になれるコミック

紀元前、春秋戦国時代の中国。身寄りのない少年、信が友との誓いを胸に戦乱の世を生き抜き、大将軍を目指し成長していくストーリー。『史記』を基に作者が構築したキングダムの世界は、とても魅力的なキャラクターたちであふれており、手に汗握る展開に時間を忘れて没入してしまいます。

明治末期の北海道。日露戦争帰りの元軍人・杉元佐一は、アイヌが秘蔵していた金塊の噂を耳する。その隠し場所を示す刺青が彫られた囚人探しの旅の道中、アイヌの少女アシリパと出会い行動をともにすることに。フィクションを織り交ぜながらもアイヌの文化が「明るく、おもしろく」描かれています。

19世紀後半の中央アジア。「美しいお嫁さん」を中心に、異国のホームドラマのように物語は展開されます。作中の文化・風習の描写がとても細やかで丁寧。特に緻密で美麗な刺繍の描き込みは、世界観に何層もの厚みを生み出しており、それだけでも一見の価値ありといえます。

18世紀のパリ。ルイ16世やマリー・アントワネットの処刑指揮をとった死刑執行人シャルル＝アンリ・サンソンの物語。処刑人の一族に生まれながらも、死刑廃止を願い処刑を通じて得た技術や知識を医療に生かし、過酷な運命に立ち向う姿に心打たれます。

1890年代、ヴィクトリア朝の末期のイギリス。メイドのエマと上流階級のウィリアムとの禁断の恋を描いた物語。家事使用人としての英国メイドが忠実に描かれており、この作品を通じて当時の暮らしの雰囲気を肌で感じることができます。