ブックキュレーター作家 藤崎翔
僕が読んで、とにかく笑った本
元お笑い芸人(※全然売れませんでした)の僕は、子供の頃から今に至るまで、笑いに特化した本を多く読んできました。一応今の肩書きは小説家となっている僕ですが、文学について語ってみろと言われても10分も持つ自信はありません。しかしお笑いのことなら1時間ぐらいは語れると思います。そんな僕が、10代前半から20代後半に読んだ「笑える本」をご紹介します。
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海砂利水魚の教科書
海砂利水魚(著)
小学生時代の僕が何度も読み返しては大笑いした、くりぃむしちゅーのお2人の改名前の著作です。「教科書」というタイトルで、章ごとに「常識力」、「創造力」などと銘打っていますが、中身は最初から最後まで、ナンセンス、シュール、下ネタと、笑いでぎっちり埋め尽くされた珠玉のネタ本です。
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オンリー・ミー 私だけを
三谷 幸喜(著)
僕は高校時代に読んだのですが、その時すでに刊行から10年近く経っていたため、当時の僕でも「あの三谷幸喜さんにこんな時代があったんだ」と感慨を覚えたものです。まだ『古畑任三郎』を生み出す前の、若手脚本家時代の三谷さんの日常がつづられた爆笑エッセイですが、エッセイを装って思いっきり創作している箇所もあり、それも秀逸です。
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らも咄
中島 らも(著)
これも僕が芸人時代に読んだ、中島らもさんの創作落語集です。書かれたのが1990年代初頭なので、懐かしい(というかところどころ僕でもよく知らない)人名やフレーズが多く出てきますが、マクラに散りばめられたうんちくはためになるし、くすぐりも、オチの完成度も秀逸。落語ブームといわれる昨今、改めて多くの人に読んでほしい一冊です。
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グレート生活アドベンチャー
前田 司郎(著)
僕が芸人を辞め、なんとか創作で食っていけないかと小説の新人賞に応募しまくっていた頃に読んだ作品です。図書館で読み始めたら面白すぎて笑いが止まらなくなり、迷惑になると思ってすぐに借り、のちに本屋さんで買いました。芥川賞候補作ですが、純文学が苦手な方もきっと笑って読める、主人公のヒモ男がゲームをして引きこもるだけの、行動範囲が数畳の小説です。
ブックキュレーター
作家 藤崎翔1985年生まれ。茨城県牛久市出身、在住。高校卒業後、6年間お笑い芸人と して活動。 2014年に『神様の裏の顔』(受賞時「神様のもう一つの顔」を改題)で第34回横溝正史ミステリ大賞を受賞しデビュ ー。軽妙な語り口とあっと驚く結末が持ち味の、期待の新鋭。 著作に『こんにちは刑事ちゃん』(中公文庫)、『おしい刑事』(ポプラ文庫)などがある。全編、対談と心の声で構成された変化球ミステリ『殺意の対談』(角川文庫)が好評発売中。
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