フランス革命の重要人物！その真の姿に迫るコミック

今世紀になってから解明された事実をもとに描かれるマリー・アントワネットやルイ16世は、これまでの驕慢や愚鈍といったイメージを完全に覆していてインパクト大です。ヴェルサイユ宮殿が取材などに全面協力し、衣装や建築、王宮儀礼などを監修している画期的なコミックで、巻末の資料もとても充実しています。

冷酷非情に策を弄し、「カメレオン」とも称される変わり身の早さで、フランス革命から王政復古の時代まで権力中枢で暗躍したジョゼフ・フーシェの一代記を描いたコミックです。ロベスピエールなど実在の人物も多く登場し、史実に基づいて描かれているのですが、人間の中に潜む闇の深さに恐ろしくなってくるかもしれません。

ルイ16世、マリー・アントワネット、ロベスピエールなどフランス革命の主要人物を処刑した死刑執行人シャルル-アンリ・サンソンの生きざまが、繊細で美しい筆致で描かれています。聡明で信仰厚く、死刑制度の廃止を願いつづけたサンソン。読者はその高潔な魂が見たフランス革命の哀しさを追体験することになります。

革命直前のフランス、幼い頃ともに育った平民のギデオンと貴族のジョルジュが再びめぐり合います。国を憂う思いは同じながらまったく異なる手段を取る2人の間に、愛や憎しみ、そして数奇な運命が渦巻いていきます。荒唐無稽な設定なのに不思議なリアリティを感じる2人の主人公が躍動する、新しい切り口のフランス革命譚です。

フランス革命に関わった人たちの肖像画を集めたユニークな本です。その当時に描かれた肖像を見ると、それぞれの人となりがより生き生きと感じられます。歴史学者で「小説フランス革命」シリーズを執筆する著者が解説を書いているので、人物評は秀逸です。フランス革命関連の本を読むとき、かたわらに置いておくことをオススメします。